11月14日(土) 第1節 NTTドコモ 23-19 コカ・コーラ

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11月14日(土) 第1節 NTTドコモ 対 コカ・コーラ

2015年11月14日(土) 12:00キックオフ グラウンド:東大阪市花園ラグビー場
レフリー:戸田京介 (日本協会A)
アシスタントレフリー:小川朋弘 / 吉浦忠孝 / 船岡克広
NTTドコモ
レッドハリケーンズ
コカ・コーラ
レッドスパークス
23 FULL TIME 19
13 前半 7
10 後半 12
 勝点
4
詳細(TL公式)  勝点
1

マッチサマリー

トップリーグ2015-2016リーグ戦がいよいよ関西でも開幕。オープニングゲームは聖地・東大阪市花園ラグビー場でのグループB、地元の雄NTTドコモとコカ・コーラとの一戦となった。プレシーズンリーグでは、ドコモが各プールの2位チームによるプレートトーナメントで優勝。

コカ・コーラは4位チームによるシールドトーナメントで3位となった。昨年度この両チームの対戦は1stステージではドコモをノートライに抑えたコカ・コーラが15-9と逆転勝ち、2ndステージでは6トライを挙げたドコモが41-5とコカ・コーラを圧倒し、星を分け合っている。今シーズン、ドコモは日本代表にとって「因縁」の南アフリカ代表、LOエベン・エツベスとSOハンドレ・ポラードの2選手を獲得、さらにプレシーズンリーグの好調さを維持して上位進出を狙う。一方のコカ・コーラも九州勢の意地を見せて、虎視眈々と上位をうかがう。RWC2015の歓喜に続き、トップリーグ開幕を待ち望んだ7000人近い大観衆の見守る中、コカ・コーラSO福田哲也のキックオフで試合の幕が開けられた。

前半、先手を取ったのはドコモ。3分のコカ・コーラのオフサイドによるゴール前10m左中間のPGをSO佐藤善仁が決めて3-0と先制した。一方のコカ・コーラは15分、22ml付近のドコモのこぼれ球を拾ったCTBティム・ベイトマンが抜け出し、パスを受けたSH香月武がポスト左に押さえた。SO福田のゴールも決まり3-7と一旦は逆転したコカ・コーラだったが、これ以降は一方的なドコモペースとなる。直後の19分、連続攻撃で確保した22ml左中間付近のラックからNo8イオンギ譲がショートサイドを突き、最後は左WTB茂野洸気が左中間に抑えて再逆転。35分にも自陣10ml付近のコカ・コーラボールのラインアウトをスティールしたドコモがワイドに右に展開、CTBパエア・ミフィポセチが外に大きくラインブレイクした後、フォローしたゲームキャプテンWTB渡辺義己が右隅に押さえて13-7とした。コカ・コーラはその後得た少ないチャンスもものにできずに前半を終えた。

後半も開始早々、ドコモの追加点で幕を開ける。PKを挟んだ連続攻撃で相手ゴールに迫ると、最後はゴール直前中央付近のラックから再びCTBミフィポセチがパワープレイでポスト左にトライ、SO佐藤のゴールも決まり20-7と得点差を拡げた。そして11分、いよいよドコモのLOエベン・エツベスとSOハンドレ・ポラードが入替で登場すると、場内の興奮が一気に高まる。LOエツベスの高いラインアウトキャッチと力感あふれる攻守、SOポラードも18分に22ml付近のPGを難なく決める。一方のコカ・コーラも13分、31分にトライを挙げるが時すでに遅し。ドコモが23-19と辛くも開幕戦をものにした。

ドコモは得点では終始リードしたが、細かなミスや反則でペースを掴めなかった。強力な新戦力を一日も早く機能させて、チーム力全体をアップさせたい。一方のコカ・コーラもセットプレイを中心に精度アップを図らなければ、上位チーム相手の苦戦は否めない。マン・オブ・ザ・マッチは再三のパワープレイでアタックの中心となったNTTドコモCTBパエア ミフィポセチに贈られた。また、7‘sでリオ・オリンピック出場権を獲得したメンバーの一員コカ・コーラLO桑水流裕策に記念の花束が贈られた。

