マッチレポート
今季、W杯出場外国人選手を中心とする全員サポートのアタックでチーム力があがり、2017年のリーグ戦以来5年ぶりの2連勝を飾ったNTTドコモレッドハリケーンズ。このままの勢いを持続したい。対するリコーブラックラムズは初戦にパナソニックに55-14と大敗した後、前節では見事に立て直してヤマハに1点差と僅差の勝利を手にした。セットプレーやタックルでの諦めないディフェンスでチーム力を向上させている。
試合は、時折強風が吹く中、リコーのKOで始まった。リコーは序盤から激しいプレーを展開。ドコモはミスが目立ち自陣から抜け出せない。
得点が動いたのは前半21分、リコーがドコモ陣内22m付近でのブレイクダウンをターンオーバーし、パスを受けたFB⑮メイン・平がグラバーキック。No8⑧アマト・ファカタヴァが左隅に抑えた。対するドコモは44分、自陣内相手ラインパスをWTB⑭小林正旗がインターセプト。80mを走りきってトライを返した。キッカーSO⑩川向瑛のGも成功し、7-5で前半を折り返した。
後半、開始早々見せ場を作ったのはNTTドコモ。1分、南ア代のWTB⑪マカゾレ・マピンピがCTB⑫パエア・ミフィポセチのカウンターからパスを受けて左隅にトライ。更に19分にもHO②フランコ・マレーが押さえて突き放しにかかる。しかし、ここからリコーが本領を発揮。ゴール前22m付近での長いフェーズから最後はWTB⑭ロトアヘ アアマナキ大洋が右隅にトライして反撃開始。35分、4分にSH⑨マット・ルーカスに替わったSH㉑高橋敏也がトライを決め、ついに17-17と同点に追いついた。
残りは数分。激しい攻防が続く。NTTドコモは40分、自陣でのブレイクダウンをターンオーバーし、WTB⑪マピンピが左ライン際を好走。FB⑮トム・マーシャルに繋ぐと、ハーフウェイでラストパスを受けたNZ代表SH⑨TJ・ペレナラが50mの独走で左隅インゴールでリコーSO⑩アイザック・ルーカスの追走タックルを受けながらトライを奪った。Gはならなかったものの劇的な幕切れとなった。MOMにはトライこそあげなかったものの攻守に活躍したCTB⑫パエア・ミフェポセチが選ばれた。
記者会見レポート
リコーブラックラムズ
神鳥裕之・監督
自分達が準備してきたことを確り出そうとしたが、最終的にこのような結果になり悔しい。こういう敗戦は勝負どころでの小さなミスが結果的に勝負を分るので、この経験を今後に生かせていきたい。
松橋周平・キャプテン
今週、自分達がやってきたことを準備し試合に望んだが、ドコモのプレッシャーで自分達をうまく出せない時間帯があった。最後に取りきれなかった部分やしっかり守りきらなければならない部分を修正して次につなげていきたい。
高橋敏也選手
自分はリザーブの途中出場で結果を出せたが、これからもしっかりと準備して次につなげていきたい。
Q:強風下の中で前後半の戦術が違ったと思うが、ハーフタイムでどのような指示をしたか。
神鳥監督
ヘッドコーチが自分達の実行力でやろうと指示を出してくれた。過去2試合、後半10分の怖さ、良くなかったことが反省だったが、最後の最後に良い場面を見せてくれたのではないかと思う。
NTTドコモレッドハリケーンズ
ヨハン・アッカーマン・ヘッドコーチ
前半残り10分、イエローカードの中も素晴らしいディフェンスで、最後はインターセプトで終わることができた。後半はチームの個性が発揮でき、素晴らしい勝ちかたをしたので選手たちを誇りに思う。
佐藤大朗キャプテン
自分達を試合で出せるように準備してきた。前半は我慢し良いディフェンスができ、良いかたちで後半をむかえることができた。
マカゾレ・マピンピ選手
HC、CPのコメントどおりだと思う。前半はほとんど自分達の時間ではなかった。これからも良い準備をしていきたい。
Q:トップリーグデビューさらに初トライ、今の気分とデビューの感想を聞きたい。
マピンピ選手
試合に出られて嬉しい。長らくコロナ禍の影響もあったので、試合を待ち望んでいた。初トライもでき、しかも勝てた。次の試合にいつ出られるかわからないが準備していきたい。
Q:開幕2試合連続ベンチから外れていたが、この2週間の心境を聞かせてもらいたい。
マピンピ選手
前向きに練習をしていた。チームの組み合わせであったりHCの要望であったりは理解していた。組み合わせによって戦術や戦略が変わったりするが、チャンスが巡って来ると理解しゆっくりと待っていた。
Q:ルアン・フェルマーク選手とオーウェン・ウィリアムス選手を外した意図は?
アッカーマン・ヘッドコーチ
うちには良い選手が多いので、組み合わせであったり選手自身の状態であったりでメンバー変更する。うまくいったら誉められ、うまくいかなければ責められるが戦術的な理由のなかでマピンピも起用している。
Q:去年までのチームと何が違うのか、何がうまくいっているのかチームの内情を聞かせてもらいたい。
佐藤キャプテン
練習の中で各選手の自信が変わってきたのではないかと思う。やはりスター選手の影響力で、メンバーに入っていなくても率先して引っ張ってくれたり、試合メンバーは彼らのためにベストゲームをしなければならないという一体感ができてきていると感じる。
Q:最後のペレナラ選手のトライで決勝トライにつながったが、振り返ってあの場面の感想を聞きたい。
マピンピ選手
3対2の場面から人数を合わせると前が空くので、持ち出すことができた。コミュニケーションをとりながらトライにつなげた。
Q:次の試合はパナソニックとの対戦だが、強豪相手にメンタル的な準備は何か?
マピンピ選手
週明けにどういうプレーができるのか相手を分析し、基本的にはいつもと変わらない準備をして練習する。
(文責・大阪府協会 南 昌宏)
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KRPU 渡辺隆夫