9月20日(土) JR西日本レイラーズ vs 大阪府警察

レフリー:神村 英理(関西協会)
アシスタントレフリー:尾石 未来(関西協会) / 濵野 拓真(関西協会) / 松岡 実(関西協会)
マッチレポート
トップウェスト開幕 JR西日本が1点差で大阪府警察を下す
9月20日、JAPAN RUGBY トップウェストAリーグが開幕。第1節の天理親里競技場では、昨年6位のJR西日本レイラーズ(以下、JR)と、4連覇を中部電力に阻まれ雪辱を期す昨季3位の大阪府警察ラグビー部(以下、府警)が対戦。昨年は府警がJRを下したが、今年はJRも力を上げてきている。

無風でやや蒸し暑い16時、府警のSO⑩堀田恒司のキックで前半開始。直後に敵陣へ入ったのは府警だったが、ペナルティでチャンスを逃す。するとJRはCTB⑫北野幹のパワフルなランで府警ディフェンスを突破し、府警陣内へ。府警のペナルティが続きTLに迫ると、アドバンテージの中でSO⑩人見太基が右隅へキックパス。競り合いの中、WTB⑭伴井亮太が押さえ込む。キャプテンのCTB⑬山内凌雅がゴールを決め、JRが7-0と先制(10分)。
続く追加点もJR。FL⑦河野秀太郎と再びCTB⑫北野で府警陣内に入りフェーズを重ね、SH⑨多賀慈綺―NO8⑧高本泰伍―FB⑮齊藤瑠海奈とつないでFB⑮齊藤が中央にトライ(14分、CTB⑬山内GK成功、14-0)。
前半中盤までJRが主導権。府警はボールを動かして外でのブレイクを狙うが、JRの激しいディフェンスに遭い、なかなかゲインラインを突破できない。府警がチャンスをつかんだのは、JRのペナルティから。TL5mのラインアウト(以下、LO)からモールで押し込み、さらにFWで近場を突くと、最後はLO⑤篠澤輝が左中間にグラウンディングして14-5(23分、GK不成功)。
JRはすぐに反撃。左中間付近の府警ラックを激しいディフェンスでターンオーバーし、府警陣でフェーズを重ねてFL⑦河野が左中間にトライ、21-5と突き放す(27分、CTB⑬山内GK成功)。しかしリスタートでJRがペナルティを犯し、府警は左TL5mのLOを選択。ファーストトライ同様にFWでこじ開け、FL⑥岡本流星が左中間にトライ、すぐに取り返す(29分、GK不成功、21-10)。
終盤、再びJRが府警のペナルティもあって府警陣で試合を進めると、ロスタイム43分に貴重な追加点。右TL前のLOでHO②東口空良のスローをLO⑤谷俊輝がキャッチし、そのままモールを押し切ってHO②東口が右隅にトライ。26-10として前半終了(GK不成功)。

JRのSO⑩人見のキックで後半再開。最初の得点もJR。WTB⑪亀井郁弥が大きくゲインした後、フェーズを重ねて府警22mライン付近の中央へ。南アフリカがニュージーランド戦で用いた形のようにFWがモールを組むと、そのまま中央へトライ(4分、CTB⑬山内GK成功、33-10)。
その後は府警がペースを握り、JR陣内でLOから3度トライを狙うがミスもあって得点に結びつかない。得点が入ったのは19分。FWを中心に中央をゲインしながらフェーズを重ね、WTB⑪松田信夫からFL⑥岡本へつないでFL⑥岡本が左隅に押さえ込む(GK不成功、33-15)。
終盤は府警のアタックが続く。前半は外へ大きくボールを動かしていたが、後半はそのラインにFWを絡めて中央にJRディフェンスを集めるアタックが機能。29分、SO⑩堀田→WTB㉒川島俊亮→CTB㉓楠本航己と渡り、CTB㉓楠本が左中間にトライ(GK不成功、33-20)。
続く32分、キャプテンのSH⑨廣田瞬が大きくゲインしてJR陣内に入ったラックから、SO⑩堀田の配球にFWが絡み、最後はWTB⑪松田が左隅にトライ。GK不成功ながら33-25と追い上げる。
36分、再び府警。SO⑩堀田からCTB⑫高部勇へ、さらに受け継いだWTB㉒川島が中央にトライ。ようやくGKも決まり33-32と1点差に迫る。ウォーターブレイクもあり、ロスタイムは長め。勢いに乗る府警のアタックが続くが、JRもディフェンスの集中は切らさない。府警はJR陣内で攻め続けるも、最後はパスがつながらずノックフォワード。48分、そのままノーサイド。JRが33-32で昨年の雪辱を果たした。

