2月15日(日) 神戸製鋼 43-6 リコー

トップリーグ 第5節神戸製鋼 VS リコー

2020年2月15日(土) 13:00キックオフ
グラウンド:神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
入場者数:4910人
天候:晴れ/微風
レフリー:木村陽介(日本協会A1)
アシスタントレフリー:松本剛(日本協会A1)/船岡克広(関西協会)/竹内洸貴(関西協会)
神戸製鋼 リコー
43 FULL TIME 6
16 前半 6
27 後半 0
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

曇り空の中、リコーの先蹴で試合開始。
試合が動いたのは5分、神戸製鋼は相手の反則からPGを選択。SOヘイデン・パーカーが決め3-0と先制する。
リコーとの相性が悪い神戸製鋼は、メンバーを入れ替えた影響もあり、ボールがつながらずフラストレーションが溜まる展開。12分、リコーが敵陣ゴール前で相手の反則からPGを決め3-3。
17分、またも神戸製鋼陣10m付近で神戸製鋼が反則。PG成功3-6とリコーが逆転。


リコーの粘り強い攻めに反則が続いた神戸製鋼だったが、22分自陣22mからパスを回し左サイドを駆け上がり、最後はFB山中がトライ。ゴール不成功8-6ながら逆転する。
38分、自陣ゴール前スクラムから一気に敵陣へ攻め込み、ゴール前でリコーのオフサイド。PGを決め11-6と神戸製鋼が突き放す。42分、神戸製鋼はハーフラインから11番が一気に走り、ゴール前まで攻める。SOヘイデン・パーカーが右から左へ大きくキックパス、インゴール内でWTB林が巧みにキャッチし、グラウディング、16-6とし、神戸製鋼リードで前半を折り返す。

後半最初のトライは神戸製鋼。42分WTB山下が左サイドを走りトライ。ゴール不成功21-6。
56分、リコー陣10mからフェーズを重ね少しずつ前進。ゴール前でCTBラファエレ・ティモシーがバランスを崩しながらもFLグラント・ハッティングへパス。ゴール不成功26-6。
62分、リコー陣10mスクラムからFB山中が左サイドを快足で一気に駆け上がり、SH日和佐へパス。ゴール不成功31-6。
その後、2トライを加えた神戸製鋼が、リコーをノートライに抑え、43-6でタイムアップ。


前節と出場メンバーを大幅に入れ替えたにもかかわらず、層の厚さを見せつけた神戸製鋼だったが、リコーも前半は互角に戦う等、今後の展開が楽しみな結果となった。
MOMはFB山中が獲得した。

(文責:宮崎 愛佳、編集:廣島 治)

記者会見

リコーブラックラムズ 神鳥裕之ゼネラルマネージャー(GM)兼監督
多くのファンの皆様の前で試合が出来たことを嬉しく思う。今日のゲームは最終的には点差が開いたが、前半は、神戸製鋼にかなりプレッシャーをかけることができたシーンがあり、選手たちが次につながるプレーを沢山見せてくれた。
ただディフェンスでプレッシャーを与えて、ボールを奪っても、その後に効果的なアタックができなかったり、セットプレーでミスが出てしまったり、細かい部分のプレーの質が神戸製鋼との違いだと痛感している。次の試合に繋がるプレーもあり、手ごたえを感じている。次戦から4試合は秩父宮での試合なので、しっかりと準備をしていきたい。

松橋周平キャプテン
非常に悔しい試合だった。この試合にかけて準備してきたこともあり、大方の予想は、神戸製鋼が勝つと思われていた中で、何とか一矢を報いてやろうと考えていた。序盤はうまく機能していて、次にも繋がるプレーが出来ていた。過去の4試合を振り返っても我々がやりたいディフェンスも出来たが、細かい部分での精度が足りず、得点までは繋げられなかった。
神戸製鋼はプレーの中でしっかり我慢し、最後のトライを取りきる。この精度を我々も学ばなければならいない。今日の試合の結果は悔しいが、次に繋げて成長したい。

Q:得点を取りきれなかった場面で、今後何を積み上げていけば、相手のディフェンスを突破出来るか。
松橋キャプテン

まずはしっかり我慢し、フィジカルでボールをキープすること。試合中のケアレスミスや、反則でボールを失う場面もあった。我々の強みを相手のエリアでしっかり出すイメージをチームで共有することが大事。そしてプレッシャーの中で精度を上げなければならない。

