10月19日(日) 天理大学 vs 立命館大学

レフリー:米倉 陽平(関西協会)
アシスタントレフリー:南藤 辰馬(関西協会) / 松本 和也(関西協会) / 松岡 実(関西協会)
天理大学 | 立命館大学 | |||
43 | FULL TIME | 27 | ||
12 | 前半 | 17 | ||
31 | 後半 | 10 | ||
勝点 5-0 詳細(PDF) |
▶天理大学 13 山田晟大
マッチレポート
第4節、第2試合、前年優勝校の天理大学と春のトーナメント王者立命館大学の対戦。
ここまで3連勝(勝点15)と順調な天理大学(天理大)に対して、未だ勝星(勝点)に恵まれない立命館大学(立命大)。前節の京都産業大学戦ではアグレッシブなラグビーを見せてくれたが。
雨も上がった曇り空の天然芝、天理大のキックオフで始まった。
序盤10分間、天理大の攻撃を立命大が何とか止めるという構図が続く。天理大はゴールに迫るも決められない。
だが、最初にスコアしたのは立命大だった。12分、天理大のオフサイドの反則から5mラインアウトの機会を得る。得意のドライビングモールを押し込み、FL⑦𠮷川大智が右中間に押さえ込む。GKはCTB⑫中村颯汰が決める。ワンチャンスをものにした立命大が先制する(0-7)。
しかし、次は天理大。15分、敵陣15m右中間のマイボールスクラムから右に展開。SO⑩上ノ坊駿介がゲインしたところにフォローのFL⑦川越功喜に内返し、FL⑦川越がゴール前まで大きくゲイン。ラックを作りSH⑨朝倉達弥からLO⑤岡﨑慶喜にパス、そのまま右中間に飛び込みトライ(5-7)。
34分にも天理大。FL⑦川越のタックルで立命大の乱れたボールを、CTB⑬山田晟大が足に引っ掛けてドリブルし、自らキャッチしてそのままゴールポスト中央まで回り込みトライ。GKはSO⑩上ノ坊が決めて逆転に成功(12-7)。
39分、今度は立命大。FWの縦、BKの展開と一体となってゴール前にボールを運ぶ。粘る相手のゴール前ディフェンスから大きく左へ展開。SO⑩初田航汰からCTB⑫中村、FB⑮久保田創大からNo.8⑧生島拓海、大外のWTB⑭御池蓮二と渡し、インゴールを左中間まで持ち込んでトライ(GK成功)(12-14)。
ロスタイム49分にも、立命大CTB⑫中村がPGをきっちり決めて立命大リードで前半が終わる(12-17)。

立命大のリスタートキックで後半が始まる。こうしたゲームは後半を先制したチームが勝つケースが多いが、本日はどのような結果に。
2分、後半先制したのは天理大だった。ノットローラウェイの反則のアドバンテージをもらい、その間にNo.8⑧木下颯がブレイク、フォローのSH⑨朝倉にパス。そのまま中央に走り込んでトライ(GK成功)。天理大が再逆転(19-17)。
だが、立命大も空かさず返す。BKラインで大きくボールを動かし、最後はWTB⑭三浦遼太郎から内返しでもらったFB⑮久保田がトライで再逆転。立命大BKが力のあるところを見せる(19-22)。
だが、天理大も黙っていない。12分、PR③井上魁の力強いゲインの後、FB⑮フィリモネ・サイアからCTB⑬山田とボールを渡し、ゴールポスト下にトライ。GKはWTB⑪フコフカ・ルカスが決めて再逆転(26-22)。
この後、18分には天理大WTB⑭平松麟太郎のトライで引き離すも、20分には立命大がFB⑮久保田のトライで食い下がる(31-27)。

ここから、天理大は足の止まった立命大に対してギアを上げ攻撃を掛ける。31分、FL⑥アリスター・サウララが右隅へ、36分にはWTB⑭平松が勝負ありのトライ(GK成功)。
天理大は最後の10分間で引き離し勝利を収め、おまけにボーナスポイント1も獲得した(43-27)。
POMには、2度の逆転トライを決めたCTB⑬山田晟大が選出された。

