マッチレポート
関西大学Bリーグ上位トーナメントの優勝決定戦は、リーグ戦を両校とも4トライ以上の勝点5で5勝し勝点25で1位通過、優勝決定トーナメントで大阪教育大学を下した大阪体育大学(体大)と京都大学を下した龍谷大学(龍谷)が対戦した。3年連続の対戦、大体大の3連覇となるか、龍谷大がリベンジを果たすか。
快晴の大体大グランド、12時ちょうどにやや風下の龍谷15番FBキャプテン片山諒太のKOで試合開始。最初に攻め込んだのは体大。6分、龍谷のオフサイドのペナルティから、左ゴール前のラインアウトを選択。そのモールは押し込めなかったが、ラックサイドを右にFWがアタックを繰り返し、最後は9番SH山本波琉がもぐり込んで中央にトライ、10番SO生駒創大郎のGも成功し7−0と先制した。すぐに龍谷が反撃、リスタートのKOから敵陣に入り、体大のオフサイドでペナルティを得るとショットを選択する。その35mのPGを15番片山が決めて7−3(10分)と詰める。
しかし体大も17分、龍谷のノットロールアウェイから中央22mLのPGを10番生駒が決めて10−3、再び7点差とした。ここからしばらくはともに敵陣深くは入れず、中盤での戦いが続いたが、終盤に差し掛かった30分に試合が動いた。体大が、自陣中央10mL付近のマイボールスクラムから8番No.8堀田凌永が抜け出し大きくゲイン、フォローした15番FB林哲大につなぎ右すみにトライ、点差を広げる。(10番G不成功、15−3)
続く35分にも、敵陣左中間22mL少し入ったラックから、10番生駒の右すみの14番WTB下山網海へのキックパスが決まり、右すみにトライ、Gは不成功ながら20−3と17点差とした。
しかし龍谷は前半終了間際の40分、体大のペナルティーから体大陣左ゴール前の2回目のラインアウトモールを選択、出来たラックからフェーズを重ね最後は2番HO平野巧が左中間にトライ、15番片山のゴールも決まり20−10と点差を詰めて前半終了。
後半、風が強くなってきた中、風下の体大10番生駒のキックでリスタート。最初にペースを掴んだのは龍谷。12番CTB山添将輝が自陣からラインブレークして13番CTB三宅颯馬にパス、三宅が敵陣左22mLでポイントを作ると、後半から入った22番SO谷川大和がギャップを抜け出し、左中間にトライ、15番片山のGも決まり20−17、3点差に詰める。(2分)
続く8分には、敵陣左10mLから少し入ったラインアウトから、こちらも後半から入った21番SH亀井郁弥が抜け出し22番谷川へ、谷川が左ポスト付近に2本目のトライ、20−24と試合をひっくり返した。(15番G成功)
体大も中盤から次第にペースを取り戻す。龍谷のペナルティーから敵陣に入ると、19分、敵陣左ゴール前ラインアウトからモールを形成、そのモールを押し切り2番HO吉田敢太が左中間にトライ、Gは不成功ながら25−24と再びリードを奪った。
両チームともディフェンスが素晴らしく、体大が1点差のリードのまま試合は終盤に差し掛かる。残り少なくなった36分、体大は自陣10mL付近から左にBKで仕掛けるが、龍谷13番三宅が素晴らしいタックルを決める。そのラックで体大がたまらず倒れ込みのペナルティー、龍谷はPGを選択する。この右中間40mのPGを15番片山が見事に成功、三度、試合をひっくり返した。(25−27)
リスタートからなんとしても敵陣に入りたい体大だが、ここで龍谷に50/22mの素晴らしいキックが出て、自陣に閉じ込められる。残り3分、点差は2点、自陣から果敢にアタックを繰り返す体大だったが、最後はノックオンで龍谷が蹴り出し、ノーサイド。龍谷が25−27で勝利、昨年のリベンジを果たしBリーグ優勝を果たした。
両チームともディフェンスの圧力が素晴らしかったが、それに比してハンドリングミスも多くなく、エリアマネジメントのキックの精度も素晴らしく、非常に締まった試合で、優勝決定戦にふさわしい戦いだった。惜しむらくはラインアウトの精度で、両チームともやや欠いていた印象だった。入替戦まで2週間、しっかり修正してベストな状態で入替戦に望んでほしい。
試合後コメント
大阪体育大学
中井 俊行 監督
前半はペナルティーが多くてペースを作れませんでした。後半は風下の影響もあって(なかなか)相手陣内に入って戦えませんでした。また、逆転されたところで少し焦りが出てしまい、継続と言う部分で後手に回ってしまった事が敗因です。(入替戦までの)2週間、キャプテンを中心に気持ちをしっかり入れ替えて入替戦に臨みたいと思います。
岩本 晃伸 キャプテン
龍谷大さんがシンプルに強かったと捉えています。体大のみんなは体を張って80分間戦い切ってくれました。しかしここが今のレベルだと思います。後 2週間、目の色を変えて全員を引っ張って行ってAリーグに対しても強い体大にしたいと思います。
龍谷大学
藤谷 徹 監督
(今日の勝利は)4回生を中心にした選手の力です。(試合の)中でみんなが判断して、しっかり我慢してプレーしてくれた結果です。それしかないです。選手に感謝します。
片山 諒太 キャプテン
リーグ戦の途中まで不調が続いたのですが、(それでも)みんながついて来てくれた結果が今日出てくれたと思います。
ー2週間後の入替戦に向けて
相手はどこであってもしっかり準備して、いい試合をして、最後は笑って終わりたいと思います。