2016年9月17日(土) 18:00キックオフ グラウンド:ヤマハスタジアム | ||||
ヤマハ発動機 | 東芝 | |||
40 | FULL TIME | 6 | ||
21 | 前半 | 3 | ||
19 | 後半 | 3 | ||
詳細(TL公式) |
マッチレポート
【ヤマハ、今季初のホームゲームで好敵手東芝に圧勝、東芝は持ち味生かせず惨敗】
開幕から3連勝のヤマハと東芝の両チーム、力と力のぶつかる全勝同士の対決を制するのは果たしてどちらか。
ヤマハとしては、今シーズンのホーム開幕戦。昨シーズンのホーム最終戦で神戸製鋼に大敗して以来の試合であり、しかも対戦相手はプレーオフ準決勝で優勝を阻まれた因縁の東芝。ここは自慢の強力スクラムで東芝を圧倒し、地元ファンの期待に応えたいところ。
対する東芝は3連勝だが、前節はキャノンに試合終了間際で逆転勝ちと苦しい試合が続いている。しかし、今節は満を持してベテランHO湯原祐希が先発。日本代表のフロント陣でヤマハの強力スクラムを抑え、開幕4連勝を狙う。
トップリーグ序盤の注目のカードを観戦しようと、ヤマハスタジアムには7,629人の熱烈なファンが詰めかけた。
注目された試合開始後のファーストスクラムは東芝ボール。共に強力なFWが持ち味の両チームなだけに、見ている側にも選手の意気込みが伝わる。
両チームのディフェンスがよく、スコアが動かない状態が続いたが、16分、ヤマハは東芝のラインオフサイドで得たチャンスでPGを狙わずタッチキックで前進、トライを狙いに行く。この判断が吉となり、セットプレーからSH矢富勇毅がラックサイドを突き、ゴール右横にトライ。FBゲラード・ファンデンヒーファーのゴールも成功し、ヤマハが幸先良く先制する。
対する東芝は21分、ペナルティでPGを選択し、SH小川高廣が決め3点を返す。しかし、ヤマハは25分、東芝のペナルティからのゴール前右ラインアウトからモールを押し込み、HO日野剛志がゴール右中間にトライ。SO大田尾のゴールも成功し14-3とする。
ヤマハは19分にFBファンデンヒーファーが負傷により交替したが、選手に迷いがなく自信を持ってプレーしている印象。30分過ぎには相手のペナルティで敵陣に攻め込むも、東芝が意地を見せヤマハの猛攻を抑える。
だが、前半終了間際の40分、ヤマハは敵陣22mライン付近のスクラムからのオープン攻撃を仕掛け、最後はSH矢富がディフェンスの隙をついて抜け出しゴール真下にトライ。SO大田尾のゴールも成功し、21-3で前半終了する。
前半は、ヤマハが相手のペナルティからトライを奪うという、ボーナスポイントも視野に入れた選択が成功した。その上、ブレイクダウンも寄せも早く、東芝を上回っていた。
後半に入り、巻き返しを図りたい東芝だが、ヤマハのペナルティにより最初にチャンスを得てボールを回すも、大事なところでノックオンを犯し、悪い流れを変えられない。ようやく10分に、敵陣ゴール10m前で得たPGをSH小川が決め3点追加する。
しかし、ここからヤマハの一方的な展開となる。16分にはゴール前の連続攻撃から右へ展開し、ウイングの位置にいたCTB宮澤正利がゴール右隅にトライ。SO大田尾のゴールも成功し、28-6と突き放す。東芝は大きく陣地を稼ぐも、ヤマハゴール前のラインアウトのボールを相手に奪われ、陣地を戻されてしまう。試合運びでヤマハと東芝との明暗がはっきり分かれる。
そして28分、ヤマハが自陣ハーフウエーライン付近左側のスクラムでプレッシャーをかける。アドバンテージを得てチャンスと見たSH矢富が、左サイド突き50m独走。相手2人を引きずりながらゴール左中間に3つ目のトライ。
SO大田尾のゴールは失敗に終わるも5点を追加し、33-6と点差を広げるとともに、5トライ差としてボーナスポイントの獲得をほぼ確実にする。
