11月30日(日) 京都産業大学 vs 天理大学

レフリー:大澤 昂平(日本協会)
アシスタントレフリー:南藤 辰馬(関西協会) / 西本 武史(関西協会) / 嵯峨 慶二(関西協会)
| 京都産業大学 | 天理大学 | |||
| 15 | FULL TIME | 47 | ||
| 8 | 前半 | 21 | ||
| 7 | 後半 | 26 | ||
| 勝点 0-5 詳細(PDF) |
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▶天理大学 6 アリスター・サウララ
マッチレポート
晩秋にしては比較的穏やかな気候で、快晴微風の花園ラグビー場。
2年連続優勝を狙う天理と2年ぶりの王座奪還を目指す京都産業。全勝での対戦は京都産業の先蹴で試合開始。
スクラムの攻防で両校一進一退を繰り返す序盤、緊張をほぐすかのごとく天理は左右に連続展開を試み、激しいブレイクダウンを繰り返すと、最後はラックサイドを抜けたSH9朝倉達弥がポスト下に先制T。SO10上ノ坊駿介がGを決め0-7と開始5分で天理がリードする。
スクラムを起点にプレッシャーをかけながら激しいブレイクダウンを仕掛ける京都産業に対し、前に出る鋭いタックルで挑む天理。11分天理DFのわずかなスキを突き、京都産業FL6平野龍のラインブレイクからNO.8シオネ・ポルテレがポスト下にT。SH9高木城治のGで同点と誰しも思った瞬間、天理WTB14平松麟太郎が猛然とチャージダウンし5-7となる。
このプレーで勢いづいた天理は14分FL6アリスター・サウララのT。Gも成功で5-14と突き放すと、天理の連続攻撃に対し我慢の京都産業の構図が続く。
20分には京都産業TL前で相手ボールスクラムを崩し反則を犯した京都産業に対し、モールを押し切れないと見るや、すぐBKに展開した天理はFL6サウララが左中間にT。G成功で5-21とリードを広げる。
ブレイクダウンで一歩差し込まれ、セットプレーでもミスが目立つ京都産業だったが、相手ボールスクラムをターンオーバーするシーンでは、やはりスクラムからリズムを創り出す‘個性’を垣間見る。
28分自陣10m付近で天理が犯したハイタックルから、流れを変えるべくPGを選択の京都産業。SH9高木がロングキックを難なく決め8-21。
勢いづいた京都産業は30分過ぎからBKでアタックを試みると、天理のタックルもやや甘くなり敵陣TLに何度も迫る。自陣ゴール前からSO10上ノ坊をCTBに置いて、インゴールから敢然とアタックを試みる天理に対し、タックルを受けながらも、僅かなスペースをつなぎTLに迫る京都産業。雌雄を決する舞台にふさわしい攻防を繰り広げながらも、前半は8-21の天理リードで終える。
後半最初のスコアは天理。43分敵陣ゴール前LOからモールを押し込み、HO2稲嶺翔太が右中間にT。G成功で8-28とする。
京都産業はラインブレイクを図るも天理の分厚いDFに阻まれチャンスをつかめず、TL前でのモールも押し切れず、流れを失っていく。
DFから勢いをとり戻した天理は57分、敵陣22mで京都産業スクラムのコラプシング、タッチキックでつかんだ敵陣TL前LOから、連続のブレイクダウンで前進し最後は11WTBフコフカ・ルカスのT。Gも成功し8-35と勝負を決定づける。
70分京都産業が敵陣TL前で連続攻撃を仕掛けるも、パスミスから天理がWTB14平松が一気のカウンター。最後はSO10上ノ坊のキックパスをFL6サウララが収め切り右中間にT。G不成功も8-40。
75分左展開から京都産業WTB11ナブラギ・エロニが一矢を報いるT(G成功15-40)も、タイムアップ直前、京都産業の左展開を狙いすました天理SO10上ノ坊がインターセプトそのまま70m近くを疾走しT。自らGも決め15-47でリーグ戦を優勝で締め括った。
