10月14日(土) 第8節 ヤマハ発動機ジュビロ 36-10 NTTコミュニケーションズ

AG5I4320トップリーグ2017-2018 第8節
ヤマハ発動機 VS. NTTコミュニケーションズ

雨天の戦いはヤマハ発動機がFW戦で圧倒、6勝目を飾る

2017年10月14日(土) 14:00キックオフ グラウンド:エコパスタジアム
ヤマハ発動機 NTTコミュニケーションズ
36 FULL TIME 10
14 前半 10
22 後半 0
詳細
(TL公式)

マッチレポート

8月18日の開幕から2か月、今シーズンのトップリーグも後半戦に突入する。2年後のラグビーワールドカップの試合会場となる静岡県のエコパスタジアムで、ヤマハ発動機とNTTコミュニケーションズの試合が行われた。トップリーグでの両チームの対戦はヤマハの4勝2敗である。

第6節に同じ場所で神戸製鋼に力負けしたヤマハ発動機としては、NTTコムをねじ伏せ、地元ファンの前で悲願のトップリーグ制覇へ向け再び上昇気流に乗りたいところ。一方のNTTコムは前節の“NTTダービー”を制した勢いでヤマハを倒し、リーグ戦上位に上がりたいところである。この試合のスタジアムは雨の降る天気にかかわらず、3,243人のラグビーファンが集まった。

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前半NTTコムのキックオフにより試合が始まった。
試合が動いたのは前半4分、NTTコムは敵陣22mライン右中間で相手のオフサイドで得たペナルティキックをSO小倉順平が成功し、0-3と先制する。さらに、7分敵陣ゴール前10m付近左中間のラックでからNo.8アナマキ・レレイ・マフィを起点に左へサイド攻撃、最後はCTBシェーン・ゲイツが敵のディフェンス陣を振り切りゴール左隅にトライ。SO小倉のゴールも成功し、0-10と点差を広げる。

しかしヤマハはスクラムで相手にプレッシャーを仕掛け反撃に転ずる。27分、ペナルティで得た敵陣22mライン左サイドのラインアウトから右へ展開、SO大田尾竜彦のパスを受けたCTBヴィリアミ・タヒトゥアが強烈な突進で相手ディフェンス陣を突破し、ゴールポスト右にトライ。FB五郎丸歩のゴールも成功し7-10と追い上げる。

さらに37分、敵陣ゴール前5m中央のスクラムを押し込み右へ展開、CTBマレ・サウがゴール前に突進しラック、No.8堀江恭祐が右サイドを突きそのまま右中間にトライ。ゴールも成功し14-10とヤマハが逆転し前半が終了する。

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雨がさらに強くなった後半、リードしたヤマハは試合を優位に進める。
9分敵陣ゴール前5m地点のペナルティで、ヤマハはスクラムを選択。ヤマハの強力なスクラムのプレッシャーに相手はたまらず反則を犯し、ヤマハが認定トライ。21-10とリードを広げる。さらに20分、敵陣22mライン中央で得たPGをFB五郎丸が確実に決めて24-10と点差を広げ、30分は敵陣22mライン右中間のラックから交代したFLヘルウヴェが相手ディフェンスを引きずりながら突進、ゴール前のラックからNo.8堀江が右サイドを突きゴール真下にトライ(ゴール成功)。31-10と3トライ差とする。

その後もヤマハは攻撃を緩めず、試合終了のホーンは鳴ってもペナルティから攻撃を仕掛ける。敵陣ゴール前5mのスクラムを押し込み素早く左に展開、最後は交代したWTB石塚弘章が左隅にトライ(ゴール失敗)。36-10でヤマハ発動機が完勝し、ボーナスポイントも獲得した。

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ヤマハは久しぶりの「ヤマハスタイル」でFW陣がスクラムで圧倒し今季6勝目。後半戦の幸先良いスターとなった。一方のNTTコムはヤマハのプレッシャーに反則が多く惨敗。リーグ戦4勝4敗となった。この日のマン・オブ・ザ・マッチは、スクラムで圧倒し勝利に貢献したヤマハ発動機PR山本幸輝選手が受賞した。

