2018年10月6日(土) 13:00キックオフ グラウンド:ヤマハスタジアム | ||||
レフリー: アシスタントレフリー: |
||||
ヤマハ発動機 | 東芝 | |||
27 | 7 | |||
15 | 前半 | 7 | ||
12 | 後半 | 0 | ||
詳細 (TL公式) |
マッチレポート
【ヤマハ発動機が安定したセットプレーで東芝を圧倒し4勝目】
台風による天候の影響が心配されるも、影響がなく夏を思わせる暑い晴天のなか、ヤマハ発動機と東芝の試合がヤマハスタジアムで行われた。
ヤマハは前節のパナソニック戦で自らの反則により攻め手を欠き、不完全燃焼のまま初黒星。一方の東芝もここまで2勝2敗と波に乗れない状態で両チームとも勝利を狙いたいところ。また、ヤマハの山本幸輝と東芝の浅原拓真の両PRがラグビー日本代表に選出されたが、浅原はラグビーとは別に話題となり、両者のスクラム対決も注目される。
3連休の初日スタジアムには5,755人のラグビーファンが集まり、東芝のキックオフで試合が始まった。
東芝は開始早々、PR三上正貴のチャージ等ヤマハにプレッシャーをかけ、試合を優位に進める。そして6分、自陣10m付近のラックから右に展開、WTBジョネ・ナイカブラが右ラインを好走し大きくゲイン、パスを受けたFBコンラッド・バンワイクがゴール真下に回り込みトライ。SOマイク・ハリスのゴールも成功し、0-7と東芝が先制する。
先制されたヤマハも反撃し、17分ペナルティで得た敵陣左側25m付近のラインアウトからモールを押し込み、HO日野剛志が左中間にトライ。FB五郎丸歩のゴールも成功し、7-7と同点に追いつく。
さらにヤマハは21分、FLクワッガ・スミスが敵陣中央のラックのボールを拾いゴール前まで突進。ラックから左に展開し最後はWTBゲリー・ラブスカフニがゴール左隅にトライ。ゴールは失敗するも12-7と逆転する。
東芝は22分にキャプテンのCTBリチャード・カフイがケガで交替。セットプレーで試合を優位に進めるヤマハが、40分FB五郎丸のペナルティゴールで15-7とリードし前半を終了する。
後半に入り、東芝は3分に自陣10mから連続攻撃。LO梶川喬介が左中間ゴールライン上にトライしたと思われたが、TMOでノックオンの判定。その後東芝が攻撃するも風上に立ったヤマハがキックで陣地を挽回する時間帯が続く。
19分ペナルティを得たヤマハは、スクラムを選択。FWがプッシュしアドバンテージを得た状況で、左サイドに移動しパスを受けたSOマット・マッガーンがそのまま左中間にトライ。ゴールは失敗するも20-7と点差を広げる。
一方の東芝は30分、フェイズを繰り返しゴール前まで反撃をするも、オブストラクションの反則でトライが奪えない。
そして36分、ペナルティを得たヤマハはゴール5m前左側のラインアウトから連続攻撃。交代したSH矢富勇毅が右にボールを動かし、最後はSHからWTBにポジション変更した吉沢がゴール右隅にトライ。SOマッガーンの難しい角度からのゴールも成功し、ヤマハが25-7で大きくリードし試合が終了した。
ヤマハはFWのセットプレーで優位に試合を運び4勝目。ボーナスポイントも加え勝点19と総合順位決定トーナメント進出に大きく前進。一方の東芝は、前半先制するもヤマハのプレッシャーで追加点奪えず3敗目(勝点11)。トーナメント進出に残り2試合は負けられない状態となった。
この日のマン・オブ・ザ・マッチは、再三の好タックルで勝利に貢献したCTB小林広人選手が受賞した。
(文責:静岡県ラグビーフットボール協会 佐野晴也)
会見レポート
東芝ブレイブルーパス
瀬川智広監督
まず始めに、今回浅原の件で、グラウンド以外でお騒がせして申し訳ありませんでした。
今日のヤマハ戦に関してはそういったこともあって、東芝らしい試合をしようと話しました。自分がやるべきこと、そしてラグビーができる意味を体現して、出る選手だけでなく、チーム全体で準備をしてきましたが、結果が出ず残念です。
小川高廣バイスキャプテン
監督の言うとおり、今週はいい姿勢を持って取り組んで、ヤマハ戦に臨んでいこうという気持ちでやってきました。今日の試合に関しては、ヤマハさんの土俵で戦ってしまい、もう少しうまく戦えた印象はあるが、ヤマハさんがしっかりと自分たちの強みを出してきて、それを自分たちは受けてしまったということだと思います。
Q.もったいないミスが多かったが、どんなことが原因と感じているか?