試合後の記者会見では、勝者は喜びもそこそこに相手を慮り、敗者は現実を涙ながらに受けとめた。持てる力を尽くしての闘いを繰り広げた両校だからこその風景、来たる大学選手権では両校と関西学院には、ただ健闘を期待するのみである。(廣島 治)
会見レポート
京都産業大学
廣瀬佳司 監督
5戦全勝で迎えた決勝戦ということで、しっかり準備して臨んだつもりでした。天理はすごくデフェンスの良いチームなので、何とか天理のデフェンスの壁を突破したいと思っていたが、最後までデフェンスを突破することができずに完敗というかたちになってしまいました。ただ、学生は最後までしっかりと戦ってくれて非常に嬉しかったです。下を向いている暇はありませんので、もう一度挑戦者のマインドで(チームを立て直して)大学選手権に臨んでまいりたいと思います。今シーズンを振り返って本当に苦しい試合が多かったが、天理(戦前)まで全勝で勝ち進んでくれた学生たちを誇りに思い感謝しております。
伊藤森心 キャプテン
天理大学さんの纏まったデフェンスというか、セットプレーなどでプレッシャーを受けてこのようなスコアになってしまったかなと思っています。
Q.大学選手権に向けては?
伊藤 キャプテン
今はあまり先のことは考えられなくて‥。僕の責任でチームが負けてしまったので‥。僕の責任だと思います。まだ、選手権のことは考えられていないです。
廣瀬 監督
関西リーグは苦しかった戦いが多かったが、しっかり勝ち切ってくれた。伊藤(キャプテン)と吉本(バイスキャプテン)の強いリーダーシップのもと苦しい試合も纏まって戦ってくれた。関西リーグを振り返って(そこは)強みだと思っています。選手権に向けても大きな変更はなく、われわれが拘ってきたものをしっかりとやり切ることが一番大切だと思うし、それが強いチームだと思っています。私たちらしくアイデンティティを大切にして(キャプテン以下結束して)臨んで行けば良い結果が得られると信じてやっていきたいと思います。
天理大学
小松節夫 監督
今年は6月に不祥事を起こしてシーズンを戦えるのかと不安の中、何とかみなさまのご協力をいただきリーグ戦に参加することができ、まずはラグビーができる喜びというか、リーグ戦に参加させてもらえるだけでもありがたいという中でチャレンジャーとして戦おうということで7試合戦い切ることができました。結果的には(最高のかたちで)優勝することはできましたが、まずは選手たちが最後までデフェンスで体を張ってやってくれたということが一番うれしいですし、本当にやり切ったなという感じがいたします。選手権では、さらに一段成長していきたいと思っています。
上ノ坊駿介 キャプテン
(監督のコメント同様)いろいろな方のサポートのお陰でリーグ戦に参加させてもらえ、一試合一試合をフォーカスして天理のラグビーをしていこうと話し合って開幕戦からスタートしました。今年のチームはデフェンスの部分で凄く良いものを持っていると思っていて、今日のゲームでも粘り強いデフェンスを発揮してくれ、相手のアタックを押さえることができました。後半、スコアが開き少し悪い流れの時もあったが、最後にトライを獲れてリーグ戦の最後を締めくくることができて嬉しく思います。
Q.デフェンスもさることながら、アタックの評価は?
小松 監督
リーグ戦を戦う中で(試合ごとに)アタックの精度も上がってきたのかなと思っています。特に9番(SH)10番(SO)のところでゲームを上手く組み立ててくれて(攻撃の)オプションも少しずつ増えてきているので。デフェンスを中心にゲームを作っているが、その中で少しずつアタックも良くなってきているかなという印象を持っています。
Q.大学選手権優勝に向けての想いを聞かせてほしい
上ノ坊 キャプテン
大学ラグビーは関東の方が上というか、関東の方が注目されているようですが、関西も負けていないぞというプライドもありますし、関西1位というプライドをもって、チャレンジャーの気持ちをもって、引かずに天理のラグビーを(関東に)見せつけたいと思います。















