1月18日(日) トップチャレンジ1第2節 九州電力 26-17 釜石シーウェイブス

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トップチャレンジ1 第2節 九州電力 VS 釜石シーウェイブス

2015年1月18日(日) 12:00キックオフ グラウンド:近鉄花園ラグビー場 入場者数:晴れ 天候:2471人
レフリー:戸田京介 (日本協会A)
アシスタントレフリー:橋元教明 / 立川誠道 / 岸上耕一
九州電力
キューデンヴォルテクス
釜石シーウェイブスRFC
26 FULL TIME 17
19 前半 12
7 後半 5
 勝点
5
 勝点
0

◎レポート
前節でリーグ戦を終えたトップリーグもポストシーズンを迎え、様々なカテゴリーでポストシーズンマッチが開始される。一足早くスタートしていたトップチャレンジシリーズも残すところあと2節、入替戦の対戦相手となるトップリーグ・グループBの順位も確定し、チャレンジャーたちにとっても予断を許さない戦いが続く。
第2節は各チームを近鉄花園ラグビー場に迎え、第1試合はトップキュウシュウA 1位の九州電力キューデンヴォルテクスと、トップイーストディビジョン1では2位に終わったが昨年末のトップチャレンジ2で中国電力と大阪府警を抑えて、トップチャレンジ1に挑む釜石シーウェイブスRFCとの戦い。両チームとも第1節では惜しくも苦杯を嘗め勝ち点は獲得できなかったが、入替戦を優位に進めるためにも少しでも順位を上げておきたい。白熱の一戦は九州電力のキックオフで12時に開始された。

序盤はお互いにキックの応酬で相手の動きを伺うという静かな立ち上がり。両チームともアタックに決め手を欠き、BKにボールを展開するもなかなか得点できない。試合が動き出したのは前半16分、10mL付近で九州電力FB加藤誠央がラインブレイクしてそのまま中央にトライ。SO荒牧佑輔のゴールも決まって7-0と先制した。

しかし釜石も24分、BKで左右に揺さぶった後、ゴール直前の右中間ラックから左に展開し、九州電力のDFラインの隙をついてCTB小野航大が左中間にトライを挙げ7-5と反撃を開始した。さらに直後の27分、10mL付近で相手キックをチャージした左WTB藤原健太がそのままボールを拾い、約50mを走り抜き中央にトライ。SO井上益基也のゴールも決まり7-12と逆転した。だがここから九州電力FWが奮起し、優位に立つ密集周辺で積極的に働きかける。34分、さらに直後の36分に№8小原渉、SH児玉大輔が連続してトライを挙げ19-12と再逆転して前半を終えた。

後半も序盤は膠着状態。釜石FW・BKがようやくボールを維持して果敢に攻め込むが、九州電力のDFに阻まれて決定機を掴めない。逆に九州電力が17分に22mL付近左中間ラックより右に展開し、SO荒牧からボールを受けた№8小原が再び左中間にトライを挙げ、26-12と釜石を突き放しにかかる。釜石も20分に後半から投入された右LOマヘ・トゥビがゴール直前の右中間ラックからパワーでトライを奪うが反撃もここまで。26-17と九州電力がトップチャレンジ1で初の勝点5を挙げた。

九州電力はFW・BKが積極的に前に出るDFが功を奏し、釜石のアタックを機能させずに勝利を収めた。しかしセットプレイ、特にラインアウトでFWがミスを連発し、再三得点機を逃した。このあたりの精度をアップしなければ最終節、入替戦でも苦戦は免れない。また釜石も入替戦に向けて最終節で是非とも意地を見せたいところである。

(会見ダイジェスト)
釜石シーウェイブスRFC 三浦健博 ヘッドコーチ
「今日も、またディフェンスにフォーカスして試合に臨みましたが、ハイボールの処理のミス等で失点をしてしまいました。アタックについてはうちにチャンスもかなりあったが、九州電力の方に決定力があったということ、その点差だと思っています。」

――トップチャレンジ1とトップイーストとの違いは?
「やはりミスに対して、そこを突いてくるというか、そこからトライを獲りきる力が違うと感じています。イーストではミスは犯してもこうした経験がなかったので、そこを重要視してこなかった。反省です。」

――次戦と入替戦に臨むにあたっての修正点は?
「ターンオーバーされた後の攻守の切り替え、この部分で穴を作らないということ。もう一度ここにフォーカスしてやっていきたいと思います。」

須田康夫 キャプテン
「自分たちのミスを相手に突かれトライをされてしまいました。完敗です。九州電力のようにしっかりエリアをとってディフェンスをしないといけない、ここが課題です。」

――ハンドリングミスが多かったが?
「特に相手のプレッシャーを感じてということではなく自滅です。やはり、後がないということで知らないうちに精神的にプレッシャーを感じていたのかなと思います。」

――トップチャレンジ1とトップイーストとの違いは?
「接点は通用していると感じているが、ミスを含めチームとしての精度の違いを感じています。」

九州電力キューデンヴォルテクス 平田輝志 監督
「釜石という歴史と伝統のあるチームと対戦できたこと、とても幸せに感じています。われわれは日本人のみでチームを構成しているが、そのチームがこのトップチャレンジ1というステージで一つ勝ち星を上げたことは、大きな意味があると思っています。ゲームに関しては、セットプレイが拙く、それがアタックのリズムを作れなかった大きな要因です。ただ釜石の強力な外国人選手に対して、しっかり前に出るディフェンスが80分間通してできていたので、そこは評価したいと思います。」

――ホンダ戦に向けての抱負は?
「われわれは失うものは何もないので、1年間の集大成として、力のあるホンダに対してどれだけ戦えるか、こうした覚悟をもって臨んでいきたいと思います。」

平田一真 キャプテン
「勝ち点5を獲れて、素直に嬉しいです。先週からの課題である『外国人相手に個ではなく組織でディフェンスをする』ということを80分間できたことは、評価したいと思います。途中厳しい時間帯もあったがそこで崩れず、全員で修正できたことは、大きな収穫であると感じています。」

――ホンダ戦に向けての抱負は?
「来週に向けては、1年間やってきたことを100%出すだけだと思っています。そうすれば、本日のように結果が自ずと付いてくると思うので、チーム一丸となってやっていきたいと思います。」

(記事:石川悟、蜷川善夫、高橋茂治 写真:山口勝一 広報担当:村島博)