【コラム】関西ラグビー発祥の地「下鴨神社」

下鴨神社の境内にある“糺(ただす)の森”の中に自然石の石碑があり「第一蹴の地」と書かれている。石碑の碑文には「1910年(明治43年)9月、三高生徒が、この地ではじめてラグビー球を蹴る。こうして三高蹴球部が生まれ、日本ラグビー界の輝かしい歴史がはじまった」という内容が刻まれている。当時、日本には慶応義塾に唯一のラグビー部があった。

部員たちは、横浜居留の外国人と練習していた。慶応チームの真島進が、下鴨神社の近くに下宿していた親戚の三高生、堀江宇吉を訪ね、糺の森の馬場で一緒に練習したのが三高蹴球部の始まりとなったと伝えられている。翌年の1911(明治44)年に、慶応と三高が対戦、これが日本人同士の正式なラグビー試合であった。日本のラグビーの起源は,1899(明治33)年に英国人E.B.クラークが慶応大学で指導したことに始まる。

1910(明治43)年、京都大学総合人間学部の前身である旧制第三高等学校に創設されたのが、関西で最初のラグビーチームであった。この碑は旧制三高の蹴球部OBによって、1969(昭和44)年に建立された。

2017年5月10日には、2019ラグビーW杯成功祈願イベントとして「蹴鞠」および「第一蹴の地」の記念碑視察体験が開催されました。
京都・下鴨神社で「蹴鞠」体験と、2019ラグビーW杯成功祈願

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雑太社(さわたしゃ)
一蹴の地記念碑の側に今年5月に再興されたお社「雑太社」がある。この神社には、神魂命(かんたまのみこと)が祀られている。神魂命は、蹴鞠やサッカーの神さん、大伊乃伎命(おほいのきのみこと)という神さんの先祖にあたり、また「魂」は、「球」に通ずるとして信仰されている。ラクビーボールの形の絵馬は、このお社から南方向にある「河合神社」で販売(500円)されており、数多くのラグビー部員、ファンの絵馬が奉納されている。