1月9日(金) 奈良工業高専 vs 仙台高専 名取キャンパス

メンバー表
ギャラリー

入場者数:500人 天候:晴れ/無風
レフリー:吉野滉平
アシスタントレフリー:阪本浩助 / 辻宏伸 / 下田紘朗
奈良工業高専 仙台高専 名取キャンパス
39 FULL TIME 5
14 前半 0
25 後半 5
詳細(日本協会公式)

LIVE配信


マッチレポート

2026年1月9日、第56回全国高等専門学校ラグビーフットボール大会決勝が神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われた。対戦するのは、3連覇を目指す奈良工業高等専門学校(以下、奈良)と、4年連続で決勝に進むもこの2年は奈良に阻まれ、3年ぶりの優勝を目指す仙台高等専門学校 名取キャンパス(以下、名取)。

12時、風下の奈良のSO⑩伊藤遼哉のキックで試合開始。最初にペースを掴んだのは奈良。名取のキック処理ミスから名取陣内で試合を進める。3分、奈良は右トライライン(TL)まで5mのラインアウト(LO)から密集サイドを仕掛けるが、TL直前でノックフォワード。チャンスを逃す。開始から自陣に封じ込まれていた名取にチャンスが訪れたのは7分。自陣左10mLのスクラムからSH⑨三浦靖弘がボックスキック。奈良がキャッチするも、FWがラックでターンオーバーして右へ展開。FB⑮渥美翔太SO⑩村越南月WTB⑭山口義翔と回すが、最後はスローフォワードで名取もチャンスを逃す。15分までは名取が奈良陣内でアタックを続けるが、奈良のディフェンスが前にプレッシャーをかけてゲインラインを割らせない。

次第に奈良がペースを取り戻し、得点が動いたのは20分。名取のペナルティーから奈良は左TLまで7mのLOを選択。FL⑥南崎壽伸(キャプテン)のスローからFL⑦佐藤清正がキャッチしてモールで押し、PR③宮川匠が密集サイドを突破して左中間にトライ。SO⑩伊藤のゴールも決まり、7-0。続く29分、奈良が追加点。再び左TLから10mのLO、今度はモールをそのまま押し切り、NO8⑧小泉信護が左中間にトライ。SO⑩伊藤のゴール成功で14-0。31分にも奈良はパスをつないでTLに迫るが、ノックフォワードで機会を逸する。前半終盤、名取はSO⑩村越の好キックで左22mLに入ったLOからモールで押し、密集サイドでアタックするが、奈良のディフェンスが崩れず無得点。前半は14-0で終了。

後半、名取のSH⑨三浦のキックで再開。序盤は奈良のミスから名取が奈良陣内でアタックを続けるが、奈良はディフェンスで押し返し名取陣内へ。フェーズを重ね、中央22mL付近からSO⑩伊藤がドロップゴールを決め、17-0(5分)。続く9分には、キックパスを受けたWTB⑪加来将暢が左隅にトライし、22-0(ゴール不成功)。

名取も16分、LOモールで押し込んで奈良FWのカバーディフェンスを遅らせてから左へ展開。CTB⑬高橋知輝が個人技で4人を振り切って左中間にトライ(ゴール不成功)で22-5。しかし奈良はすぐ反撃。20分、左TLから10mのモールを押し込み、LO⑤垣本祥吾が左中間に押さえて27-5(ゴール不成功)。以降も奈良は名取陣内深くで試合を進め、31分、名取のペナルティーから中央TL5mのスクラムを選択。SO⑩伊藤からNO8⑧小泉につなぎ中央にトライ、32-5。33分にもNO8⑧小泉の突破から、HO②小川正悟が左中間にトライして39-5(SO⑩伊藤ゴール成功)。

名取は最後まで2本目のトライを狙う。試合終了間際の35分、左TLから5mのLO。HO②吉田翼(キャプテン)からLO⑤青柳真でモールを作って押し込みTLを超えるが、グラウンディングできずトライならず。奈良が最後はキックでタッチに出し、ノーサイド。奈良が39-5で名取に勝利し、3連覇・8度目の優勝を飾った。

奈良は、名取のCTB⑫高橋芳輝CTB⑬高橋知輝を中心とした迫力あるアタックを、よく出るディフェンスでゲインを許さず、1トライに抑えたことが勝因。また、ラインディフェンスだけでなく、モールディフェンスでも名取にゲインを許さなかったことも大きい。名取は3年連続で奈良の壁に阻まれたが、最後までトライを取りに行く少しでも長く仲間とラグビーを共にしたいという気持ちが表れていて素晴らしいチームであった。奈良も名取も先輩のレガシーを引き継ぎ、来年また素晴らしいチームになって戻ってきてくれるだろう。

