ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014

 


2ndステージ 第3節 グループA マッチ・会見サマリー
(ヤマハスタジアム)

12月14日(土) 13:00Kick Off
 6 -  7
17 - 12
ヤマハ発動機ジュビロ
23
キヤノンイーグルス
19

“ヤマハが最後のワンプレーで逆転勝ち。1stステージの雪辱を果たす”


◎ ヤマハ発動機ジュビロ vs キヤノンイーグルス マッチ・サマリー
 12月14日、北風の強いコンディションのなか、ともに1勝1敗のヤマハ発動機とキャノンとの対戦が、ヤマハスタジアムで行われた。ファーストステージでは28-18とキャノンが勝利しており、ヤマハとしてはホームゲームで雪辱を果たしたいところ、この試合は、両チームにとってプレーオフ進出を狙う大事な一戦でもある。

 試合は開始直後から動いた。キャノンがキック・オフでヤマハがこぼしたボールを拾いラックから右へ展開。FB⑮オマール・スライマンケルがディフェンスを振り切りゴール右中間にノーホイッスルトライ。左CTB⑫三友のゴールも成功し、7-0と先制する。先制されたヤマハは相手陣で攻撃を再三仕掛けるが、ラインアウトでのミスやキャノンの強固なディフェンスで得点をすることができない。だが、キャノンもヤマハのプレッシャーによる反則を繰り返し、前半23分には右LO⑤鷹クロフォードアストンがイエローカードで一時退場となる。ヤマハFB⑮五郎丸が22mライン付近右中間からのPGを決めて3点を返す。ヤマハは33分にもPGを決め、1点差まで詰め寄る。さらに35分22mライン付近中央での逆転のPGを得るが、FB⑮五郎丸のキックは強風の影響でゴールポスト右をわずかに外れ、結果1点差のキャノンリードで前半が終了する。

 後半に入るとまず風上になったヤマハが優位に試合を進める。6分ヤマハFB⑮五郎丸が22mライン付近中央のPGを確実に決め逆転。さらに20分、ゴール前5m右中間で得たペナルティでスクラムを選択し、そこからBKに展開し左CTB⑫マレ・サウが右中間にトライ(ゴール成功)し、点差を9点に広げた。しかし、キャノンはここから反撃を開始。23分にゴール前のラインアウトからのモールを押し込み、左FL⑥アダム・トムソンが左中間にトライ(ゴール不成功)。27分にはヤマハのラインアウトからの攻撃ミスにつけ込みカウンターで左に展開、最後は右CTB22アイザイア・トエアバが左中間から中央に廻り込みトライ。左CTB ⑫三友のゴールも成功し再びリードする。逆転されたヤマハは反撃するが得点することができず迎えた後半38分、またもキャノンはNo.8⑧ジョシュア・マウが反則の繰り返しでイエローカードによる退場。ペナルティで得たタッチキックをSO⑩大田尾が確実にゴール前5mまで大きくゲイン。最後のワンプレーとなったラインアウトからのモールはBKも加わりゴールラインへなだれ込む。NO.8⑧堀江が左中間にトライし、土壇場で再々逆転し終了のホーン。最後はFB⑮五郎丸が落ち着いてコンバージョンを決め、23-19と点差を4点に拡げ試合が終了した。

 ヤマハはキャノンに対し1stステージの雪辱を果たし、今日の勝利で勝ち点を13と伸ばし4強のポジションをキープ。一方キャノンは健闘するが反則が20回、イエローカードを2枚もらうなど、自らのディシプリンの欠如からヤマハの逆転勝ちを許し、勝ち点7と4強入りのチャンスを逃した。この日のマン・オブ・ザ・マッチは、試合終了直前に逆転トライを挙げたヤマハNO.8⑧堀江が受賞した。また試合終了後、キャノンHO②山本貢選手が通算100試合出場を達成し、会場に駆け付けたお母さんとともに両チームから暖かい祝福を受けた。






◎ 会見サマリー
【キヤノンイーグルス 永友監督】
 キヤノンとしては、ジュビロスタジアムで初めてやる試合でした。すばらしい施設で観客の皆さん、関係者の皆さんに感謝します。もう少しで勝利をつかめるところが、落ちてこぼしてしまった。残念な結果だ、この差が実は大きいのだと思う。敗因はいろいろあるが、ペナルティが多くゲーム自体を壊している。観客の皆さんにも相手にも申し訳ない。スピーディであるとかエキサイティングなラグビーになっていない。連敗しているが、立ち上がりが大事ということは認識しているので来週に向けいい準備をしていきたい。山本選手の(リーグ通算)100試合目を最高の形で祝ってあげることができなかった。サンヨーとパナソニック時代に蓄積されたものが全てではないか。100試合出るということは並大抵ではできないこと。おめでとうと言いたい。そして101試合目を目指してほしい。

【キヤノンイーグルス 和田キャプテン】
 反則が多くてゲームを崩してしまった。監督と同じ意見で、ペナルティを繰り返してしまうとゲームにはならない。ゲームコントロールを含めこれからやっていきたい。山本選手の100試合目を祝えなかった。敗戦を前向きに捉えて、自分たちはチャレンジャーなので、次の試合に向けてやっていきたい。

(スクラムやセットプレーに苦しんだ印象があるが?)
永友:セットプレーはヤマハの得意なところだが、ペナルティもあったがよく耐えた。そこから崩されることは想定していたが、最後のトライなどを含めて力の差があると感じる。

(ヤマハのマレ・サウのトライで引き離されたが、その後逆転したとき円陣ではどんなことを話し合ったか?)
和田:ボールキープして攻撃しよう、自分たちのラグビーをもう一回しようと話した。



【ヤマハ発動機ジュビロ 清宮監督】
 会心の勝利をホームの皆さんに見せたかったのですが、ゲームを支配するものの、ここというところでキヤノンの外国人選手たちに球出しを遅らされたり、ペナルティをされたりとリズムをつかめずズルズルといってしまった。後半トライのあとのリスタートのときも同じようにキヤノンの素晴らしいタックルとブレークダウンで流れがこちらに来なかったのがこの試合の全てではないかと思う。最後、気迫のトライで終わったというのはホームとして戦っているアドバンテージがあったのではと思うけど、最初からやってほしかった。

【ヤマハ発動機ジュビロ 三村キャプテン】
 ファーストステージに負けたので借りを返したかった。相手の反則もあったが自分たちのブレークダウンの甘さが見られて、次につなげなければいけない課題だと思う。結果として勝ちきれたのはよかった。残り4戦うち2戦はホームなので地元の方、応援してくれる方に勝ちを見せたい。

(最後の逆転はモールで取りきるしかない感じだったか?)
三村:今週はスクラムとモールで圧力を強くかけるしかないと決めていたので、FWでコミュニケーションをとって取りきるという自信はあった。

(後半モールを右側で押し込めず、結局最後にはいけたが、モールが上手くいくときといかないときの違いは?)
三村:集中力の差。最後のモールみたいな集中力を80分間継続していきたい。

(試合の最初のPGを狙わなかったのは?またその後はPGを狙ったという判断は?)
三村:最初は風がまわっていたので。力を入れていたモールで行こうとしたがうまくいかず、安定したスコアがほしかったのでPGに切り替えた。

(風はそのときによって全然方向が違ったのか?)
三村:そうだ。

(先ほど言っていたブレークダウンの甘さとは?)
三村:相手外国人選手に対しギリギリのプレーをしてきたのもあるが、自分たちがボールを取っていないとか、あとは細かい部分だ。




[敬称略]
(写真:谷本結利 広報担当: 静岡県協会 石垣俊幸)