トップリーグ 第8節
リコー VS. 東芝
2016年10月23日(日) 14:00キックオフ グラウンド:コカ・ウエスト広島 | ||||
リコー | 東芝 | |||
33 | FULL TIME | 28 | ||
12 | 前半 | 7 | ||
21 | 後半 | 21 | ||
勝点 4 |
詳細 (TL公式) |
勝点 1 |
マッチレポート
プロ野球の日本シリーズ開催で盛り上がる広島の街。その熱気にも負けない楕円球を巡る熱い戦が、コカウエスト広島スタジアムに詰めかけた3000人のラグビーファンを魅了した。
前半10分まではリコーが攻め込み、東芝陣内での攻防となった。その後大きく陣地を挽回した東芝だったが、リコー11番小松大祐に一瞬のスキをつかれてインターセプトされ、そのまま70mを独走され先制トライを奪われた。リコーは20分にも相手22m内のモールから、スピードに乗って縦に入ってきた8番松橋周平がパスをもらうとそのまま一気にトライ。
東芝はそれ以降、相手陣内で試合を進める。リコーが自陣で再三にわたり反則を犯し、PKを得るたびにタッチへ蹴りだしラインアウトから得意のモールで押し込もうとする東芝だったが、あと一歩のところでリコーのディフェンスに阻まれ得点できないという場面が続いた。
30分にはリコー6番マイケルブロードハーストがシンビンによる一時退場となる。
前半終了間際、東芝は自陣22mでの相手ラインアウトのボールをもぎ取ると、そこから右へ左へと展開し、繋いで繋いでリコーゴール前へと迫る。最後は14番コーリージェーンが右隅にトライ。難しい角度からのゴールキックを9番小川高廣がきっちり決めて1トライ差で前半を折り返した。
後半7分、東芝は相手22m内でスクラムを得ると、10m押し込みディフェンスを下げたところでSHが左サイドにもぐり、6番リーチマイケルに繋いでゴール下に同点トライ。ゴール成功で逆転した。10分には風上の利を生かして東芝が自陣10m中央で得たPKからロングキック。相手22m内でのラインアウトからモールを作り、20mドライブしてそのままトライ。(ゴール成功)
リコーは後半から入った23番アマナキ・ロトアヘアにボールを集め、当たり負けしない突破力で大きくゲイン。東芝ゴールまで迫ると、相手のパスミスからインゴールにこぼれたボールを敵味方が入り乱れて押さえにかかる。微妙なプレーにTMOとなったが、リコーのトライと判定され2点差となった。
24分、東芝はPKから相手22m内でラインアウトを得ると、今度はバックスに展開。リコーディフェンスのギャップをついて11番大島脩平がトライして(ゴール成功)再度突き放す。
30分過ぎ、リコーはフェイズを重ね相手ゴール前まで攻め込むもミスを犯し、東芝のスクラムに。東芝はしっかりスクラムを組んでタッチに逃げたいところだったがコラプシングの痛い反則。リコーは速攻から23番アマナキ・ロトアヘアのトライで再び2点差。
試合時間残り3分。キックオフを自陣深く蹴りこまれたリコーは、そこからボール保持し続けて粘り強くフェイズを重ね、ジワジワと東芝陣内に攻め込む。残り1分を切って8番松橋周平が逆転のトライ。劇的な幕切れとなった。リコーは2試合続けての逆転勝利。マン・オブ・ザ・マッチはリコーの松橋周平選手が選ばれた。
記者会見ダイジェスト
東芝ブレイブルーパス
冨岡鉄平監督
「選手もスタッフもいい準備をして臨めたと思うが、力がないから勝てないんでしょうね。すべては自分たちが招いたこととして結果を受け止めたい。プライドを持って次戦に向けて準備していくだけ。体とメンタルを整えて次に備えたい。まだまだリーグ戦は続くので、あきらめてはいない。」
森田佳寿キャプテン
「前節の敗戦とは違う。苦しい前半を耐えて、後半に手応えを感じた試合だった。自分たちがやっている方向性に間違いはないので、コツコツやっていくだけ。ベストを出せる準備をしていきたい。」
―連携がうまくいかず、チャンスにミスもあったが。
冨岡監督
「スキル的な問題ではなく、精神的な焦り。大事なところでちょっとしたミスが繋がってしまう。目の前の1プレー1プレーの積み重ねのトータルが勝敗の結果になる。目の前のプレーにどれだけ集中できるか。ただ良いプレーも見られたので、そこは自信を持っていきたい。」
リコーブラックラムズ
神鳥裕之監督
「地方開催にもかかわらず、たくさんのファンの方に来ていただき、本当に感謝している。トップレベルのフィジカルを持つ東芝さんにフィジカルバトルで勝とうとして勝てた。選手を誇りに思う。4勝4敗のタイになったので、次戦で勝ち越して前半戦を折り返したい。」
馬渕武史キャプテン
「率直に言って嬉しい。前半テンポが出せなかったが、後半から入ったメンバーが流れを変えてくれた。このままのいい流れで前半戦を終えたい。」
―フィジカルバトルと言われたが、実感はどのあたりに。
馬淵キャプテン
「後半から勢いがついたと思う。最後はベンチで見ていたが、必ずやってくれると信じていた。」
―松橋選手の良さは。
神鳥監督
「トレーニングも見てきたが間違いなくアタックのボールキャリーは伸びたと思う。ボールキャリーの強さはトップリーグの中でもトップレベルだと思う。まだまだ発展途上なので海外での試合を経験してさらに上を目指してほしい。」
―今日の試合でフランコ・モスコート選手を起用したが、いつごろ決断したのか。
神鳥監督
「2週間前に来日して、前節はラインアウトなどのコンビネーションの問題もあり様子見だった。今日の東芝戦をターゲットに起用しようと考えていた。ラインアウトの立役者となったと思う。期待通りの活躍をしてくれた。」
(文責:広島県協会 西原利典)