第50回全国大学選手権大会

 


第50回全国大学選手権大会
セカンドステージ 第1戦
(長居)

12月8日(日) 12:00Kick Off
同志社大学
13
 8 - 24
 5 - 14
筑波大学
38

◎ 同志社大学 vs 筑波大学 マッチ・サマリー
 第50回となる全国大学ラグビーフットボール選手権大会、関東・関西の各リーグの上位チームが出場するセカンドステージの関西地区での初戦。2年ぶりの出場となる関西大学Aリーグ・2位の同志社大学が、関東大学対抗戦Aでは4位であったが昨年度の選手権準優勝の筑波大学を大阪・長居スタジアムに迎えた第1戦は、同志社大学のキックオフで12時に開始された。

 先制したのは同志社大学。前半10分に筑波大学のハイタックルで得たゴール前20m中央のペナルティから、SO長井一史が慎重にPGを決め3-0とした。しかしその直後の12分、筑波大学はハーフウェイ付近のラックよりSHキャプテン内田啓介が左へ持ち出し、同志社大学のディフェンスを抜き去りながら約45mを独走して左隅にトライをあげ、あっさりと逆転した(3-5)。さらに筑波大学は強力FWがボールを奪取、展開力のあるBKの大きなゲインで16分、21分、24分とトライを重ねる(3-24)。試合がほぼ一方的になるかと思われた前半終了間際の38分、同志社大学もゴール前10mの左中間スクラムからBKが右に展開し、最後は1年生WTB14番松井千士が右中間にトライ。8-24として後半に望みをつないだ。

 ところが後半も先制したのは筑波大学。開始直後の後半2分、ゴール前10mの左中間ラックから左に展開し、WTB11番福岡堅樹がディフェンスを引きずりながら左中間にトライをあげた(8-31)。その後、同志社大学も16分にHOキャプテン秋山哲平が左隅にトライをあげる(13-31)も、23分には筑波大学がFWラッシュでラックを連取し、最後は右LOに入っていた18番藤田幸一郎が右中間に押さえて勝利を決定づけた(13-38)。

 関東大学対抗戦でリーグ戦中も厳しいゲームを続けてきた筑波大学は個々の当たりが強く、試合開始直後から密集付近で執拗な攻撃を繰り返したため、同志社大学は接点においてどうしても人数をかけざるを得ない状況が続き、結果的に外側のエリアでの失点により勝機を逸した。同志社大学もスクラムでは終始互角以上に健闘し、特に後半は広いディフェンスエリアにより失点を最小限に抑えていただけに、筑波大学に許した前半の4連続トライが悔やまれる。第2戦、同志社大学は関東大学リーグ戦1部で2年ぶりのチャンピオンに輝いた流通経済大学と、筑波大学は関東大学リーグ戦1部・5位の日本大学とそれぞれ対戦する。












◎ 会見サマリー
【同志社大学 山神孝志監督】
 2年ぶりの選手権で相手が筑波大さんということで、しっかりと準備してきた、関西リーグより調子は上がってきたが、相手は昨年のファイナリストだけに、接点での相手の強さやタフさにこちらは人数をかけざるを得ない状況で、DFの人数が足らなくなり上手くつながれた、そのところで筑波大さんに一日の長があった。うちとしてはスクラムを増やしたゲームをしたかった、そうすれば同志社のペースになったと思う。今日の松井のトライはいい形のトライだった、今シーズンで一番いいゲームだった。

【同志社大学 秋山哲平キャプテン】
 筑波大さんをしっかりフォーカスして準備してのぞんだが率直に悔しいです。ゲームの入りの部分はいい形だったが、前半の途中から体を当ててこられて個人の差が出た、ゲームプランとしては後半に相手が疲れたところで勝負していきたかった。

(いいアタックもあったが取りきれなかったのは?)
山神:まずブレイクダウンのタフさで負けているのでそこに人数をかけざるを得ない、そしてシンプルに1対1でセンター陣に抜かれてしまった。去年足らなかったところでのアタックは通用したが、気持ちが先に行く、もう少しコントロールしていくことが大事、筑波さんは落ち着いていた、この差もある。

(次戦にむけての対策は?)
山神:ブレイクダウンで負けず、1対1でしっかり当たっていく、そしてゲームの立ち上がりをもっと早くしたい。



【筑波大学 古川拓生監督】
 対抗戦はいいスタートを切れなかった、なかなか先制することができずにいたので、選手権の緒戦ということで、そこをチームとしてしっかりやりたかった。チームとしては最初から全開で行き、エリアも落ち着いて取ってくれて、スコアでしっかり上まわることができ、終始押し続けられたゲームだった。また次へ向かってしっかり準備していきたい。

【筑波大学 内田啓介キャプテン】
 緒戦に勝ててうれしく思っている、しかし広いアタックでのDFでポイントへ寄って行ったりして自分たちのDFができなかったという課題も多く出てきたので、そういった意味で次につながるゲームだった、次に向けてしっかりやっていきたい。

(同志社のDFについて?)
内田:一人ひとりのスペースが広く、全体をかけてDFしてくるので、近場でブレイクしていくつもりだったが、一発で抜けるところもあった。コンタクトエリア、特にブレイクダウンでは勝負できたが、前後半ともそこでペナルティーを取られたことは課題。




[敬称略]
(記事:蜷川善夫、石川悟、北畑幸二 写真:小巻真司 広報担当:村島博)