2月22日(土) トヨタ自動車 20-18 クボタ

トップリーグ 第6節トヨタ自動車 VS クボタ

2020年2月22日(土) 14:00キックオフ
グラウンド:パロマ瑞穂ラグビー場
入場者数:5,343人
天候:くもり一時雨/無風
レフリー:戸田京介(日本協会A)
アシスタントレフリー:木村陽介(日本協会A1)/土屋幸大(関西協会)/田舎片一司(関西協会)
トヨタ自動車 クボタ
20 FULL TIME 18
7 前半 3
13 後半 15
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

雨足がやや強まる中、スピアーズのキックオフでゲームがスタート。
中盤から激しくボールの争奪が行われる。地域を進めたのはスピアーズ。

スクラムを組み勝ってペナルティーを得ると、タッチキックで前進、フェイズを重ねて前進を試みるが、ヴェルブリッツ②彦坂がボールに絡みペナルティーを誘いピンチを脱する。
相手陣へ進んだヴェルブリッツだが、同じようにペナルティーで後退、中盤でのつばぜり合いとなる。
ゲームが動きかけたのは前半20分、ラインアウトからのスピアーズの猛攻から右隅に⑭近藤がトライ、と思われたがTMO判定でノートライとなる。
ヴェルブリッツは自陣から脱出、地域を押し戻す。
前半24分、ヴェルブリッツは中盤のペナルティーからPGを選択するが不成功。
その後のドロップアウトからの攻撃で、再三ゴールラインを脅かすが最後のパスが繋がらず時間が過ぎて行く。
それでも前半33分、相手陣のラインアウトから乱れたボールを⑩クロニエが冷静に処理し前進、チャンスを伺うと⑦姫野が抜け出し中央にトライ、コンバージョンも成功し7-0と先制する。

対するスピアーズは好キックで前進、前半39分、チャンスを得るとゴール前中央でペナルティーを獲得。ショットを選択し⑩フォーリーのキックが成功し、7-3と追い上げる。
このままロースコアで前半が終了した。

後半開始早々、キックの攻防から地域を進めたのはヴェルブリッツ。
後半4分、相手ゴール前まで地域を進めるとゴール前中央でペナルティーを獲得。スクラムを選択してフェーズを重ねると、⑩クロニエの絶妙な裏へのキックを⑫スワートがインゴールで抑えトライ、コンバージョンも成功し14-3と引き離す。

その後スピアーズは相手ゴール前で猛攻、ヴェルブリッツ⑦姫野のターンオーバーでピンチを脱したかに見えた。
スピアーズは後半13分、ラインアウトモールをターンオーバー、左に大きく動かし、⑭近藤が右隅にトライ14-8と追い上げる。
その後、後半23分、ヴェルブリッツ、後半24分、スピアーズと双方1PGずつ取り合い、ヴェルブリッツ17-11のリードでゲームは進んでいく。

有効なキックとスクラムで優勢に立ち始めたスピアーズは、相手陣で攻撃を継続、得点を伺う。
ヴェルブリッツはここ一番でのスクラムに組み勝ち、目が離せない展開となる。
それでもスピアーズは、後半38分、スクラムから優位に攻撃を繰り返し、最後は⑨井上からのパスを⑪タウモハパイへ渡り左中間にトライ、コンバージョンも成功し、17-18と逆転に成功する。

このままフルタイムを迎えるか、と思われたキックオフのボールはスピアーズが確保。
スピアーズはFWで時間を使うが、ヴェルブリッツは途中出場の⑰吉田がボールに絡みペナルティーを得る。
ヴェルブリッツは後半42分、相手陣10m内側左サイドから、⑩クロニエがペナルティーゴールを決めて20-18、劇的な幕切れでノーサイド。
ヴェルブリッツが上位争いに望みを繋ぐ、3勝目を挙げた。

記者会見

クボタ フラン・ルディケ ヘッドコーチ(HC)
結果に結びつかず残念だった。
後半は、圧力をかけて相手陣で戦うことができた。
ラインアウトモールからのトライも、ペナルティートライかと思えた。
リードしたが、最後まで諦めなかったトヨタが勝ったということだ。

立川理道 キャプテン
天候が悪いなか来てくれた、多くの観客の方に感謝したい。
トヨタのホームだが、試合後はクボタにも声援をもらった。
ゲームは悔しい結果だったが、トップリーグはタフなゲームが続くので、切り替えて次戦もしっかり準備する。
これまでが間違っていない、と信じて良い方向に向かっていきたい。

Q:スクラムのプッシュは良くなっているように見えるが?
ルディケHC

かなり激しい攻防だった。
双方が勝ったり負けたりだったが、後半の20分クボタがコントロールできた。
選手たちが、見事に修正できたことは良かった。

Q:最後のPG成功後のプレーは?
立川キャプテン

キックオフ前に、やることは明確にしていた。
FWがボールをキープしようとしたが、トヨタのジャッカルを受け一瞬の隙を突かれた。

トヨタ自動車 サイモン クロン ヘッドコーチ(HC)
今日のゲームは、全員がコントロールできていた。
ラインアウトが良くなく、自分たちにプレッシャーをかけてしまい、地域をうまく取れなかった課題が残る。
コンタクト、ディフェンスは前のゲームより良かった。
82分間しっかり戦うことができ、ターンオーバーが勝利に繋がるなどプレーヤーは様々学んだ。

姫野和樹 キャプテン
良い学びができた。
試合前の準備や心構えなど、自分たちの足元を再確認できた。
プレーはベストオブベストで、メンタリティーが違うものになった。
今後、これをスタンダードとしていきたい。
リーダーとしても、課題をしっかり修正するための大きな勝利だった。

Q:最後逆転された時はどういう話をしたか?
姫野キャプテン

何も言わなかった。
選手に諦めないメンタリティーが出来上がっている。
一人ひとりが良い仕事をしており、みんな良い状態だ。

Q:この勝利の意味は?
クロンHC

キーポイントである、自分たちがやるべきことができた。
トヨタには、良い人格のプレーヤーがいて、タイトな一体感がある。
予想外のオフがあったが、ルーキーも成長している。
今週のゲームは重要なポイントで、先週の敗戦があったが、月曜日に集合した時に確認すべきことを理解していていた。
少しずつチームが成熟しており、また火曜日から良いスタートを切る。

姫野キャプテン
トヨタのプライドを取り戻すことができた。
自分たちのラグビーを見せることができ、自信を取り戻すことができた。
これをスタンダードにして、さらに修正していきたい。

(文責:品野いっせい)

フォトギャラリー

■撮影者:清水良枝