ラグビースクール指導者セミナー実施レポート

関西ラグビーフットボール協会普及育成委員会

 概要:2019RWC日本開催にむけたJRFU戦略計画におけるターゲットとして競技人口、ファンの増加を実現するためには小学生の競技者増とそれを取り巻く周辺の関係者の協力なくしては実現しない、この課題に向けての過去4回の講習会では、ラグビースクールの運営にあたるマネージャー的な立場の方を対象に開催して一定の効果を見た、その中で「女子力の活用」をテーマに各スクールがいかに現場で活動するかが今後の課題として浮き彫りとなった、そこで今回からは現場の指導者を対象に指導の現場での取り組みについて、この課題に関して、考察しかつ意識共有をはかりラグビースクールの更なる活性化を目指すものとする。

1、 名称  ラグビースクール指導者講習会
2、 主催  関西ラグビーフットボール協会
3、 主管  関西ラグビーフットボール協会普及育成委員会、奈良県ラグビーフットボール協会
4、 後援  和光ハウジング株式会社 ガーデンピア21
5、 期日  平成27年2月7日(土)~8日(日)
6、 場所  7日講義:天理教第38母屋(天理市豊井町500) 8日実技:天理親里競技場(天理市杣之内町)
7、 参加者  36名

講義「指導現場でのプログラムサービス」山道信之氏

受講者各位が所属するスクール(クラブ)でのミッション(経営理念・使命)を考えることからはじめ、そしてビジョン(到達点)を設定し、それを達成するための方策を模索する作業をグループで討議し、発表する形で進められた。
キーになるのは各スクールの周辺での資源は何があるのか?そしてそれをどのように活用するのかという手法である。

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実技1「ジュニア期におけるコーディネーショントレーニング」長野 崇氏
コーディネーション能力を「自分の体の動きを上手にコーディネートしたり、状況の変化に応じながらその時々で最適な体の動きを創り出すこと」と定義するなら、コンタクトを前提としたラグビー競技での独特な能力が養われなくてはならない、それが怪我や障害の予防にもつながるはずであり、その能力開発の一環として、主動筋を鍛えるのではなく、体幹と四肢の安定性を高めるフィジカル・コンディションをふまえた最新のトレーニングメソッドであるスタビライゼーショントレーニングを取り入れたメニューを紹介いただいた。
これにより筋バランスの調整、関節の安定性向上、イメージと動作の差異の調整などが期待できるというものである。

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実技2「コーディネーションから実践トレーニンへの発展」(金 信男氏)

ジュニア期の子供たちにとって楽しく、安全なラグビーとは何か?「立ってプレーしボールを素早く大きく動かすことである」という発想から、午前の実技の体幹を使った実践的なメニューを紹介いただいた。
倒れないことで怪我の発生頻度を低減することができ、体をしっかり使って、スピードをつけてボール操作することでボールがダイナミックに動くし、相手デフェンスからのターゲットにされない動きなどをわかりやすく解説していただき講者自らプレーし体感してもらった。

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主催者講評

指導者の資質向上とは単に練習メニューの引き出しを増やすことではない、特にジュニア期の子供たちを指導する現場にいるコーチは、ただラグビーのプレーを指導するだけでは充分とは言えない、まずラグビーをする準備をしっかりと子供たちに身に着けさせ、そしてラグビーの楽しさを伝える、そしてコーチ個々がラグビースクール(あるいはクラブ)のマネージャーとしての能力も兼ね備えたうえで、指導力とマネジメント力を自転車の両輪のように動かしてチームを引っ張っていかねばならないと痛感した、試合の勝ち負けはその次である、ラグビーの価値を高めるためにはそういったコーチの資質向上が不可欠である。
今回から協会の補助金は使わずに受講者の参加費のみで開催した、受講者の方のご負担を考えると非常に心苦しいものであったが、逆に普及育成委員も身を引き締めて準備をして臨んだ、また講師の先生方にもこの話をしたうえで講義をしていただき、受講者、講師、委員全員がいい緊張感をもって2日間を過ごせたと実感した。
また閉講式の際に、「次回も受講者負担でこのようなセミナーを開催した場合に参加していただけるか?」とお聞きしたら、ありがたいことに多数の賛同をいただいた。
最後にこのセミナーの趣旨に賛同いただき、協賛いただいた、和光ハウジング株式会社 ガーデンピア21様、ならびに当日のお世話をいただいた奈良県協会様に謝意を述べます。

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