小川バイスキャプテン
東芝サイドのミスというのは、コミュニケーションでヤマハさんの方が速くて、低く、こちら側がやろうとしたことができなかったですし、練習したことが出せなかったというのが理由としてあります。
Q.改めて、浅原選手のことでチームとしてどんな会話があったのか?
小川バイスキャプテン
毎日のようにその話をして、いい姿勢で取り組んでここからさらによくなって、信頼を得る行動をしたいというのは選手内でありました。
Q.浅原選手のケガの状況は?
瀬川監督
ケガに関しては報道のとおりほとんどありません。事故にあって検査を受け帰ってきて、彼の方からいろいろな人に迷惑をかけたと謝罪がありました。(彼は)ケガは大丈夫なのでヤマハ戦に出していただけるなら頑張りたいと言いました。ただ、大きな騒ぎになったので彼がやるべきかどうか迷っていたが、最終的には私の判断で決めました。
Q.今日の試合で、チームで一番の誤算は?
瀬川監督
一番の誤算は、FWが接点で負けたということです。選手も思っていたと思いますが、今日はフィジカル勝負になると思っていましたので、セットプレーがうまくいかなかったことが一番の大きな誤算です。
今日のヤマハ戦を含め、残り3節が大きな意味があると思っていたので、今日の結果を反省して、次週にはしっかり修正していきたいと思います。
ヤマハ発動機ジュビロ
清宮克幸監督
試合内容は、東芝さんの時間、ヤマハの時間もあったが、チャンスをスコアに換えられたのがヤマハで、得点にできなかった東芝さんとの差なのかなと思います。ヤマハは集中した試合運びで安心、安定した勝ち方ができたと思います。
堀江恭祐キャプテン
お疲れさまでした。昨シーズン東芝さんには負けていたので、そのリベンジをホームで勝つことができ良かったです。
毎年、東芝さんとやる時はフィジカル、コンタクトの勝負になると分かっているので、自分もいつ出てもいいように準備していたし、チームも80分集中できてよかったと思います。前節パナソニック戦で、モールでトライを取りきれなかった部分も、今日はスコアして取れたことは良かったと思います。
残り2戦、集中して成長していけるように頑張ります。
Q.東芝相手に今日のスクラム、セットプレーの出来は?
清宮監督
スクラムに関して言えば、最初の3本くらいは五分五分だったが、途中から徐々にペースをつかめた気がします。スクラムコーチはホッとしているのではないかと思いますが、でもホッとはさせません。(笑)
Q.残り2試合ですが、今日の勝利で決定戦への手応えは?
清宮監督
何としてもプレーオフをヤマハスタジアムでやりたいという思いがあります。チームとして優勝するためのステップアップも必要ですが、シンプルに2位以上を取って、12月の1週目に戻ってきたいと思います。
Q.前節、0点で負けるというのはヤマハにとっては珍しいが、いい修正はできたか?
堀江キャプテン
自分もヤマハに入って0点で負ける経験はなかったが、今日の試合では22mラインに入ったところでのスクラム、モールをFWで取りきる気持ちをもてたことは、あの試合から学んだことなので大きかったと思います。
清宮監督
試合内容でいえば、ヤマハがパナソニックと30点差以上で勝っていても不思議ではない内容です。ラインブレイクの数、22mラインに入った数はパナソニックを大きく凌駕していました。ただその先が足りなかったということです。
Q.前回、今回と試合終了後にラグビー部の応援歌が流れたるが、どう感じるか?
堀江キャプテン
今年から新たにできたもので、プレーオフで歌いたいです。選手も歌詞を覚えて、みんなで歌えるように練習しなくてはいけないですね。
清宮監督
チームOBの高木(重保)君が頑張ってくれていますので、彼の熱い思いに貢献できたらいいと思います。
Q.堀江選手、清原選手、矢富選手など戦力の使い方の考えを聞かせてください。
清宮監督
堀江も万全ではないということで、最初に使うか最後に使うか考えました。清原に関してはアクシデントがあり、少しダメージもあったので変えました。矢富に関しては、予定通り10分使おうと思っていました。(選手の)ケガがあればもっと早く使わなくてはいけなかったので、10分で済んでよかったです。公式戦をやりながらコンディションを上げていくことができるというのはいいことです。
(文責:静岡県ラグビーフットボール協会 小林聖子)