(記事:石川悟、丸井康充)

会見ダイジェスト

コカ・コーラレッドスパークス 臼井章広監督
われわれは福岡を拠点にしているので、この大阪で多くのレッドスパークスファンの皆さんにお越しいただいたことに感謝する。試合には負けてしまったが、80分通して攻める姿勢をお見せすることができた。ただ残念なことに要所要所でミスが出てしまったことが敗因である。これを修正して次は必ず勝ちたいと思う。

山下昂大キャプテン
心配していた雨も上がり、われわれのラグビーをするには絶好のコンディションではあったが、前半特に敵陣ゴール前に迫りながらのミスを繰り返し、やはり取り切るときに取り切れなかったことがこのような結果になった。ここ3年間、開幕戦では良い結果が出ていたのだが、次のトヨタ戦では雪辱を果たしたい。

―監督としての初めての試合ということで、緊張感などはなかったか?

臼井章広監督
もちろん監督経験としては初めてのことですが、特に緊張することなく選手と一緒に80分間戦い切ろうということに集中することができた。

―監督が代わってまだ2週間ということのチームへの影響はなかったか?

臼井章広監督
最初は体制が変わるということに戸惑いはあったが、すぐにシーズンが始まる状況だったので特に迷っている暇もなく、切り替えはスムーズにできた。

山下昂大キャプテン
選手としてはやること自体は変わらず、グラウンドでパフォーマンスを出すだけで変わりはない。

―キャプテンとしてチームに伝えてきたことは?

山下昂大キャプテン
自分のキャラクターとしては周りが支えてくれて、監督の変わった混乱や戸惑いなくゲームに集中できるように選手とコミュニケーションをとることに努めている。

―外国人選手の補強を図ったNTTドコモへの対策はどう講じてきたか?

臼井章広監督
NTTドコモにはペネトレータが多くいることはわかっており、そこを起点としてゴールに迫るチームという印象を持っていた。われわれは一人一人がしっかりタックルすることで、どこかできちんとボールを奪い返すことを念頭に置いていた。アタックに関してはいつもどおりボールを早く動かすことができれば、外にスペースができると信じていた。80分を通してできなかった点もあったが、その成果については満足している。

山下昂大キャプテン
NTTドコモはアタック・ディフェンス共に勢いに乗って前に出てくるチームなので、そこに対してどう対処するかは想定していた。また外国人のインパクトプレイヤーに対してプレッシャーをかけ続けることを意識していた。

NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖正博監督
ホームの大阪ということで多くのファンに来ていただき、良い環境の中で開幕が迎えられたことに感謝する。内容はともあれ初戦に勝利できたことをうれしく思う。今回出た課題を次のキヤノン戦までにきちんと修正して行きたいと思う」

渡辺義己ゲームキャプテン
勝てたことにほっとしている。開幕戦ということで緊張感からボールが手につかない局面もあったが、勝ち切れたことは良かった。この勢いを持って、次戦以降に臨みたい。

―後半11分という早い時点でエツベス、ポラードを投入した意図は?

下沖正博監督
前半からボールキープはできていたが、ハンドリングエラーやペナルティで自分たちのアタックのテンポが作れないでいた。修正をして後半早々にトライをとれ、その後メンバーを変えてテンポを上げていきたいと考えていた。ただそこでもエラーが発生して、あまり二人も機能していなかった。合流して間もないことは言い訳にはできないので、次のゲームまでにしっかり修正して行く。

―エツベス、ポラード二人のコンディションは?

下沖正博監督
時差ボケも解消しコンディションが良いということで、今回リザーブに起用した。全体練習として合わせる時間は非常に限られていたが、彼ら自身から積極的にコミュニケーションを図り、チーム戦術も理解に努めてくれている。早い時期から合流しているハインリッヒ・ブルソーが中心となって南アフリカ勢とコミュニケーションを図ってくれている。

(記事:石川悟、丸井康充)

フォトギャラリー

2015年11月14日(土) NTTドコモ対コカ・コーラ ■撮影:山口勝一