11月29日(土) 2nd・第1節 神戸製鋼 20−30 東芝

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11月29日(土) 2nd・第1節 神戸製鋼 20−30 東芝

2014年11月29日(土) 14:05キックオフ グラウンド:近鉄花園
レフリー:久保修平 (日本協会A)
アシスタントレフリー:橋元教明 / 落田佳宏 / 實野隆一
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ
東芝
ブレイブルーパス
20 FULL TIME 30
5 前半 13
15 後半 17
 勝点
0
詳細(TL公式)  勝点
4

◎レポート
1ヶ月間のウインドウマンスを終えてトップリーグ2014-2015の2ndステージが開幕。強固なディフェンスを武器に1stステージ唯一の全勝でプールBを制した神戸製鋼と、プールAで強豪パナソニックに土をつけたものの2位に甘んじた東芝との上位同士の対決は、直前の荒天から一転した晩秋の日差しの下、花園ラグビー場に5,000人を超す観衆を迎えて東芝のキックオフで開始された。

先制したのは東芝。前半7分、この日優位に立ったスクラムを武器に神戸製鋼のコラプシングを誘い、SH9番小川高廣がゴール前20mポスト右のPGを確実に決めた(0-3)。さらに14分にもゴール正面10mライン付近のPGも小川が決めて0-6とリードを拡げた。神戸製鋼も直後のキックオフ、逆サイドにあげたキックをCTB13番ジャック・フーリーが競り勝ち、こぼれ球を足にかけたWTB14番山下楽平が自ら右隅に押さえて5-6と反撃を開始した。

しかし、東芝もスクラム、モールで執拗に神戸製鋼FWにプレッシャーをかける。神戸製鋼にチーム・コーションが告げられた直後の24分、連続して神戸製鋼が犯したコラプシングの結果、東芝にペナルティートライが与えられた(5-13)。神戸製鋼は、31分にも反則の繰り返しでLO5番アンドリース・ベッカーがシンビンを告げられるなど、前半だけで12個の反則を犯し、自滅した形となった。

後半も先制したのは東芝。2分に小川がPGを決めて5-16とリードを拡げた。これに対し、前半終了間際にHO16番木津武士とPR18番山下裕史の日本代表フロントローを投入してスクラムを安定させた神戸製鋼は、8分にCTB12番田邊秀樹がPGを返し(8-16)、さらに14分、25分にはゴール前のラインアウトモールを押し込む1stステージで見せた得意の形で20-16と一旦は逆転に成功した。しかしこの日の東芝は粘り強く、29分にゴール直前の右中間ラックから出たボールをSO10番廣瀬俊朗がインゴール左にキックパスを上げ、競り勝ったCTB13番仙波智裕が押さえ、WTB11番大島修平のゴールも決まり20-23と再逆転した。さらにFW・BKが一体となった東芝得意の攻撃で神戸製鋼ゴールに迫り、最後はFL6番スティーブン・ベイツがポスト下に押さえて20-30と勝負を決定づけた。

東芝はゲーム序盤スクラムで神戸製鋼を圧倒し、中盤から終盤にかけてはお家芸の連続攻撃で神戸製鋼に今シーズン初の土をつけた。一方の神戸製鋼は自陣での反則で自滅し、後半は接点で競り負けるなど最後まで自らのペースをつかむことができなかった。上位同士の対戦が続く2ndステージの序盤戦、ウインドウマンスの空白期間からいち早くチームの形を取り戻すことが各チームに求められるキー・ファクターであると言えよう。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は逆転トライをお膳立てしてチームをまとめ上げた東芝の司令塔、SO10番廣瀬俊朗に贈られた。

(会見ダイジェスト)
*神戸製鋼コベルコスティーラーズ ギャリー・ゴールドヘッドコーチ
東芝はフィジカル面で強いチーム、前半は強い向かい風、後半はまったく風がない状況だったりと、今日はうちにとってすべてアゲインストな展開になってしまった。こちらとしてもミスをしてはいけないところでミスをしてしまった、また前半はペナルティーの数が12個に対し相手は2個という状況でよく5-13としのいだと思う。そこから後半はリードするところまで立ち直ってチームがリセットできたことはよかったと思う、しかし、そこで維持できなかったことは残念だ。

橋本大輝キャプテン
前半は「あの風の中でよくあのスコアで折り返せたな」と思っている、後半は一時リードするところまでいったが、ミスが多く、規律を守れずにテリトリーを奪われたことで神戸のラグビーが継続できなかった。

・ジャパンの選手の投入時間は予定通りだったのか?
ギャリーヘッドコーチ:前半24分にペナルティートライを取られて、あれ 以上傷口を広げたくなかった、どうしても投入せざるを得ない状況だった。はじめはハーフタイムくらいにと考えていた。

・ウインドウマンスでどのようなところを意識して調整してきたのか?
ギャリーヘッドコーチ:アタックのところをフォーカスしたが、今日の前半はほとんど自陣でのゲームだったのでそれを出す機会がなかった。

・マカパイトロ・パスカの退団はチームにとってどんな影響を及ぼしたの  か?
ギャリーヘッドコーチ:ラグビーだけ考えればチームにとってはボールキャリアとして有効な選手で大きなロスだが、我々はプロとしてプレーヤーとしてやるべきことをやるだけだ。

*東芝ブレイブルーパス 冨岡鉄平ヘッドコーチ
後半節が始まって、両チームに言えることだが、ジャパン組がタイトなスケジュールで帰ってきたにもかかわらずパフフォーマンスを落とすことなくゲームを盛り上げてくれたことに感謝している。試合のほうに関してはいい準備ができたと思っている、今後は連続して試合があるが、対戦相手の順番に関係なく一戦一戦に対し心身ともにしっかり準備して勝利することで東芝にいいエナジーが生まれると思う。

大島脩平ゲームキャプテン
いい準備ができたウインドウマンスだった、7試合の中の1試合と考えずに目の前の試合に準備してきたことを出し惜しみなく発揮できた、今日の勝利で波に乗れる。これからも残りの試合を一切考えずにしっかり準備してやっていく。

・代表勢を迷わずスタメンに使ったのは?
冨岡ヘッドコーチ:ジャパンと東芝との間で選手の体力やコンディション調 整の部分でいいコミュニケーションを取らしてもらっている、また代表の試合ではずっと出ずっぱりではなかったこともある、マイケルはちょっと無理かな。三上に関しては成田に着いた時点で連絡してきてくれて「僕を出してください」とすぐにトップリーグに気持ちを切り替えてくれて、非常に心強く思った。

・フランソワ・ステインを先発に使ったのは?
冨岡ヘッドコーチ:神戸製鋼はキックの多いチームなので、それに対抗するための長距離砲として起用したが、その期待に応えてくれた。

(記事:蜷川善夫、石川悟、北畑幸二 写真:小巻真司 広報担当:村島博)