会見レポート
立命館大学
小寺 亮太ヘッドコーチ
アグレッシブに力を出すということでは、試合を重ねるごとによくなっているが、勝負の綾というものがある。
バッドネクストではなくグッドネクストを目指して、良かったところをさらに伸ばしながら、次の試合に向けてしっかり準備して臨みます。
中村颯汰 ゲームキャプテン
チャンピオンチームに対して、自分たちがどこまでしつこいラグビーをするのかを言い続けていたのですが、前半の入りで相手の10番にかき乱されてしんどい時間が続きました。前半の最後に自分たちのアタックが思う存分出せたので、リードして折り返せました。後半に入って相手のハイボールやクイックボールによって自分たちのアタックができなかったのが敗因だと思います。
修正して良い準備をしていきます。残り3試合、1戦ごとに良くなっているので、今週より強い立命館を目指していきます。

Q.試合を重ねるごとに良くなっていると言われたが、選手としてはどう感じているか?
中村ゲームキャプテン
一戦ごとに分析して、やることを明確にしているが、それが徹底できるようになってきたと思います。ただ、それを80分間続けることが課題です。
Q.バックスの展開力が良くなっていると思うが?
中村ゲームキャプテン
ありがとうございます。天理大学はタイトで強く、プレッシャーがかかるのは想定していたので、早くボールを出してバックスで展開しようと練習してきました。それが前半の最後に発揮できたと思っています。
Q,勝負の綾とはゲームの中のどこだったのか?
小寺ヘッドコーチ
やはりクイックスローじゃないですかね。前節の京都産業大学さんにもクイックスローからやられました。バックスもできる範囲で対応はしたのですが、その辺のところでしょうか。
ただ、それであっても修正する力はあるので、先ほど申し上げましたがグッドネクストを意識して、特にバックスは中村を中心に良いアタックができて仕留めることができる。その前のセットプレー、崩していくところをどう意思統一していくのか、そして自分たちの強みをどのように発揮できるのかが勝負を制する綾であると思います。
Q.相手の10番に対する対策は?
中村ゲームキャプテン
ブレイクダウンでプレッシャーをかけてテンポを出させないことと、アンストラクチャーのボールには必ず絡んで攻撃してくるので、こちらの10番を中心に横の連携を取って押さえていこうと話していました。前半の反省では、ブレイクダウンのところでのファイトを徹底できずに、9番に良いボールさばきをさせてしまい、10番に好きに動かれて崩されました。
Q.残り3試合どのようにチームを作っていくのか?
小寺ヘッドコーチ
これまでキャプテンも含めて怪我人もあった中で、中村も負担がかかっていたががんばってくれています。キャプテンも復帰できる見込みなので、チームとしてどのように強みを発揮していくかです。それで胸を張って今シーズンを終われると思います。それをサポートしていくのが我々の役目だと思います。
天理大学
小松 節夫監督
春のトーナメントを制された立命館さんとの対戦ということで、今のところ立命館さんは結果が出せていないですが、いいチームだと思っています。ディフェンスからプレッシャーをかけて戦ったのですが、ミスが多くて先制され、あまり出来は良くなく最後まで苦しみましたが、4戦目でこういったタイトなゲームができていい経験でした。これから厳しいゲームが続くと思いますが、今日の経験を生かしてやっていきたいと思います。
上ノ坊駿介 キャプテン
前半のゲームの入りが良くなく、立命館さんのプレッシャーに苦しむシーンが多く、前半に劣勢で折り返したのは初めてで、いい経験ができました。後半の最後に天理らしいラグビーができて勝ち切れたので良かったです。

Q.ハンドリングのミスが目立ったが?
上ノ坊キャプテン
パッサーとキャッチャーのコミュニケーションのずれだと思います。
Q.ハーフタイムでチームにどのように声をかけたのか?
上ノ坊キャプテン
ミスが起きると気持ちがネガティブになるので、ミスは起こることとして、ミスをした後に気持ちを下げることなく後半エナジーを出していこうと話しました。
Q.クイックスローの判断は?
上ノ坊キャプテン
大外側の帰りが遅く、また枚数もこちらが多い状況で、アリスター・サウララが要求したので投げました。クイックはラインアウトの成功率や、相手に準備されている状況でのプレー再開を考慮して、仕掛けられるところは行こうと狙っていました。
Q.相手にマークされている中でのゲームについて?
上ノ坊キャプテン
自分がマークされているときは周りの選手が動けるし、周りの選手が動いてくれたら自分が生きるので、冷静にコントロールできるように心がけています。