9月14日(日) 近畿大学 vs 同志社大学

レフリー:山本 篤志(日本協会)
アシスタントレフリー:林 龍太郎(関西協会) / 神野 慧二郎(関西協会) / 泉 太郎((関西協会)
近畿大学 | 同志社大学 | |||
12 | FULL TIME | 29 | ||
12 | 前半 | 12 | ||
0 | 後半 | 17 | ||
勝点
0-4 詳細(PDF) |
▶同志社大学 12 立川和樹
メンバー表(48時間前)
マッチレポート
第1節、当会場第2試合は、前年3位の近畿大学に対し、前年6位の同志社大学が挑むかたちの一戦。
春季トーナメントでは26対21と僅差で近畿大学が勝利し、ロスタイムまでは同志社大学がリードする展開であった。両校とも初戦をものにして勢いに乗りたいところ。

平年よりも気温はかなり高く、湿度も高いコンディション。風下の近畿大学(近大)のキックオフでスタートした。
最初にスコアしたのは近大。7分、敵陣ゴール前15m付近のラインアウトから左へ展開し、FWも絡めてゴール前へなだれ込む。ゴールポスト手前でラックを形成し、SH⑨渡邊晴斗からさらに左へ、SO⑩須田厳太、CTB⑬井上晴嵐へとつないで、相手を2人かわして左中間に先制トライ(5-0)。
その後は同志社大学(同志社)が敵陣ゴールに迫るが、相手ディフェンスや自らのミスもあってなかなかスコアに結び付かない。
22分、同志社にようやくチャンス。SO⑩徳山大知の好タッチキックで敵ゴール前20m付近のラインアウト。きっちりキャッチし、FWが塊となって20m押し込んでいく。最後はHO②植松大也が左隅へグラウンディング。難しい位置からもSO⑩徳山がゴールを決め、逆転に成功(5-7)。
26分、続いて同志社。敵陣10m付近で、CTB⑫立川和樹の好タックルで生まれたこぼれ球をWTB⑭上嶋友也が足に引っかけ、対面WTBとの走り合いを制して右中間に押さえ込み、リードを広げる(5-12)。
しかし30分、近大が敵陣10m付近でペナルティを得る。SO⑩須田がコントロール良くゴール前ぎりぎりに蹴り出し、5mラインアウトからモールを形成。きっちり押し込んでHO②金井海琉がグラウンディング。難しい位置からもSO⑩須田がゴールを決め、試合を振り出しに戻す(12-12)。
このままのスコアで前半が終わる。

後半が始まる。近大が風上、同志社が風下という形勢。前半より少し風が強まったかの印象。
開始早々、同志社が近大ゴール前に迫るも押し返され、その直後には近大が同志社ゴール寸前まで攻め込むが、同志社のディフェンスに阻まれる。
以降は約30分間、膠着状態が続き、スコアは動かない。
高温多湿というコンディションでお互いに疲労も見える中、30分、同志社がゴール前センタースクラムのチャンスを得る。数フェーズにわたってボールを確保し、相手ディフェンスを崩す。最後は途中出場のキャプテンSO㉒大島泰真から走り込んできたCTB⑫立川和樹にパスが通り、左中間に膠着を破る逆転トライ。SO㉒大島のゴールも成功し、12-19。
この後、本日4回目のウォーターブレイクも挟み、近大も攻めるが同志社も粘り強くしのぐ。
38分、同志社は敵陣22m付近での相手オフサイドで得たペナルティに対し、迷わずショットを選択。SO㉒大島がきっちり決めて、10点差に広げる(12-22)。
さらにロスタイム45分、同志社がラインアウトからモールを押し込み、HO②荒川駿がトライ。ゴールも決まり、12-29となってゲームセット。
同志社が近大に対し、昨年度と今春の借りを返した形となった。

POMには、逆転トライや要所での攻守が光った同志社大学 CTB⑫立川和樹が選出された。

会見レポート
近畿大学
Q. 試合総括
近畿大学 神本健司監督
本日は、暑い中ありがとうございました。近畿大学としては、セットプレーを軸に、エリアも含めてしっかり取りながら強みを出していく方針で臨みました。バックス陣のエラーを含めミスが多く、流れに乗れず、前半は同点で折り返しました。
後半も風上に立つので、こちらからセットプレーで仕掛けようと臨みましたが、要所でミスが出てしまいました。今日はアタックで持ち込み、ボールを継続するという自分たちの形が出せず、波に乗れないまま、終盤に相手にスコアされる形でした。
前半から中盤にかけて、フォワードのセットプレーではある程度支配できたと思いますが、やはりミスで流れに乗れなかったことが大きな敗因でした。まだ始まったばかりなので、映像を見直し、このあたりを課題として次戦に臨みたいと思います。
Q. キャプテン所感
近畿大学 中田悠生キャプテン
まだ自分の中でも整理がついていないですが、自分たちのミスから流れに乗れず、そのままずるずると試合が進んでいった印象です。後半終盤、相手のラインアウト獲得率が良くなり、セットプレーでも良い場面がある中で、こちらは波に乗れず、敗れてしまったと感じています。

