2015ラグビースクール指導者セミナー実施レポート

関西ラグビーフットボール協会普及育成委員会

 概要:2015RWCイングランド大会での日本代表の健闘により、ラグビー人気が沸騰している、そのかいあって各ラグビースクールの現場からは加入者増、体験入部の問い合わせなどが殺到している。しかしながらこの好機をしっかり活かすためには、指導者の資質向上が不可欠である、将来の日本ラグビーを担う小学生にラグビーの楽しさ、魅力、価値を充分に伝えていき、小学生に止まらず中・高・大学と継続してプレーしていこうというモチベーションを維持させていく能力が必要である。

 この機に、ラグビースクールの指導者を対象に講習会を開催し2019RWC日本開催に向けた更なる飛躍を目指して、ラグビースクールの総合的な底上げを図っていくことを目的とすることを旗揚げとして開催いたしました。

 

1、 名称  ラグビースクール指導者講習会

2、 主催  関西ラグビーフットボール協会

3、 主管  関西ラグビーフットボール協会普及育成委員会

       奈良県ラグビーフットボール協会

4、 期日  平成28年2月20日(土)~21日(日)

5、 場所  20日 講義・実技:天理教第38母屋(天理市豊井町500)

       21日 講義:天理教第38母屋(天理市豊井町500)

6、参加者  20名

 

1日目

講義・実技

「ジュニア期におけるコーディネーショントレーニング」

神戸大学発達科学部非常勤講師・大原学園神戸校教員  長野 崇氏

講義

コーディネーショントレーニングは、ドイツがアスリートを育成するために国策として考案したトレーニング方法でドイツでも4つに分かれており、今回は旧東ドイツよりのトレーニングについて伝授。練習にはブロック練習とランダム練習があり、ブロック練習では一時的に高くなるが間違った癖も身についてしまう、最終的技術の継続度の高くなるランダム練習を取り入れ、その重要性についてアシストするためには、考えながら学ぶことが大事であり、反復回数は決して運動の質的改善できるものではない。コーディネーショントレーニングのメカニズムは五感(視覚、聴覚、触覚、味覚,嗅覚)であり、キャッチを脳に転送、判断、処理、指令が筋肉へ伝わるこれらを理解することが大事であると教えられた。

次に、錘体路と錐体外路で錘体路はステップ・フェイントと企画して行う、錐体外路は無意識(脳の命令でない)の反射・動きのように意識して作り上げる必要性なし。バランスボールに乗って「落ちたらあかん」反応が脳を鍛える、それが意志動作の成立である。

具体的方法であるコーディネーション能力向上のための10原則を教えていただきました。

講義状況

講義状況

 

 

実技

バランスボールを使いながら、先ほどの講義内容に対する実践練習を紹介いただき、参加者全員でバランスボールの上に乗って、失敗もし、緊張もし、日頃こんなに体を動かさないのに、必死に汗だくになるぐらいみなさん頑張っていただきました。また持ち帰っていただき実践に活用していただくことを期待しております。

実技状況

実技状況1

 

実技状況2

 

*バランスボール落ちたらあかん反応が脳を鍛える 

*バランスボール落ちたらあかん反応が脳を鍛える

 

ワークショップ

『ラグビーノート作成作業』を2日間で3部に分けて行った

 今回、元日本協会普及育成委員長の前田嘉昭氏にアドバイザーとしてセミナーに参加いただき、参考になる貴重なアドバイスをいただきながら、日頃ラグビースクールで活用できるような、便利で使い勝手の良く愛着のわくノート作成を参加者の皆さんで5グループに分かれて作成をして、その中から1つを選び最終仕上げをした。意見も活発に又真剣に

取り組んでいただきました。

ワークショップ 風景

ワークショップ 風景

 

発表

発表

 

 

2日目

講義

「他競技に学ぶ」

天理大学柔道部監督 ロンドン五輪100kg級代表 穴井 隆将氏

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穴井 隆将氏

 ご自身のロンドンオリンピックでの貴重な体験・経験談から、優勝して当たり前な気持ちで挑んだ大会でもあり、現役人生の集大成を賭けた大会でもあった。しかし結果は2回戦敗退、『努力しても無駄』と思い試合後ずっと泣いた、このとき死にたいとも思った。その時の監督は現在タレントの篠原氏であった。現役引退を考え伝えたら監督が「負けたまま終わるな、勝って終われ」の言葉で日本選手権に出場し2回目の優勝を果たされた。しかしこの大会には気合を込めて出場してはいなかった、それが体の力を良い意味で抜リラックスして、相手の動きもよく見えていた、そういった経験を踏まえての講義をしていただきました。

 「夢よりも目標を持つこと、夢を目標に変えてゆく、導いてあげるのが指導者の役目」である、小学生の子供の将来を見据えて、子供は商品ではない、人はいつ花開くかわからない、安全面を最優先して指導者は考えていただきたい。心がけること対話を大事に、人を見て自分の物に習得する力を養う、質問は発問させるように、自分が思っている答えが出るまで質問をする、根気よく粘り強く繰り返し行う「努力することの大切さ、努力を続ける努力が必要、むくわれない努力もあるが自分に取って無駄な努力はない」努力の大切さを訴えていただきました。

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講義風景

 

主催者講評

 2日間開催の2015ラグビースクール指導者セミナーが参加者並びに講師の皆様のおかげで無事、有意義な講習会として終えられたことに感謝申し上げます。

 ラグビースクール・指導者の総合的な資質向上が不可欠であるため底上げを図っていくことを目的として開催いたしました今回のセミナー、長野崇講師には3年連続で講義いただき他競技から学ぶ有意義さ大切さ今回も実感させていただきました。また、柔道の穴井監督には、最終的に努力は無駄で無いことなど自身の体験からの貴重な講演をしていただき、指導者の在るべき姿勢を受講者がそれぞれ実感した。また、ラグビーノート作成では

参加者全員の知恵の結集で完成しました、近いうちにまとめ上げて皆様にお役に立ててもらえるようにと考えておりますので活用していただければ幸いです。

最後に今回の講習会にご尽力いただきました奈良県協会の方々には謝意を述べて終わりといたします。

参加者全員集合写真

参加者全員集合写真