Q:自陣のスクラムから神戸製鋼にゲインされる場面があったが。
松橋キャプテン

スクラムの場面でプレッシャーを強く受け、結果、バックスも早い段階でプレッシャーを受けてしまい、相手にいいキャリーをされ、神戸製鋼のやりたい形にもっていかれてしまう場面もあった。
我々のやりたいスタイルとしては常に上がり続けることをしたかったが、神戸製鋼の早いセットアップと有効なスペースにボールをもっていかれてしまうことで、我々の足が止まってしまった。その部分でも神戸製鋼が一枚上と感じた。

神戸製鋼 デーブ・ディロンヘッドコーチ(HC)
本日のゲームに対し、各リーダー陣がしっかりと準備をしてくれた。リコーは質の高いチームだった。今日はヘイデン・パーカーも怪我から復帰出来た。そこに尽力してくれたチームメンバーを誇りに思う。

アンドリュー・エリスキャプテン
非常にフィジカルの強い、素晴らしいチームのリコーをリスペクトしている。この対戦に際し、この1週間、チームでしっかりと準備をしてきた。
試合に関しては、最初の20分間は激しい攻防戦で、最終的には点差は開いたが、フィジカルの強いリコーを相手に、チーム全員がしっかりと準備をしてきたことが、今日の結果につながったと感じている。

Q:前半の中盤までは難しい戦いだったが、前半終了間際、パーカーからのキックパスが林のトライにつながった場面があった。なかなか出場する機会がなかった2選手について。
ディロンHC

前半はミスもあり、難しい展開の中で、前半終了間際にキックパスでトライできたことは非常に大きな意味があった。パーカーは、サンウルブズでのパフォーマンスでもご存知のとおり、素晴らしい選手。
今日、フィールドに戻ってきて70分間プレー出来たことが非常に意義がある。コーチ陣やメディカルを担当してくれたスタッフにも感謝している。林については、アタックもディフェンス両面よかった。井関が早い時間に交代せざるを得なかった場面から、アタック・ディフェンスの両面で活躍をしてくれた。

Q:林を起用した理由は。
ディロンHC

今のチームの強みは層の厚さだと感じている。その中で林は、普段の練習から素晴らしいパフォーマンスを示し続けている。自分の課題を認識、修正していることを練習で表現し、結果、チャンスをつかみ出場したことを嬉しく感じている。

エリスキャプテン
ディロンHCのコメントに付け加えると、チームの強みは、出場していない選手たちも「自分のチャンスはいつか」と常に思い続けている選手が多いこと。林の出場がいい例だが、練習からいいパフォーマンスを示し、出場のチャンスをうかがう選手たちがいることが強みだ。本日メンバーを外れた重選手に関しても、練習の段階からいいパフォーマンスを示していた。

Q:前半の中盤まで相手のプレッシャーが強く、ミスや反則が重なる場面があったが、その時間帯にチーム内でどういう声がけを行なっていたか。
エリスキャプテン

今日のように、自分たちの考えるようなスコアができず、得点するまでに時間を要する場面もある。リコーの質の高いフィジカルによって、自分たちがミスを犯すたりする場面もある。その中で伝え続けていたことは「自分たちのプレーを信じきろう」ということ。自分たちのプレーを信じる中でどれだけプレーの精度を上げ、それを継続していけるかだ。チームが疲れている時にどれだけ自分たちを信じるかが大事だという話をした。
結果的にはスコアに表れているが、メンバー全員が信じることでいいプレーをした結果だと感じている。

Q:今日の試合も相手にトライを与えなかったが、ディフェンス面に関して。
ディロンHC

チームがやろうとしていることが、結果に表れていると思う。ニコラス・ホルテンアシスタントヘッドコーチはじめコーチ陣が、上手く選手達に考え方を落とし込んでくれている。2試合連続ノートライで抑えることができたことは素晴らしい結果。
試合中のメンバー交代後もプレーが雑にならず、得点を与えなかったことは、自分たちがやってきたことが結果として表れている。

(記録:木村真樹)

フォトギャラリー

■撮影者:住本洋之

■撮影者:湊和裕