10月14日(土) 第8節 豊田自動織機 47-7 コカ・コーラ

AG5I3008トップリーグ2017-2018 第8節
豊田自動織機  VS. コカ·コーラ

お互い負けられない試合は、豊田自動織機が完勝し初勝利をあげる

2017年10月14日(土) 11:30キックオフ グラウンド:エコパスタジアム
豊田自動織機 コカ·コーラ
47 FULL TIME 7
13 前半 7
34 後半 0
詳細
(TL公式)

マッチレポート

8月18日の開幕から2か月、今シーズンのトップリーグも後半戦に突入する。2年後のラグビーワールドカップの試合会場となる静岡県のエコパスタジアムで、豊田自動織機とコカ・コーラの試合が行われた。ともにホワイトカンファレンスで勝ち点2、未勝利のチーム同士の戦い、豊田織機は近鉄、東芝戦で逆転負けを喫するなど開幕から7連敗。対するコカ・コーラも前半は果敢に攻めるも後半に崩れる試合が続きこちらも開幕7連敗。お互いに初勝利を目指し負けられない試合である。この試合のスタジアムは雨が降ると予想される曇り天気で、スタジアムには1,496人のラグビーファンが集まった。

前半コカ・コーラのキックオフで試合開始。お互いに負けられない試合だけに両チームの意地がぶつかり合う攻防が続く。試合を先制したのはコカ・コーラ。前半9分、敵陣22mライン左サイドのラインアウトでのトリック・スローでSH香月武が抜け出し、フォローしたHO原山光正が左中間にトライ。FBピータースダニエルのゴールも成功し、0-7と先制する。

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対する豊田織機は18分、敵陣22mライン中央のPGをSOフランソワ・ブランマーが確実に決めて3-7と追い上げる。さらに前半24分、豊田織機は敵陣ゴール5m前の左サイドのラインアウトからモールを形成し押し込み最後はNo.8ピーター・キムリンが左中間にトライ。SOフランソワのゴールも成功し、10-7と逆転する。

その後は両チームとも攻撃するもお互いにミスが目立ち、攻めきれない状態が続く。前半終了のホーンがなった42分、コカ・コーラは攻撃を続けるも自陣敵陣10mライン付近右中間で痛恨のペナルティ。豊田織機SOフランソワが確実にPGを決め13-7と豊田織機がリードして前半が終了する。

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後半に入り、リードした豊田織機がさらに敵陣で試合を有利に進める。そして9分、敵陣ゴール5m前左中間のスクラムからFWがサイド攻撃を繰り返し、最後はPR川俣直樹がゴールポスト左の根元にトライ(ゴールも成功)。さらに13分、敵陣ゴール前5m左中間のラックからPR長江有祐がサイドを潜り込みゴールポスト左にトライ。ゴールも成功し27-7とリードを広げる。

豊田織機の勢いは止まらず、15分敵陣10mライン付近左サイドのラインアウトからモールを作り、FLバツベイシオネが右サイドに流れ、タイミングよく走り込んできたWTBベンジャミン・サンダースにスイッチパス、ベンジャミンはディフェンス陣を突破しゴール真下にトライ(ゴール成功)。さらに24分にSOフランソワが敵陣10mライン付近左中間のPGを決め37-7と試合を決定的にする。

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その後コカ・コーラが敵陣に攻め込む時間帯が続くも35分、豊田織機は自陣22mライン付近右サイドのラインアウトのこぼれ球を、変わったNo.8スコット・フグリストーラーが拾い、LOケイデン・ネヴェルへ繋ぎ敵陣ゴール5m前まで大きくゲイン。右サイドのラックから、交代したSOマーク・ジェラードのキックパスをCTB坂井克行がそのままキャッチし左隅にトライ(ゴール失敗)で42-7。

終了間際にも豊田織機は、敵陣ゴール前5m左サイドのラインアウトからのモールでPR廣野翔太が左サイドを突きゴール左隅にトライ(ゴール失敗)。47-7で豊田織機がコカ・コーラに完勝し、ついに1勝目を挙げた。豊田織機は前半ミスで攻撃がもたつくも、後半はミスもなくなりアグレッシブなプレーで5トライを奪う猛攻で圧勝した。今シーズンの初勝利で、後半戦は巻き返しを図りたいところ。一方のコカ・コーラは反則やミスが多く、白星なしの8連敗となった。良い結果が出せるよう課題を克服し、初勝利を目指してほしいところである

この試合のマン・オブ・ザ・マッチは、絶妙なキックパスで勝利の決定づけるトライを生んだ、SOマーク・ジェラード選手が受賞した。

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(文責:静岡県ラグビーフットボール協会 神谷英志)

会見レポート

コカ・コーラレッドスパークス
アール・バーヘッドコーチ
どうもありがとうございました。今日は、このような結果になるとは思わず、とてもがっかりしています。この結果に向き合い、次節に向けてチームを立て直していきたいと思います。

