神戸製鋼 VS. 豊田自動織機
2016年10月1日(土) 14:00キックオフ グラウンド:万博記念競技場 | ||||
神戸製鋼 | 豊田自動織機 | |||
41 | FULL TIME | 5 | ||
24 | 前半 | 0 | ||
17 | 後半 | 5 | ||
勝点 5 |
詳細 (TL公式) |
勝点 0 |
マッチレポート
ジャパンラグビートップリーグ2016-2017は第5節、序盤戦を終えて順位争いでも上位と下位がそろそろ明らかになりつつある。上位チームは下位に星を取りこぼさないよう、下位チームも何とか上位に食らいつけるよう、リーグ戦方式のみで行われる今シーズンは各チームにとっても重要なゲームが続く。
3勝1敗で3位をキープしている神戸製鋼コベルコスティーラーズと4連敗で勝点2と14位に低迷する豊田自動織機シャトルズの一戦は、秋雨の合間の万博記念競技場に3000人を超すファンを迎え、神戸製鋼のキックオフで開始された。
前半6分、ここまで神戸製鋼陣に果敢に攻め込むものの、なかなか得点には至らなかった豊田自動織機に先制のチャンスが訪れる。ゴール前15m左中間、神戸製鋼のハンドで得たPGをSO10番マーク・ジェラードが慎重に狙うが、惜しくもゴールポストを逸れ先制のチャンスを逃す。
逆に神戸製鋼は直後の7分、自陣10mL付近のこぼれ球を足にかけたFB15番コディ・レイがそのまま左隅に抑えてトライ。5-0とあっさり先制した。
さらに10分、10mL右中間でラインブレイクしたSO10番イーリ ニコラスが、キックも交えて右中間にトライを挙げ10-0とした。その後も神戸製鋼は攻撃の手を緩めずやや一方的な展開に。
14分に右LO5番張碩煥、24分には左WTB11番山下楽平がトライを挙げ24-0とした。豊田自動織機も接点では健闘してFW陣が着実にボールはキープするが、時折BK展開しても神戸製鋼のDF網に阻まれて、ほとんどゲインができない前半であった。
後半に入っても神戸製鋼ペース。強力FWが着実にボールを支配し、12分24分にFB15番レイ、左WTB11番山下楽がそれぞれこの日2本目のトライを挙げ一方的な展開となった。
対する豊田自動織機もようやく後半32分、ゴール前5m左中間付近のラックからFWラッシュを、堅実にフォローしたキャプテン右FL7番高田裕雅がトライを返し、意地を見せるが時すでに遅し。神戸製鋼が豊富な運動量を誇るバックローを中心としたFW陣と、タレントにあふれ決定力のあるバックスリーの活躍で、41-5と豊田自動織機に圧勝して勝点5を挙げた。
豊田自動織機は今後、上位チームとの戦いが続くが、外国人選手を含めたメンバー構成と基本プレイの精度向上が鍵となる。
神戸製鋼は3連勝で3位、こちらも終盤の上位対決に向けてさらに落とせない戦いが続く。
マン・オブ・ザ・マッチはキャプテン右FL7番橋本大輝と共にFW陣を牽引し、自らも1トライを挙げた左FL6番張碩煥に贈られた。
記者会見ダイジェスト
豊田自動織機シャトルズ
丹生雅也監督
神戸製鋼に対してチャレンジャーとして試合に臨んだ。早いポジショニングによりゲインラインを意識してアタックし続け、チャレンジしようと挑んだが、神戸製鋼のディフェンスを切り崩すことができなかった。逆に我々のミスから攻め込まれたゲームだった。これから対戦する強いチームには、ゲインラインを意識するなどシンプルな部分を修正して臨みたい。良いアタックもできているので、今後の試合に生かしていきたい。
高田裕雅キャプテン
今週から上位チームと当たるので、先週一週間良い準備をしてきたが、神戸製鋼に一方的なスコアでやられてしまった。ディフェンスでもアタックでも格上のチームとの対戦では「絶対に受けてはいけない」とハーフタイムでも確認したが、結局自分たちのミスで自滅してしまった。来週は底力のあるキヤノン相手なのでまた切り替えて、ベーシックな部分を整えることを目標に一週間過ごしたい。
―前回まで惜しい試合が続いていたが、この2週間はどのような点に重点を置いてきたのか?
丹生監督
アタックでもディフェンスでもウチの形をしっかり出せるように、ポジショニングの精度を上げることに重点を置いた。ベーシックなところでミスが起きているので、そこも意識して取り組んできた。しかし結果はまだまだだった。
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
ジム・マッケイヘッドコーチ
勝てたこと、やるべき仕事がキッチリできた点は良かった。パフォーマンス自体は我々のベストではなく修正する点も多かったが、とにかく勝てたことは良かった。豊田自動織機は流れていくフェーズできちんと我慢強くディフェンスの出来るチームなので、こちらの意図した形ではないトライもいくつかはあった。そういった相手に対し、試合途中で投入した選手たちもきっちり良い仕事をして勝ち切ってくれた。
橋本大輝キャプテン
パフォーマンス自体はやはり良くなくラッキーなトライもあったので、トヨタ自動車戦に比べるとパフォーマンスのレベルは下がってしまった。ただし勝つことが我々の仕事なのでそれを達成できたことは良かった。
―ヘッドコーチは以前から試合の中で精度を高めていくとおっっしゃっていたが、今日のゲームでその収穫と課題は?
マッケイヘッドコーチ
チャンスをたくさん作れていたことは収穫の一つである。課題はチャンスを高い確率できっちりフィニッシュまで持っていくこと。これに対しては特別なことをしているわけではなく、ただベーシックなことを積み重ねているだけである。現状ではチャンスは作ることができているが、シーズンが深まるうちにチャンスはより少なくなってくるので、限られたチャンスをしっかりものにしていかなければならない。
(記事:石川 悟、丸井康充)