10月5日(日) 天理大学 vs 同志社大学

レフリー:細川 正義(関西協会)
アシスタントレフリー:水谷 元紀(日本協会) / 橋本 佳汰(関西協会) / 松本 和也(関西協会)
天理大学 | 同志社大学 | |||
58 | FULL TIME | 18 | ||
20 | 前半 | 3 | ||
38 | 後半 | 15 | ||
勝点 5-0 詳細(PDF) |
▶天理大学 11 フコフカ・ルカス
メンバー表(48時間前)
マッチレポート
2025ムロオ関西大学ラグビーAリーグの第3節は、くもり一時雨、無風の天理親里競技場で開催された。
第2試合は天理大学(以下、天理)と同志社大学(以下、同志社)が対戦。天理は開幕から危なげない戦いで連勝、勝ち点10を獲得している。チャレンジャー精神でこの一戦でも勝ち点を上積みしたい。同志社は開幕戦に久しぶりの勝利。第2節では関学大の厚いデフェンスに苦戦したが、後半には得意の展開ラグビーで得点しており、継続した戦いがしたい。
SO⑩大島泰真(同志社・キャプテン)のキックで試合開始。お互いに譲らない時間帯が続いたが、最初にチャンスを掴んだのは同志社。3分、ゴール前ペナルティからキックを選択しSO⑩大島が25m中央から決めて先制する。0-3。
18分、天理がペナルティからタッチに蹴り出し6m右ラインアウトからスロワーHO②太安善明からFL⑥アリスター・サウララがキャッチし、モールから左に展開。SH⑨朝倉達弥からSO⑩上ノ坊駿介(キャプテン)、CTB⑫和田雄翔→CTB⑬山田晟大からWTB⑪フコフカ・ルカスがタッチライン沿いを走り切り、左中間に逆転トライ。GK不成功で5-3。
23分、天理がゴール前20m左ラインアウトモールからサイドを攻め右に展開。SH⑨朝倉からパスを受けたSO⑩上ノ坊のキックパスをキャッチしたWTB⑪ルカスが左中間にトライ。GK不成功、10-3。
同志社もトライライン近くまで攻め込むがあと一歩及ばず苦戦する。
35分、再び天理が自陣から攻め敵陣に入り、SO⑩上ノ坊のロングパスを受けたWTB⑭平松麟太郎がゴールライン手前まで持ち込み、最後はフォローに入ったSH⑨朝倉が左中間にトライ。GK不成功、15-3。
39分、天理がゴール前5m左ラインアウトからモールを形成し、最後はPR③井上魁が左隅にトライ。GK不成功、20-3。
残り時間で何とか差を詰めておきたい同志社だったが得点を奪えず前半が終了。

天理SO⑩上ノ坊のキックで後半開始。
6分、天理が13m左ラインアウトから右展開。SO⑩上ノ坊のグラバーキックを拾ったCTB⑬山田がゴール前まで持ち込み、SH⑨朝倉のパスを受けたSO⑩上ノ坊が右中間にトライ。GKもSO⑩上ノ坊が成功し、27-3。
13分、天理がゴール前20m左ラインアウトから前進。SH⑨朝倉からSO⑩上ノ坊のロングパスを受けたWTB⑪ルカスが右中間にトライ。GK不成功、32-3。
苦しい時間帯が続いた同志社だったが漸くチャンスが訪れた。24分、ペナルティからタッチに蹴り出しゴール前15m左ラインアウトから右に展開。フェーズを重ね途中出場のSH㉑田中心温→CTB⑫ファイアガラ義信ダビデ→SO⑩大島→途中出場のCTB㉒熊野佑星とつなぎ、最後はFB⑮隅田誠太郎が右中間にトライ。GK不成功、32-8。
30分、天理がラインアウトからHO②太安が左中間にトライ。GKもSO⑩上ノ坊が成功し、39-8。
36分、天理がラインアウトからモールを形成し途中出場のPR⑯稲嶺翔太が右中間にトライ。GK不成功、44-8。
39分、同志社はゴール前20m左中間のペナルティからCTB⑫ファイアガラ義信ダビデがクイックタップで仕掛け、最後は途中出場のPR⑰李星河が左中間にトライ。GK不成功、44-13。
41分、天理はSO⑩上ノ坊がゴールポスト下にトライとGKも成功し、51-13。
44分、今度は同志社がラインアウトモールから途中出場のHO②長島幸汰が左中間にトライ。GK不成功、51-18。
47分、天理がパスをつなぎ、最後は途中出場のCTB㉒安川和志が個人技でゴールポスト下にトライ。GKもSO⑩上ノ坊が成功。天理が58-18としてノーサイド。