調子に乗ったヤマハは、交替したフロント陣が戦意喪失した東芝をスクラムで圧倒。33分に東芝敵陣のペナルティでヤマハがスクラムを選択すると、場内は待っていたかのように大きく沸いた。
37分にヤマハが東芝ゴール中央付近のスクラムから右へ展開し、途中交替のWTB田中が抜け出しゴール右中間にトライ。SO大田尾がこの日4つ目のゴールをきっちり決め、40-6と東芝に大差をつけ、ヤマハの圧勝で試合が終了した。
ヤマハは試合の主導権を終始握り、SH矢富のパス出しのテンポの良さ、自らトライを奪う判断の良さが光り、日本代表メンバーが大勢いる東芝をノートライに抑え、「ヤマハスタイル」の完勝であった。一方の東芝は、後半途中からなす術なく、優位に立ったヤマハに圧倒され完敗であった。次節からの巻き返しに期待したい。
この日のマン・オブ・ザ・マッチは、3本のトライを決め大活躍し、チームの首位キープに大きく貢献したSH矢富が受賞した。また、昨年のワールドカップで活躍したヤマハのマレ・サウ選手が日本協会から記念品の贈呈を受けた。
(静岡県ラグビーフットボール協会広報委員 小林聖子)
記者会見ダイジェスト
東芝ブレイブルーパス
富岡鉄平ヘッドコーチ
3連勝同士の戦いだったのでしっかり準備はしてきた。選手も同様だったはずだが、ひとつひとつのセットピースの局面でヤマハの方が一枚上だった。
点差ほどの実力差は無いと思うが、ヤマハに完璧にやられた。反省点をしっかり修正して前に進みたい。次週のサニックス戦に備えたい。
リーチマイケル主将
全ての局面でヤマハに圧倒されてしまった。スクラム、モールともひとつひとつのコンタクトで負けていた。元々コンタクトは東芝の強みであるのに、今日はファンに申し訳ない試合となってしまった。次節に向けて一週間しっかり準備していきたい。
ー開始直後からヤマハの勢いを感じたか?
リーチマイケル主将
最初から80分間通して感じた。
ースクラムについてはどうか?初めから負けていたのか、途中から感じたのか?
リーチマイケル主将
押している方が有利になるが、その点でも今日は東芝が負けていた。
ヤマハ発動機ジュビロ
清宮克幸監督
パナソニック、東芝に勝って4連勝で思い通りに来ている。去年、五郎丸効果で多くのファンンがスタジアムに詰めかけてくれたホーム最終戦で、神戸製鋼に恥ずかしいくらいの大敗をしてから初めてのホームゲームだったが、元気のあるヤマハを見せることができた。今日は全ての局面で東芝を圧倒していた。
三村勇飛丸主将
東芝に完勝して、開幕から4連勝出来てうれしい。この勝利で選手の気が緩まないように引き締めて次節まで準備していきたい。
ーパナソニックと東芝に勝ったことをどう考えているか?
清宮克幸監督
充実感はあるが、他会場の結果を見ても今シーズンは戦力が分からない(チーム力が拮抗している)。リーグ戦の4戦が終わったという事、これからも気を引き締めていきたい。
ー4連勝したうえで、これから気をつけたい点は?
清宮克幸監督
怪我をしてメンバーに入っていない選手もいるが、復帰してメンバーが替わったとしても力を蓄えて臨んでいきたい。これまでのヤマハはギリギリの戦力で戦ってきたが、今シーズンは違う。
ーファンデンヒーファーが途中退場したがどうだったか?
清宮克幸監督
接戦では彼のキック力が必要となると思うが、今日はスコアも開いていたので影響はなかった。
ーSO大田尾のゲームメイクはどうだったか?
清宮克幸監督
良かったと思う。大田尾はずっと一緒にやっている選手だ。
ー今日は全ての面で良かったか?
清宮克幸監督
スクラム、ブレークダウン、ボールのキープ力、全ての局面で勝っていて東芝が連続攻撃出来ず、やりたいことが出来なかったと思う。
ーこれほどの点差がついたことには?
三村勇飛丸主将
これまではリードしていても後半に追い上げられたことがあり、その経験を踏まえてしっかり守っていこうと声をかけて集中した。
(静岡県ラグビーフットボール協会広報委員 石垣俊幸)