12月27日(土) 2nd・第4節 ヤマハ発動機 vs トヨタ自動車
2014年12月27日(土) 13:00キックオフ グラウンド:ヤマハスタジアム | ||||
レフリー:塩崎公寿 (日本協会A1) アシスタントレフリー:川尻竜太郎 / 眞崎智央 / 吉本 敬(関西協会) |
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ヤマハ発動機 ジュビロ |
トヨタ自動車 ヴェルブリッツ |
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26 | FULL TIME | 10 | ||
12 | 前半 | 0 | ||
14 | 後半 | 10 | ||
勝点 5 |
詳細(TL公式) | 勝点 0 |
◎レポート
“4強入りをかけた戦いはヤマハ発動機がプレーオフ進出への望みをつなぐ”
ヤマハ発動機(以下ヤマハ)は、前節相性がいいはずの神戸製鋼に完敗、一方のトヨタ自動車(以下トヨタ)は東芝と善戦するも最後に突き放され敗戦。残り2試合、自力でプレーオフ進出するためにはお互いに負けることができない重要な一戦となった。ヤマハのホームゲーム最終戦であり、穏やかな天候の中ヤマハスタジアムには5,064人の観客が集まった。
トヨタのキックオフで試合開始。お互い大事な試合と認識しているためか、激しいぶつかり合い、気迫のある攻防がセンター付近で続く。ヤマハはスクラムでプレッシャーをかけ、トヨタのペナルティが続いてもPGを狙わずタッチキックを選択するなど、トライが欲しい気持ちがうかがえる序盤。トヨタもトライを許すまいと、ゴール前でのディフェンスに気合を感じる。
前半10分、ここまでいい動きをしていたトヨタ⑥FLジャーン・デイセルが反則の繰り返しによるシンビンで一時退場。数的有利のヤマハは前半13分、ゴール前右中間5mスクラムからサイドを連続して攻撃し、②HO日野剛志が体をねじ込んでゴール中央にトライ。Gも⑮FB五郎丸歩が決め7-0と先制する。その後一進一退の攻防が続き、トヨタはモールを押し込みヤマハのコラプシングでゴール10m前まで攻めるも得点を奪えない。両チームともターンオーバーを重ねボールの奪い合いが続くが、ディフェンスがよく決定的チャンスまではいかない。前半32分、ヤマハは⑦FL三村勇飛丸のタックルからボールを奪った今季初スタメンの⑨SH矢富勇毅がライン際を抜け出し②HO日野につないでそのまま右中間にトライ。⑮FB五郎丸歩がGを失敗するも12-0とする。前半はヤマハがゲームを支配し、トヨタはチャンスがないまま終了。
後半に入り最初にチャンスをつかんだのはトヨタ。4分、ヤマハのノットロールアウェイでトヨタ⑫CTBキャメロン・マッキンタイアーがセンターのPGを成功させ12-3。
後半7分に今度はヤマハ④LO大戸裕矢が反則の繰り返しによるシンビンで一時退場。その間に得点を奪おうとトヨタはボールをつなぎヤマハ陣内に攻め入るが、ヤマハの好ディフェンスにより攻めきることができない。両チームとも攻める気迫がターンオーバーを生み、攻守の入れ替わりが激しくなる。しかし、トヨタはヤマハ④LO大戸裕矢のシンビンの間に得点出来なかった。後半20分に入り、④LO大戸裕矢が戻ったヤマハのプレッシャーがトヨタのオフサイドを誘い、トヨタゴール前での攻防が続く。
そして25分、5mライン手前のトヨタのペナルティによりスクラムを選択したヤマハがゴールラインまで押し込む、トヨタは堪え切れずペナルティを犯し、ヤマハのペナルティートライとなる。⑮FB五郎丸歩がきっちりGを決め19-3とする。勢いに乗ったヤマハは後半29分、相手陣でフェーズを重ね⑨SH矢富勇毅からパスを得た⑩SO大田尾竜彦の頭脳的なショートパントを交代したばかりの23WTBシアレ・ピウタウがキャッチし左中間にトライ。Gも成功し26-3とボーナスポイントも得たヤマハが試合を決定づけた。このまま負けられないトヨタは、後半37分からヤマハゴール手前で連続攻撃を仕掛け、ヤマハゴール前22 mライン付近右サイドからセンターにボールを回し、ホーンが鳴り終わった後半40分、途中出場の⑳FLファイフェリ・レヴァヴェが意地のトライを決める(Gも成功)もジ・エンド。ヤマハが26-10で快勝した。この日のマン・オブ・ザ・マッチは、スタメンで起用され攻守にわたって活躍した⑨SH矢富勇毅と思われたが(清宮監督談)、前半2トライを挙げ勝利に貢献したヤマハ②HO日野剛志が、ホームゲームで2試合続けての受賞となった。
(会見ダイジェスト)
トヨタ自動車ヴェルプリッツ ●廣瀬佳司 監督
非常に重要な試合であるので、気合いを入れて臨んだが、終始ヤマハにゲームを支配された。何もできなかった。後半トライ取れたことはポジティブに考えたい。トップ4は難しくなったが、残り2試合トヨタらしい試合をするようフォーカスしたい。
文字隆也 ゲームキャプテン
前半は、自分達のミスで支配できなかった。後半の初めは、自分達プレーができていたが、トライが取りきれなかった。次の試合は頑張りたい。
Q―フッカーに上野選手を起用したのは、前節の東芝戦を踏まえてのことか?
● 廣瀬佳司 監督:そうです。
Q―ヤマハのシンピン時にトライが取りきれなかった原因はなにか?
文字隆也 キャプテン:すぐには、答えられない。ビデオを見てしっかり考えたい。
ヤマハ発動機ジュビロ 清宮克幸 監督
目標としていた5ポイントで勝利することができた。今日のようにシーズンを通じて、やりきれた勝利はなかなかない。前回の神戸戦では自分達の力を出せずに大敗した。ラグビーはメンタルなスポーツだとつくづく感じた。残り2試合、心も体も今回と同じような試合をすれば、目標としている次のステージに辿り着けると思う。次も今日のような試合ができれば、一皮むけた新しいヤマハになれるのではないか。
三村勇飛丸 キャプテン
前節のふがいない結果を受け止めて、セットプレーなど自分達が何をしたいのかを示す試合であった。まだまだ直さなければいけない部分もあるが、気持ちを出して勝てた試合だった。自分達の目標に辿り着くには、残り2試合勝たなければいけない。しっかり準備したい。
Q―矢富選手を先発で起用し、前半から素晴らしいプレーをしていた。評価はどうであったか?
● 清宮克幸 監督:もともと評価している選手である。今まで、先発させる踏ん切りがつかなかった。先発で起用すれば十分結果を出してくれる。次からは、先発でいいと思う。マンオブザマッチは矢富かと思った、日野の2トライ目は最後足がもつれていたからね、真ん中まで持っていれば簡単に7点取れた(笑)。
(記事:田代俊彦、小林聖子 写真:谷本結利 広報担当:石垣俊幸)