JRは前半、激しいディフェンスで府警のペナルティを誘い、相手陣で主導権を握って常に先手を取ったことが大きかった。特に接点での激しさは秀逸だった。一方の府警は、後半にアタックの形を変えて反撃し、1点差まで迫ったのはさすが。結果論だが、ゴールキックの精度が惜しまれる。両チームともペナルティが多く、前半は府警が9個、後半はJRが8個で、いずれも得点に影響した。次節へ向け、規律面の修正に期待したい。接点で体を張り続けた、見応えある90分だった。
試合後インタビュー
大阪府警察
大久保洋志監督
まず、今年もトップウェストの開幕を迎えられたことに、協会の皆様、スポンサー企業の皆様に感謝申し上げます。各チームの準備と努力があって、今日という日を迎えられたことを嬉しく思います。
本日の結果は残念でした。負けるべくして負けました。JR西日本さんはハードワークしており、意識も高く、前半から厳しい展開になるだろうと感じていた通りでした。次の試合に向けて、どう立て直すかを持ち帰りたいと思います。
廣田瞬キャプテン
まずは、2025年トップウェストAリーグ開幕に際し、サポートしてくださる皆様、関係者の皆様に感謝します。JR西日本さんが調子が良いと聞いていましたので、僕たちもいつも以上に準備してきました。しかし昨年同様、最初の勢いなどの部分でJR西日本さんに劣っていたと思います。前半で流れをつかまれてしまい、最後まで巻き返すことができませんでした。来週の試合に向けて反省し、準備していきたいと思います。

Q. 前半と後半のスコアが逆になりましたが、ハーフタイムに何か声かけをしましたか。
大久保監督
いいえ、特に声かけはしていません。やっていることは同じで、前半も後半も大きく変わっていません。いわゆる自滅だったと思います。あれだけミスをすると当然勝てません。前半はスコアに結びつかず、後半は内容が良くなったわけではなく、たまたまスコアに結びついただけで、ラグビー自体は変わっていません。精度の低さによるものだと思います。
JR西日本
伊藤雄大ヘッドコーチ
前半はセットプレーからうまく進められたと思いますが、後半は大阪府警察の粘り強いプレー、体の強さ、ランニングの精度の高さに受けてしまったと感じています。そこを反省し、次週に向けて良い準備をして、勝利につなげたいと思います。応援ありがとうございました。
山内凌雅キャプテン
前半は比較的、自分たちのペースで進め、良い点差で折り返せたと思います。後半は大阪府警察さんのアタックやディフェンスに呑まれる場面があり、最後まで自分たちのやりたいラグビーができませんでした。うまくいかない時間も多くありましたが、最後はディフェンスでしっかり止められたのは、これまでの強みです。修正して次戦にさらに活かしたいと思います。

Q. バックローの若手起用は、試合にどのようにコミットしていましたか。
伊藤ヘッドコーチ
年齢は若いですが、熱いエナジーを持ってやってくれています。No.8の高木はバイスキャプテンとしてチームの先頭に立ち、特にフォワードのブレイクダウンやメンタル面でチームを引っ張ってくれています。若い選手たちが闘志むき出しで戦ってくれたことは、今日の試合でも良かった点です。
フォトギャラリー
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