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(文責:静岡県ラグビーフットボール協会 神谷英志)

会見レポート

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
ロブ・ペニー ヘッドコーチ
まずは、ヤマハさんおめでとうございます。今日の天気でいいプレーができていたと思います。我々も今週の準備がよくできていたと思います。最初の入りの10分は良かったが、タックルミスもあり、その後のミスが多すぎました。ハーフタイムはスコア的には点差がなかったが、そのあとヤマハは徐々に改善出来ていました。
後半からヤマハのプロフェッショナルなパフォーマンスが出てきたと思います。セットピースなどは、今日の天気の状況でヤマハさんは素晴らしかったです。我々もよくやったけれど、セットピースで完全に負けました。本当に難しかったです。

金正奎キャプテン
結果については残念です。1週間の準備が非常に良くて、前半の10分間が大事というのはわかっていて、よく出せたが、セットピースの場面で崩されてしまって、後半特に、自分たちのペースでラグビーをさせてもらえなかったです。
リーダーの方向性もよくなくて、もっと戦うパッションを出せた試合で、そこを悔やんでいます。
80分通して1人1人のビックミスは少なかったが、規律やペナルティーなどは、前半はよかったが後半よくなくて、そこを改善しないとトップチームに勝てないと痛感させられました。まだ試合は残っているので、次のコカ・コーラ戦ではいい準備をして、今日出た課題を反省して、(自分たちは)もっと成長できると思うので、そこはポジティブにやっていきたいと思います。

ー セットピースで上回られたということだが、やられてしまった部分とは?
金キャプテン
ヤマハのこだわりであるセットピースのところで、8人固まって対抗しようとしたが、フロントローが簡単に崩されることが何回もあったりして、押しを伝えられなかったです。相手は8人固まってまっすぐ同じ方向に向かってくるスクラムでした。そこを崩されたのは大きな要素だったと感じています。

ー ラインアウトに関しては?
金キャプテン
相手のアタックに対してプレッシャーをかけられたし、このコンディションの中で、よくやれたと思います。
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ヤマハ発動機ジュビロ
清宮克幸監督
今日の試合は何といってもFWのセットプレーの制圧でしたね。久しぶりにヤマハのスクラムが見られた気がしました。あとは、この天候の中で終始安定したFWのゲームということでよかったのではないかと思います。

堀江恭祐キャプテン
先週の試合でFWの反省点も多く、今日の試合はとにかくFWの勝負というところで、セットプレーも危機感を持って取り組んできて、うまくできたところが多かったです。その中でも反省点もあったので、来週につなげたいと思います。

ー 雨でしたが、スクラムの選択はプランに入っていたのか、グラウンドコンディションを含め試合の流れで決めたのか?
清宮監督
メンバーを見たときから、この試合はスクラムで圧倒しなくてはいけないと考えていました。雨でしたが、(エコパは)日本一の芝ですから、いいグリップでスクラムが組めたのではないかと思います。

ー 先週からの反省点で、改善したところは?
堀江キャプテン
今日のレフェリーが外国人の方ということで、やってみなければわからないところもあったが、試合中はいいコミュニケーションも取れていたし、セットプレーで日野さん中心に、間合いの駆け引きなどでうまく有利に立てたかなと思います。
清宮監督
今日のレフェリーは一貫性があり、非常に良かったです。わかりやすいレフェリングだったと思います。

ー 今日の反省点とは?
堀江キャプテン
前半入りの部分で、規律を守る上で、最初の2つのミスが得点につながってしまったのは大きな反省点です。ディフェンスで我慢する場面も多くなってくる中で、自分たちの規律を守っていかないと簡単にスコアされてしまうので、そこはもっと厳しくしていかなくてはと思います。

ー (堀江キャプテンが今季)トライを量産しているが、自分ではどういったところがよいと思うか?
堀江キャプテン
スペースに走りこむところや、近場で状況を見て行ける時に行っている感じです。(現在)8トライですが、ウヴェとか他にも前に出てくれるランナーがいるので、そのあとのスペースを狙ってうまく取れているのかなと思います。

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フォトギャラリー

撮影者:谷本結利