1月31日(土) ワイルドカードトーナメント NTTドコモ 10−33 NEC 

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1月31日(土) ワイルドカードトーナメントNTTドコモ 対 NEC

2015年1月31日(土) 12:00キックオフ グラウンド:近鉄花園ラグビー場
レフリー:加藤真也 (日本協会A1)
アシスタントレフリー:塩崎公寿 / 真継丈友紀 / 落田佳宏
NTTドコモ
レッドハリケーンズ
NEC
グリーンロケッツ
10 FULL TIME 33
 3 前半 21
 7 後半 12
詳細(TL公式)

◎レポート
先週のワイルドカードトーナメント1回戦でグループAのトヨタ自動車を破って勢いに乗るNTTドコモとこれまでトーナメント戦には滅法の強さを発揮するNECとの戦い。第52回日本ラグビーフットボール選手権大会出場にあと1勝となり、念願の初出場を目前にしたNTTドコモと一方のNECは過去3回の日本選手権優勝を誇る。レギュラーシーズンではセカンドステージ第5節、NECが40-14でNTTドコモを破っている。いよいよシーズンも大詰めを迎えた両チームにとっての重要な一戦は底冷えの近鉄花園ラグビー場で、NTTドコモSOリアン・フィルヨーンの風下からのキックオフで幕を開けた。

序盤はNTTドコモが強い北風の風下にもかかわらず、セカンドステージ以降の勢いそのまま積極的にボールを展開して再三NEC陣深く攻め込むが、NECの固いDFにプレッシャーを受けたハンドリングエラーなどで得点には至らない。風上のNECもロングキックでエリアを確保しようとするが、上手くコントロールできずにチャンスの芽を摘まれるといった展開。

試合が動いたのは前半19分のNEC、自陣10mライン付近で相手ボールをインターセプトした№8ガレス・デルブが長駆ゴール前に迫り、ゴール直前の左中間ラックから右に展開して最後はHO臼井陽亮がポスト右にトライ、SO田村優のゴールも決まり0-7と先制した。

さらにNECは26分、ゴール前で執拗に繰り返したFWラッシュの末に得たNTTドコモのオフサイドによるPKから速攻、SH茂野海人からのボールを足にかけた田村が左中間に押さえて0-14とリードを拡げる。

対するNTTドコモも29分にFBキャプテン才口將太のPGで反撃するが、直後の31分、逆にNECのCTB森田洋介にトライを決められ3-21で前半を終了した。

後半風上に立ったNTTドコモは前半同様、果敢にボールを展開してNECゴールに迫るが、ラインアウトなどセットプレイでミスを連発して得点には至らない。

さらにNTTドコモはDFでも集中力を発揮してNECの攻撃を凌いでいたが、27分にNECはフェーズを重ねて手薄になったNTTドコモDF陣の隙を突き、田村の個人技からボールを受けたWTBニール・ブリューが中央にトライを挙げて3-28と勝負をほぼ決定づけた。直後の30分、NTTドコモも意地を見せFWラッシュから右FL川田涼がトライを返すが時すでに遅し。終了間際NECは右PR土井貴弘が左中間にトライ、10-33とダメを押した。

快勝で3大会ぶりの日本選手権出場を決めたNECは、トーナメント戦に入り期待通り試合巧者ぶりを発揮した。NTTドコモもチャレンジャーらしく積極果敢に攻撃を繰り返したが、NECの強固なDFの前では単調な攻めとなりNECの術中にはまった形であった。NECの日本選手権初戦の相手は学生王者の帝京大学。非常に興味深い一戦となろう。NTTドコモレッドハリケーンズVSNECグリーンロケッツ会見サマリー

(会見ダイジェスト)
【NTTレッドハリケーンズ 下沖正博監督】
先週に引き続き大阪ホームグラウンド花園で多くのファンの皆様の前で試合が出来ることを嬉しく思います。残念な結果となったが、今シーズン振り返ってファーストステージ7連敗からセカンドステージ、ワイルドカード2回戦まで進出できたことはチームにとって大きな成長だと思う。ここまでの戦いを土台に来年更に飛躍出来る様にまた、次のシーズンに向けて良い準備をしたいと思います。一年間、有難うございました。

(セカンドステージでも対戦して点差が開いていたが、分析と対策は?)
下沖:セカンドステージの敗因はセットプレイにあったので自分達のラインアウト、スクラムをキープすることが勝ちに繋がるとセットプレイをしっかり今週一週間準備していた。NECも分析力がありますので、相手も分析していると思っているので、今までのことをそのまま使うのではなく少し変えるところは変えて臨んだが、分析以外のところでのラインアウト、ディフェンスでのプレシャーが強くマイボールをキープできず、思い通リのアタックが出来なかった。ラインアウトを起点としてもう少しアタックしたかったが、起点をつくることが出来なかった。

【才口將太ゲームキャプテン】
本日は素晴らしい環境と沢山の声援に感謝しています。ドコモとして初めて入替戦を回避したシーズンで新しい歴史をつくると一戦一戦、戦ってきたが最後の試合で負けてしまって残念に思う。今日の試合はNECの素晴らしい精度と集中力に我々がついて行けずに実力が足りなかったと思う。この悔しさをバネに来季更に成長したいと思います。今シーズン応援、有難うございました。

【NECグリーンロケッツ 相澤輝雄総監督】
NECを応援してくれた皆様に花園で勝利したことを報告できることを嬉しく思います。また、3年ぶりの日本選手権に出られることも非常に嬉しく思っています。

【NECグリーンロケッツ 瀧澤 直キャプテン】
この試合に勝つことしか考えていなかったので、内容とか過程とかは別にして勝利したことと、3年ぶりに日本選手権に出られることを本当に嬉しく思うしその切符を手に入れることができた良いゲームだったと思います。

(ゲームの中でのポイントとなったところは?)
相澤:風の強い試合で風の影響が左右する試合だったので前半、風上で良い得点ができたことと、後半も風下の中でも非常に良いディフェンスできNECの目指しているラグビーができたと思う。

瀧澤:風上、風下を意識した中で前半に得点できたことと、風上を自分達が選んだことで相手のエリアに居ながら得点したこと、苦しい時間帯でも要所のセットプレイでも自分達の思い通りに運べたことが勝利に結び付けたと思う。

(風上の前半20分位まで点が獲れなかったが焦りはなかったか?)
瀧澤:点を獲らないのは慣れているので(笑)、前半20分位得点が獲れなくてもディフェンスをすればよかったので特に焦ることもなく、スクラムでもコンタクトでも要所を抑えていると意識していたので焦らず試合を進められると思っていました。

(日本選手権は大学のチャンピオンと対戦するが、どう考えているか?)
相澤:帝京大は強いチームですので大学とのやりにくさはあるが、気にせず次の強いチームと試合する準備を一週間したい。

瀧澤:今回の試合でも目の前の試合に勝つことをフォーカスしてきたので、大学生とか関係なく目の前の相手に対して自分達のできることを100%やるだけという意識は強くあります。

(記事:石川悟、蜷川善夫、玉川育夫 写真:山口勝一、前田寛文 広報担当:村島博)