10月12日(日) 立命館大学 vs 京都産業大学

レフリー:加納 孝紘(関東協会)
アシスタントレフリー:米倉 陽平(関西協会) / 長手 大地(関西協会) / 西村 純(関西協会)
立命館大学 | 京都産業大学 | |||
24 | FULL TIME | 47 | ||
7 | 前半 | 14 | ||
17 | 後半 | 33 | ||
勝点 0-5 詳細(PDF) |
▶京都産業大学 12 奈須貴大
マッチレポート
2025ムロオ関西大学ラグビーAリーグ第3節第4試合、開幕から2連敗と苦しい立命館大学(立命大)と順調に2連勝の京都産業大学(京産大)の一戦。
春季トーナメント決勝では立命大に軍配が上がっている。京産大にとってはリベンジとなる戦いだ。
平年より気温は高めであるが曇り空、前節までと比べるとまずまずのコンディション、京産大のキックオフでスタートした。
開始早々30秒でファーストスクラム。最初は両チームフロントローがスリップダウン、組み直したあと立命大の強烈なヒットで京産大からコラプシングの反則を奪った。両チームともこだわりのあるスクラムでまずは立命大に軍配。
序盤、立命大が優位にゲームを進める展開。11分にはPGの機会を得るが決まらず。
だが、直後の12分、京産大がワンチャンスをものにした。自陣10M付近で立命大のノックフォワードボールをすかさずカウンターアタック。LO⑤石川東樹からHO②福留斗生、キャプテン・FL⑦伊藤森心、トライゲッターのNo.8⑧シオネ・ポルテレへとテンポよくフラットパスで繋ぎ、⑧ポルテレはスピードを生かし、最後は追いすがる相手をフィジカルで突き飛ばし左隅にトライ。難しい角度からのGKをSH⑨高木城治が見事に決め先制する。(0-7)
この後、攻守が激しく入れ替わり立命大もゴールに迫るが京産大のデフェンスに阻まれるという展開。
32分、京産大はゴール前10MラインアウトからFWが近場を攻めゴール前までボールを運ぶ。ラインオフサイドのアドバンテージの中、右に展開。SO⑩吉本大悟、WTB⑪馬田琳平からFB⑮宮里快一とパス、⑮宮里がタックルを交わし右中間に飛び込む(GK成功)。(0-14)
引き離されたくない立命大、もう一本とって有利に進めたい京産大。
43分、京産大の攻撃を凌いだ立命大がチャンスを迎えた。ゴール前5Mのラインアウトから得意のドライビングモール、しっかり押し込みHO②大本峻士が左中間に押さえこむ。難しい位置からのGKをCTB⑬藤原洋斗が決め、1トライ1ゴール差に迫る。(7-14)
前半、最後のプレーで京産大がゴール前5Mラインアウトの得点機会を得るが、立命大のLO⑤名取稜太郎が阻み前半が終了する。

立命大のリスタートキックで後半が始まる。どちらも、先制点が欲しいところである。
2分、京産大は、自陣10M付近で相手のスローフォワード・タッチに対し、相手の意表を突いてクイックで投入、CTB⑫奈須貴大が60Mを走り切り中央へトライ(GK成功)。したたかに奪った追加点、この得点が精神的に優位に立ったのではと思われる。(7-21)
だが、6分に立命大がゴール前5Mラインアウトから今回はモールを組まず直ぐに右ラインに展開。FL⑦𠮷川大智からライン上に残ったSH⑨香山創祐へパスアウト、WTB⑭三浦遼太郎からSO⑩初田航汰へ。⑩初田がタックルを受けながらワンモーションでゴールラインを越えトライ(GK成功)。また、7点差に迫る。(14-21)
この後、13分には、京産大がゴール前10MラインアウトからFW選手がボールを前へ動かし、最後はPR①小林龍昇がトライ(GK成功)で引き離す。(14-28)
次の15分には、立命大が見ごたえあるBK展開で⑭三浦がフィニッシュと追いすがる。(19-28)
だが、京産大は、31分に⑮宮里の見事な超ロングタッチキックからのゴール前ラインアウトモールを制圧。PR③八田優太がグランディング(GK成功)。
36分にも、京産大は自陣スクラムを押し込みアドバンテージの中、BKへ展開。⑮宮里、⑫奈須、WTB㉓太田陸斗、CTB⑬ナブラギ・エロニがそれぞれブレイク。最後はフィニッシャー⑧ポルテレがトライで引き離し、勝負あったか。(19-40)
42分、立命大HO⑯西野陽がラインアウトモールからトライで意地を見せる。(24-40)
京産大は45分のラスト1プレーでもう一度集中し意思統一、22Mセンタースクラムから⑧ポルテレが持ち出し相手を集めギャップを作る。走り込んできた㉓太田のトライ(GK成功)を演出した。ボーナス点をゲットするためのしたたかな攻撃と見た。(24-47)

