第50回全国大学選手権大会

 

第50回全国大学選手権大会
セカンドステージ 第3戦
（近鉄花園）
１２月２２日（日）　１４：００Kick Off
立命館大学
12
12 -  3
 0 -  7
 明治大学
10

◎ 立命館大学 vs 明治大学　マッチ・サマリー
　クリスマス寒波に見舞われ底冷えのする花園ラグビー場、大学選手権セカンドステージもいよいよ最終戦を迎え、プールCでは関西大学Aリーグ1位の立命館大学、ここまで勝点を挙げられず総勝点は6にとどまるが初勝利を目指す。一方、第2戦で1点差の接戦を制し2連勝、グループ首位を走り勝点11と伸ばし、この一戦で勝利を収め準決勝進出を決めたい古豪明治大学の一戦。

　タッチフラッグが真横にたなびく強風のもと、風上を選択した明治のキックオフで前半が開始される。両チームとも持ち味を活かし、互いにゴール前まで迫るが一進一退の膠着状態が続く中盤の21分、立命館がスクラムでポップアップの反則を犯すと、明治10番SO茂木直也がゴール前25ｍ右中間からPGを慎重に決め0-3と先制する。明治は追加点を上げたい状況で風を利したハイパント攻撃を行うが、立命館はカウンターからの連続攻撃で切り替えし、30分ハーフウェー左中間ラックでのオフサイドの反則からSH井之上明が速攻、タックルを振り切り左隅にトライ5-3と逆転する。これで息を吹き返した立命館は密集を支配すると、明治は人数をかけざるを得ない状況になり前半の終盤に差し掛かる。立命館は大きく蹴り込まれた自陣30mのラインアウトからモール、ハイパント攻撃、明治ノックオンのラックを支配し、39分25mL右中間付近のラックから右展開、5番LO宇佐美和彦が抜け7番FL萩原寿哉が右中間にトライ。10番SO井本拓也が逆風の中GKを着実に決め12-3とし、立命館が9点リードで前半を折り返す。

　風上に立った立命館のキックオフで後半が開始される。勝利をめざし緊張感がみなぎる明治に対し、立命館はハイパントを使い明治陣内に攻め込む。しかし、明治も22番田村煕のキックで立命館のゴール前に迫り、ラックを連続支配し得点の機会を覗うが反則でエリアを返される状況が何度も繰り返される。明治はこの後も懸命に立命館ゴール前で攻撃を仕掛け、ようやく25分、ゴール前5mポスト右ラックからSH田川明洋からのパスを22番田村が巧みにステップを切り中央にトライ(ゴール)、12-10と2点差に迫る。この後両チーム必死の攻防が繰り返され、ホーンが鳴った後も手に汗握る戦いが続くが、最後は明治のノットリリースザボールの反則でノーサイド。明治にとっては重い2点差となった。

　準決勝進出は果たせなかった明治大学ではあったが、見ごたえのあるゲームにスタンドからは温かい拍手が送られた。立命館大学も、今後の関西大学ラグビーを牽引するうえで貴重な一勝を挙げた。この試合の結果、グループCでは慶應義塾大学が準決勝に進出することとなった。













◎ 会見サマリー
【明治大学　丹羽政彦　監督】
　明治としては残念な結果となってしまった、前半はDFの局面で度々裏を取られた、多少BKでエリアを取っていれば展開も変わったと思うし、タックルミスでチャンスを与えてしまった。後半は立て直して、チームとしてやろうとするが、明治の意志も足らなかった、国立へ行くという気持ちでいたが、そこへ導いてやれなかったことが悔しい。
【明治大学　小澤和人　ゲームキャプテン】
　風上で陣地を取れず思うように自分たちのプレーができなかった、結果がすべてだ。
（立命館の対策は？）
丹羽：対策は練っていたがしっかり対応できなかった、立命館は想定通りで、FWをしっかり止めないとオフロードでつながれる、DFで飛び込みぎみでそこでつながれてしまった。
（後半2度ほど相手ゴール前まで攻め込んだが取りきれなかったのは？）
丹羽：練習はしてきたが、2,3人目の寄りが遅く、また5ｍに入らないところで勝負してしまった、ここの精度を上げるためシーズン通してやってきたが足りなかった。
（関西勢とゲームをして関東との差は？）
丹羽：立命館も同志社も大型化してきているしBKラインのスピードも上がってきている、実際に今日は負けているわけで、関西のトップに対抗戦の5位は勝てなかった。


【立命館大学　中林正一　監督】
　勝っても負けてももう先は無い状況で、とにかく自分たちのやってきたことを出し切ろうという気持ちで入った、いいゲームができて何とか勝つ事ができた、国立へはもう一歩足りなかったが、少しは進歩している、立命館として明治さんに勝利したことで新しい伝統を作れて誇りに思っている。
【立命館大学　庭井祐輔　キャプテン】
　国立に行ける確率のない中で、その分思い切って、１年間やってきたことを80分間に凝縮してプレーしようと臨んだ、一昨年は明治さんのBチームとしか試合してもらえなかったが、今日勝てて立命館の進歩を証明できた。
（勝因は？）
中林：去年からこだわってきたDF、東海大戦でそこが乱れたので、ここを修正した、アタックは相手を研究し、ブレイクダウンとコンタクトエリアのところをしっかりと練習して、あとは思い切ってプレーしたこと。
庭井：明治さんはブレイクダウンが強いので、そこでターンオーバーをさせなかった、また近場のところでくい込まれなかったことで相手の強みを消すことができ、ロースコアに持ち込むことができた。
（関西王者として国立へ足りないものは？）
中林：経験の差もあったが、コーチングスキルやゲームへの持っていき方とか、関西で圧倒的な力をつけないと通用しない、また関西勢で接戦を繰り返し、試行錯誤していくことが必要。
（後輩へ伝えたいことは？）
庭井：DFは今後のうちの強みになっていくと思う、ワンチームをテーマにやってきた、15人でやるスポーツなのでチームワークを大切にしたい。


［敬称略］
（記事：蜷川善夫、山林右二、北畑幸二　写真：小巻真司　広報担当：村島博)