山下昴大キャプテン
今シーズン、両チームとも勝利がない中で、お互いにプライドをかけた戦いとなりましたが、ディフェンスにおける我慢強さやプレーの精度等において、自分達のチームが相手のチームより下回ったことで、このような試合結果となってしまいました。
しかし、今日の試合に限らず、これまで試合をしてきた中で感じることは、その差は大きな差ではなく、本当に細かいところの差ということです。そのあたりのところは、しっかりとゲーム中にコントロールできるよう、プレーの精度を高くしていけば改善できるので、次節に向けて、しっかりと準備をしていきたいと思います。

ー 競り合っていた前半にミスや反則を重ねたことが、後半の失速につながっていったように見受けられたが?
アール・バーヘッドコーチ
前半の途中までは良いプレーができていたが、相手の攻撃に対する防御のディシプリンが足りずオフサイド等の反則が多くなった。このあたりのところは今後直していかなければならないと思います。

ー 前半終了間際の、結果的にペナルティとなってしまったプレーについて、その前にボールを蹴り出して前半を終える判断もあったと思うが、そのあたりの判断はどう考えるか?
山下キャプテン
試合中はゲームリーダーとコミュニケーションをとり、適切なプレーを選択すべきですが、あの場面では、やるべきことは敵陣に入っていくことと考えました。次節以降、良い結果が出せるよう、正しいプレーの選択ができるようにしていきたいと思います。

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豊田自動織機シャトルズ
レオン・ホールデンヘッドコーチ
対戦相手のコカ・コーラさんは、たいへん良いチームで尊敬しており、今日の試合結果は、怪我人もなかったことも含めて大変満足しています。今日の勝利は、これまでの小さなことの積み重ねがもたらしてくれたものだと思います。これからようやく、自分達のシーズンが始まるという気分です

村川浩喜ゲームキャプテン
勝ち点5を獲っての勝利は素直にうれしいです。前半10分の入り方がチームの課題ですが、コカ・コーラさんは上手くて強い選手がいることもあり、今日も序盤は攻め込まれました。後半は、自分達のミスがなくなり、今節のチームのキーワードであるアグレッシブなプレーをするということが、ディフェンス面でもアタック面でもできたと思います。

ー 今日の試合で、No8にピーター・キムリンを、前節まだNo8だったバツベイシオネをフランカーに入れた意図は?また、前半はミスが多かったが後半は改善されていた。後半に向けてハーフタイムに出した選手への指示の内容は?
レオン・ホールデンヘッドコーチ
バツベイについては、彼のこれまでのキャリアは殆どが6番だったので本来のポジションに戻しました。チームの選手層も厚くなっており、今日はNo8にピーターを置くこととしました。我々のチームは、現在、全体選手46人のうち42人が練習に参加できる状態にあり、チームの層も厚くなりました。このためハーフタイムでは、後半頭での選手交替は行わない、後はリザーブがフォローするのでこのまま全力でプレーするように指示を出しました。
また、今日の試合はレフェリングも良くセットピースで我々のチームが有利な時に適切な笛を吹いてくれました。

ー これまで勝ちきれない試合が続いていたが、過去の試合と違うところは?
村川ゲームキャプテン
これまで勝ちきれない試合が続き、選手にはやりきれない思いがありました。このことはコカ・コーラさんも同じだったと思います。選手の気持自体は変わっていないのですが、どうしても勝ちたいということとミスが出るか出ないかという違いだけだったと思います。これまでの試合と特に変わったところはないと思いますが、今日はチームの選手全員に気持が入っていました。
レオン・ホールデンヘッドコーチ
近鉄戦や東芝戦は、良い戦いをしながらも最後の最後で試合を落としてしまいNTTコミュニケーションズ戦では、JJ・エンゲルブレヒトが怪我をしてしまい勝ちきれないということがありました。またヤマハ発動機戦は、セットピースで良い戦いができていたものの、後半の最後の5分にプロップが怪我をしてしまいましたが、今日はそのようなことがなく全て上手くいきました。
今日の試合を糧にしっかりと準備して、次節のトヨタダービーは勝ちに行きたいと思います。

ー 前半は苦しい戦いだったと思うが、あのプレーで後半は変わったというようなプレーはあったか?
村川ゲームキャプテン
選手にはどうしても勝ちたいという気持があったので、前半は選手の皆があせってプレーをしていましたが、前半をリードして終われたことでリラックスできたと思います。今日の試合では、ディフェンスが決まり始めたことがキーとなるプレーだったと思います。

ー 今日の試合に向けて、チームとして何か特別な準備をしたのか?また、話せる範囲で構わないので(怪我をしている)JJエンゲルブレヒトの様子を教えてほしい。
レオン・ホールデンヘッドコーチ
試合の準備に関しては、シーズンの始めから変わりはありません。基本的には自分達のプレーの最適なストラチャーが出来れば勝てると言っています。JJは、現在南アフリカに帰国し家族との時間を過ごしながら治療に専念していますが、診察の詳細な結果はまだ出ていません。

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フォトギャラリー

撮影者:谷本結利