Q. 今日の初戦にかけた思いは?
中田キャプテン
関西の開幕は何が起こるか分からないということをチームに伝え、ここで自分たちも勝ち切って波に乗りたかった。相手も絶対ここを狙ってくるから、自分たちから戦う気持ちを持っていこうと声をかけてきました。
Q. 今日の試合の収穫は?
中田キャプテン
前半、風下の中でフォワードがタフに戦えたのは収穫だと思います。
Q. 改善したい点は?
中田キャプテン
80分を通してのセットプレーの精度と、自分たちのアタックの精度です。強みとしている部分なので、どれだけ精度を上げられるかが課題だと思います。
Q. 相手への警戒点と実際の手応えは?
中田キャプテン
ディフェンスでタフに体を当ててくると予想していました。前半はそれを止めることができていた。後半は相手というより、自分たちのミスが課題となりました。
同志社大学
Q. 試合総括
同志社大学 永山宜泉監督
久しく開幕戦に勝てていない状況で、みんな緊張している中、今年最初から言っていた「30人で勝ちます」を体現できました。先発メンバー中心に、試合前から計画していた通りに進行し、相手のミスを突いて勝つことができました。
Q. キャプテン所感
同志社大学 大島泰真キャプテン
なんとか勝てました。

Q. 後半をノートライに抑えたディフェンスの手応えは?
永山監督
選手のサイズが小さいので、フィットネスで勝とうと計画していました。前半はしっかり体を当て、お互いの体力が消耗した中、後半に体が重くなってきた時に動いて点を取ることを目的としていました。それが計画通り進められて良かったです。
大島キャプテン
同じです。風下でも我慢して戦いました。1本、2本取られる覚悟はしていましたが、みんながセットプレーからフェーズのディフェンスも頑張ってくれて、ノートライに抑えられたことで勝てたのだと思います。
Q. 流れに乗り切れない場面の改善点と、その時のチームの状況は?
永山監督
ミスは大学生スポーツで当然起こりますし、互いの力が拮抗していれば必ず起こると考えていました。そのルーズボールを、どうリアクション良く自分たちのボールにするかを課題にしていました。そこは精度を上げていく必要があります。シーズンを通して、3か月の間に仕上げていければと思います。
大島キャプテン
開幕戦ということもあり、みんな緊張してミスも出るとは思っていました。ブレイクダウンでのノットリリースや、コンタクト時のノックオンが多かったので、そこは修正すべき点です。
Q. ハーフタイムに伝えた変更点は?
永山監督
前半はスクラムでプレッシャーを受ける場面が多かったので、後半はメンバーを入れ替えました。フレッシュな選手を入れて、まずセットプレーを安定させるようにしました。後半に相手がバテるのを見据え、そこからテンポを上げていくよう指示しました。
Q. 後半、キャプテンとして意識した点は?
大島キャプテン
同点で後半に入ったので、80分経った時に勝っていることだけを考えていました。
Q. 勝ち越しトライを取り切れた要因は?
大島キャプテン
本当はもっと取って突き放したかったのですが、こちらも疲労や故障があり取り切れませんでした。もっと走る必要があると思います。
Q. 相手を考えると、もっと取れたのでは?
大島キャプテン
自分はもっとスペースが見えていましたが、前半から出ていた選手が前半のプランのまま戦っていたのではないかと思います。自分のイメージしたアタックと、最初から出ている選手のイメージに少しズレがあったかもしれません。
Q. フィットネスは就任後、最も力を入れてきた部分か?
永山監督
そこだけではありませんが、最も力を入れているのは、昨年まで足りなかった「ラグビーに向き合う姿勢」です。フィットネスのようなきつい練習は、自分でやらないと強くなりません。そこを学生たちに指導してきました。「ラグビーをする意味」「同志社にいる意味」を伝えてきたつもりです。
Q. チームに入って感じたこと、足りないと感じた点は?
永山監督
ラグビーはフィジカルスポーツで、まず自分の体を鍛えないといけないという基本を忘れていた部分がありました。きれいなラグビーをしたいという思いの中で、良いラグビーのデザインはできていても、体がついていっていなかった。学生たちはこの8か月間、一生懸命、強豪チームに少しでも追いつこうと努力してきて、その成果が今日出たのだと思います。
Q. 昨年までのチームとの違いは?
大島キャプテン
「きれいにどう取るか」「どういうラグビーをするか」ばかりを考えていましたが、そういうラグビーをするには結局、前に出ないといけない。そのために力強さ、体づくり、そして日々の練習への向き合い方が必要で、そこが昨年とは違うと思います。
Q. 大島キャプテンを途中から起用した意図は?
永山監督
今年も来年以降も勝たなければなりませんし、何人かだけでやるチームではありません。今日の徳山に関しては、大島のポジションを十分に埋める活躍をしてくれました。来年以降も戦力になると期待しています。
Q. 相手が嫌がる時間帯に大島キャプテンを投入したのか?
永山監督
多少それもありますが、最初に出るメンバーが現時点のベストです。大島や石田を前半から使うか後半から使うかは、彼らがあと1~2ステージ上げてくれば「外せない」存在になりますし、それはそれで楽しみだと思っています。
Q. 開幕戦勝利の手応えは?
大島キャプテン
特別な感情はなく、いつもの一戦と変わらないです。
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