天理は今節もワークレートが高く安定感のある素晴らしい戦いで勝利し勝ち点5を獲得した。POMは逆転トライを含む3トライの天理大学WTB⑪フコフカ・ルカスが選ばれた。

会見レポート
同志社大学
永山宜泉監督
総評としましては、天理大さんに接点の部分でかなりやられたと思っています。学生たちも真っ向勝負、逃げないで戦うという姿勢は貫いてくれましたが、体の芯の強さという部分は、すぐにはなかなか追いつけないと感じています。今後も試合が続きますので、チャレンジスピリットを持って戦っていきたいと思います。
大島泰真キャプテン(4年=京都成章)
準備してきた接点で「勝って前に出ていく」というところが、うまくできませんでした。そういうところからちょっと焦ってしまったかな、というのが全体的な感想です。

Q. 過去2戦と変えてSOに大島選手を起用した意図は?
永山監督
前節を負けてしまったこともあり、天理大学さんに対しては攻撃力を前面に出して戦うしかないという形で臨みました。
Q. 次につながる手応えは?
永山監督
今年のチームは負けたまま終わらないで、途中で切れることなく最後まで戦おうという姿勢があるのは去年よりの成長かなと思っています。手応えという部分は正直ないです。
Q. 10番への特別な思いは?
大島キャプテン
自身としては何番でも任された役割をして試合に勝つということに変わりはないので、何番でも勝ちたいという思いだけです。
天理大学
小松節夫監督
同志社さんは今年、監督も変わって良いチームになってきていると感じています。ブレイクダウンのところとか、特に最後の20分、そこで同志社さんの勢いを出させないようなディフェンスをしようと臨みましたが、最後の方でメンバーが変わってから3トライ取られたところが反省材料として残るので、次のゲームに向けて修正していきたいと思います。
上ノ坊駿介キャプテン(4年=石見智翠館)
前半は雨の影響でミスもありましたが、トライに何個かつなげられました。ディフェンスも良いプレッシャーを与えられていました。同志社は後半から勢いに乗せてくるチームだというのをハーフタイム中に話し合って、後半もディフェンスに集中してブレイクダウンにこだわってしていこうと。しかし、メンバーが変わってから3トライ取られたので、最後まで80分間をずっとディフェンスでプレッシャーかをけ続けてトライを取られないように、もう一度修正していこうと思いました。

Q. ここ3試合ともディフェンスが引き締まっているように感じるが、どう評価するか?どういうことをやってきたのか?
小松監督
うちは、とにかくそこから始めようということで、チャレンジャーとしてディフェンスでプレッシャーをかける。そうすることで、うちらしいゲームになるのかなというところがありましたので、まず受けずに、ディフェンスからゲームを作っていこうということで、開幕戦からやっています。その辺が、今日の前半とか特にいい形で出ているのかなと思います。
特に練習不足というところもあって、アタックの精度がまだ上っていない中で、我々のできることはディフェンスだなというところで、キャプテンを中心に集中して、どこが相手でもディフェンスでプレッシャーをかけるということをやっています。
Q. ディフェンス精度をさらに上げるための課題は?
小松監督
今日のゲームで言えば、メンバーが変わってから、やっぱりちょっとバランスが崩れたり、ラインアウトディフェンス、スクラムからのところも、ちょっとうまくいかなかったところがありました。ゲームが緊張感を持って動いていない時っていうのはいいんですけども、点数が入ったり、入れられたりして、ゲームが動いた時に浮ついたり、メンバーが変わってまたサインミスが起こったりとか、その辺で、ちょっと流れが向こうにいってしまうという。そこを誰が出ても同じような集中力で、最後まで戦うというところが、まだまだ出来てないところかなと思います。
Q. その“浮つき”や連携不足は始動の遅れの影響?
小松監督
毎年メンバーが変わることで、終盤にゲームが動いたりするところで崩れがちなんですけれども、特に同志社さんは最後そこで取り切るようなチーム作りを今年はスタメンのところで目指してこられたので、余計にそこを注意して今日は臨みました。しかし、またそこでやれてしまったというところで、その辺が今のチームの課題かなと思います。
Q. フコフカ・ルカス選手の評価は?
小松監督
1年生ですが開幕戦からすごく結果を出してくれていて、リーグに入って特に伸びてきています。多少ケガもありますけども、その中でハードワークしてくれているので、先制トライなんかは、特に彼の強さ、個人力が出たところ。うちの得点源として、非常に良い働きをしてくれていると思います。
上ノ坊キャプテン
力強いランナーが大外にいることで、必ずゲインしてくれますし、そこでテンポも上がったりしてくれる選手なので、自分としてもゲームコントロールに使いやすく、いい働きをしてくれるいいプレーヤーです。