会見レポート

仙台高等専門学校 名取キャンパス

柴田尚都 監督
奈良さんのフィジカルや接点での強さで、うちのミスがたくさん出たのが敗因です。逆に奈良さんはミスがほとんどなく、その差がスコアに出たという感想です。

吉田翼 キャプテン
奈良さんのアタック、デフェンスでのフィジカルの強さからミスしてしまい、自分たちのラグビーをやり切れなかったのが敗因だと思います。

Q.三年連続での顔合わせで、接点の部分でどのような強化をしてきたのか?
吉田キャプテン
春からフィジカルの部分を強化しようといろんなメニュー、具体的にはウェイトでは重りを引っ張って走ったり、ゴムチューブで引っ張りながらタックルしたりと体幹を意識して、またスクラムの姿勢や、レッグドライブ、キャリーで暴れたりというところにこだわって体を当ててきました。前へ出るデフェンスはできたと思います。

Q.去年との違いは?
吉田キャプテン
ミスの多さだったと思います。デフェンスで粘り切れなくて、ペナルティーを犯してしまい、相手に自陣まで運ばれてトライに持っていかれました。デフェンスで粘り切ることができなかったのが今年この点差が開いた原因だと思います。
アタックは去年の反省をいかしてボールを動かしていこうと、準備していたのですが、奈良さんの上げてくるデフェンスのプレッシャーに負けてしまって思うようなアタックができませんでした。

奈良工業高等専門学校

森弘暢 監督
まだ整理しきれていないのですが、とにかくデフェンスはタックル、前へ出て倒し続ける、そこからペナルティーを獲得するように指示を出して送り出しました。それを選手たちが実行してくれたと思います。

南﨑壽伸 キャプテン
仙台さんはフィジカルが強いので、そこで絶対に負けられないと気持ちを切らずに全員が全力で力を出し切る試合ができてよかったです。

Q.今日のデフェンスの手ごたえは?
南﨑キャプテン

「奈良高専はデフェンスのチームだ」と、ずっと先輩たちから受け継いできて、それを僕たちも試合で出せたことがうれしいです。
名取さんは一人ひとりのフィジカルが強いことと、ランのスピードも速かったので、出足でプレッシャーをかけて、相手が余裕をもったキャッチやパスをさせずに、走られないようにデフェンスしました。

Q.3連覇の感想は?
森監督
新チームがスタートして今日が221日目になります。3連覇という意識はないのですが、相手が(連覇を阻止すると)構えてきてくれてアドバンテージが生まれるので、そこに対して恥ずかしくない試合をするように意識しました。

南﨑キャプテン
まずこのチームで勝てたことがうれしいです。3連覇についてですが、先輩たちの背中を見てきて、先輩たちの思いに答えたい、負けたくない、越えたいという思いがありました。越えたとは思いませんが並べたのかなと思います。

Q.ラグビー未経験で高専に入ってラグビーを始めてから5年間、どのような思いですか?
南﨑キャプテン
森先生に、人間性ということを言われ続けて、その人間性のところを学びました。5年を振り返って、最初は5人で入部したのですが、2年生になって副キャプテンの宮川匠と二人になり、不安な気持ちで二人で走ってきましたが、後輩たちがついてきてくれてこの最高の舞台で勝てて本当に嬉しいです。

Q.両手の甲に書いているのは何の文字?
南﨑キャプテン
左手には「FIGHT ON」でチームスローガン、その下には「タックル」と森先生に書いてもらいました。右手には副キャプテンの「匠」と書いてもらいました。

Q.副キャプテンの宮川君にかける言葉は?
南﨑キャプテン
二人で不安を抱えながらでしたので、「よくやったな」ですね。

Q.二人の5年生の評価は?
森監督
不安を抱えてのスタートでした。最初に「危機感しかない」と話しました。初心者から始めたのですが、素直で人のために力を尽くせる子たちでした。怒ることも何度もありましたが、素直にひたむきに取り組んでくれましたので、これだけのチームになって結果につながったと思います。感心するしかないです。

Q.来年への連覇の思いは?
森監督
全くないですね。高専というカテゴリーで、彼らの人生はラグビーで進んでいくのではないので、ラグビーが人生の背骨になってくれたらいいという思いで取り組んでいます。
5年生は最高学年になって初めて知ることが多いと思います。この子たちが勝っても負けても最後に涙を流せるように、としか思っていないです。ですから連覇という思いは一切ないですね。

Q.表彰式での涙は?
南﨑キャプテン
勝ったうれしさもあったのですが、このチームで試合するのが最後ですし、5年間一緒にやってきた匠とも別れてしまう寂しさも大きかったです。

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