終わってみれば京産大のダブルスコアとなったが、立命大も地力のあることはは十分に証明したゲームであった。
POMには、勝負を決めるトライなど攻守に活躍した京都産業大学CTB⑫奈須貴大が選ばれた。

会見レポート
立命館大学
小寺亮太監督
いつもありがとうございます。いい準備をしてきて、最終的には得点は開いてしまったものの、自分たちが勇気を持ってアグレッシブなラグビーを体現して、今持っている最大の力を出してくれたと思います。チームとして修正できるところは修正し、次の試合に顔を下に向けずに向かっていきたいと思います。
中村颯汰ゲームキャプテン(4年=大阪桐蔭)
今日の試合はもう後がない中で、徹底した分析でやりたいことを明確にして挑みましたが、最終的には、相手のセットプレーの強さなどが上回っていました。前半はやりたいことが徹底できていましたが、それを80分間通してできなかったのが、今日の反省点です。

Q.チームが2連敗している中で、どうことをチームで話をしてきたか?
中村ゲームキャプテン
過去2戦、自分たちのミスであったり、シンビンであったり、自分たちの思いもよらない形で敗戦してしまって、島キャプテンを中心にどうやって京都産業大に挑んでいくかについてミーティングを重ねたうえで、チャレンジャーとしてゲームに臨みました。
京都産業大学
廣瀬佳司監督
本日はどうもありがとうございました。取って取られての非常に苦しい試合でしたけれども、伊藤キャプテン中心にしっかりと最後勝ち切ってくれて、非常にいいゲームをしてくれたと思います。終始ミスが多くて安定感のない試合で、修正すべき課題がたくさん出たなと思っておりますので、しっかり修正して、同志社戦に臨んでいきたいと思います。
伊藤森心キャプテン(4年=松山聖陵)
本日はありがとうございます。廣瀬監督からもあったように、自分たちのミスで自分たちの時間を失って、相手にボールを渡してしまうというプレーが多かったんですけど、そういう苦しい状況の中で自分たちの形を戻すことができなかったところが、今日の反省点かなと思います。この後も関西リーグが続いていくので、こういった課題を修正しながらひたむきに自分たちのラグビーをしていこうと思います。

Q.春季トーナメントで負けている立命館大ということに対する意識は?
伊藤キャプテン
リベンジャーでありチャレンジャーという精神はこの試合に向けていて、前節の関西大学戦が終わった後から、立命館に勝つためだけにこの2週間練習してきたので、まず勝って反省できるということは、すごくいいことだなと思います。
Q.ボーナス点と合わせて勝ち点「5」に対する意識は?
伊藤キャプテン
本当に3対0でも、5対7でも、どんな小さなスコアであっても、まず勝つことが一番だし、僕たちはボーナスポイントを意識して試合できるほど、チャンピオンチームもなんでもありませんし、そこはひたむきに戦うことだけに集中しています。
Q.今日の試合で京産大らしいプレーはどのあたりでしたか?
廣瀬監督
あまり出せなかったですね。まあ前半特にですけど、ゴールラインを背負ってトライを取らさなかったという場面が何回かありましたが、そのあたりは良かったかなと思います。ただうちらしさというのがなかなか出せなった、すごく立命館に封じ込められたという感じです。例えば、スクラムであったり、モールであったり、うちのやりたいようにはやらせてもらえなかったので、そこが課題ですね。