ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014

 

1stステージ 第5節 プールA マッチ・会見サマリー
（花園）
１０月６日（日）　１４：００Kick Off
10 - 15
 0 - 28
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
10		 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
43

◎ 神戸製鋼コベルコスティーラーズ vs トヨタ自動車ヴェルブリッツ　マッチ・サマリー
　ファーストステージ第5節を終え、プールAで唯一全勝を守る神戸製鋼はこの試合に勝利してセカンドステージAグループを目指す。対する2勝2敗で6位のトヨタ自動車は、昨年のようなチーム状態に戻し1stステージでの浮上のきっかけをつかみたい一戦。昨シーズンの両者の対戦は引き分けに終わっている。トヨタ自動車にとっては今後のチームの行方を左右する落とせない重要な一戦。

　前半、トヨタのキックオフで試合開始。先取したのは神戸、開始3分にトヨタのラックオフサイドの反則からSO森田がPGを決め3-0と試合が動くと、すかさずトヨタも６分、神戸ノットロールアウェーの反則からSOマッキンタイアーがPGを返し、3-3の同点とする。この後互いに攻撃の糸口が見いだせないまま迎えた中盤20分、トヨタは神戸陣内に入りゴール前5ｍ左中間のラックを支配後右展開、CTB⑫シリベヌシィの飛ばしパスが新人の右WTB彦坂に渡り右中間にトライ、3-8とトヨタが一歩リードする。しかし、神戸は33分HL中央でのトヨタ攻撃でのこぼれ球をFL⑥清水がインゴールに蹴り込み、トヨタBKとの競り合いも制してトライ(G)、10-8と逆転する。一方のトヨタは、この後すぐにHL付近ラックからショートサイドをFB松下が抜け、左WTB和田にボールが渡ると、スルスルと神戸ディフェンスをかわし左中間にトライ(G)、10-15と再逆転し、トヨタが半歩リードで前半を終える。

　後半は神戸製鋼に再々逆転の期待がかかるが、先取したのはトヨタ、3分に神戸がG前で反則を犯すと左WTB和田がPKから速攻し、ショートサイドの右WTB彦坂に繋ぎ、右中間にトライ。ゴールも決め10-22と突き放しにかかる。この後、神戸は今までのように一気にGまで持ち込むことができず、イージーなミスを繰り返すなどフラストレーションがたまる試合内容。一方のトヨタは素早い仕掛けで神戸ディフェンスを崩すと、チームの歯車がかみ合い16分、20分、33分と右WTB彦坂がこの試合だけで5本のトライを挙げ、神戸に大差をつけノーサイドとなる。

　神戸製鋼はムービングラグビーを仕掛けられず、2ndステージAグループへの進出はお預けとなった。一方のトヨタ自動車は空中戦を制し常にアタックを仕掛ける試合運びで勝点５を加え、総勝点14とし2ndステージＡグループへの足掛かりとした。MOMには、この試合5トライを挙げたトヨタ自動車新人14番の彦坂が選ばれた。









◎ 会見サマリー
【神戸製鋼コベルコスティーラーズ　苑田右二　ヘッドコーチ】
　今季花園での初めてのゲーム、ポイント5を取りに行くために、チームのキーワード、リレントレス、アグレッシブ、ワンオンアタック、レッグドライブをかかげ、実行するつもりだったが、それができなかった。トヨタさんの「これ以上は負けられない」というひたむきさに、アタックでプレッシャーをかけられ、こちらのペースをスローダウンさせられてしまった、風下では我慢強くボールキープしてアタックしたかった。応援していただいたファンに申し訳ないです。
【神戸製鋼コベルコスティーラーズ　伊藤鐘史　ゲームキャプテン】
　いい形でのゲームがまったくできなかった、前半はテリトリーを取っている場面もあったがミスでビッグゲインをゆるしてしまい、またセットプレーやブレイクダウンで正確なプレーができなかった。
（DFをくずされた原因は？）
苑田：自分たちのストラクチャーが実行できなかった。ファーストタックラーが上に行ってしまい、引き倒すところで少しずつゲインされてしまう、トヨタさんはロータックルで入り、そこでブレイクダウンに持ち込みゲームのテンポをスローダウンさせられた。
（ハーフタイムの修正点は？）
苑田：ゲームプランとしてエリアはとっていたが、ミスからターンオーバーされたのでその辺を修正した。


【トヨタ自動車トヨタベルブリッッ　広瀬佳司　監督】
　負けると自力ベスト4が無くなるという状況で選手はよくやってくれた、「自分たちのプレーをどう出すか」という所をフォーカスして準備してきた、あと2ゲーム厳しい戦いがまっているが、今日のゲームをベースにしっかり調整していきたい。
【トヨタ自動車トヨタベルブリッッ　上野隆太　キャプテン】
　いい準備ができ、一つひとつのプレーを大切にした、まだ後のない状況だが、しっかり勝っていきたい。
（具体的に1週間どのように練習したのか？）
広瀬：「セットプレーやDFで自分たちのプレーができなかったのはなぜか？」そこにフォーカスした、結果的にボールをキープしている時間が少ない、自分たちのゲームをするためにはボールをキープし、動かしていきプレーに集中することだ。
（今日５トライの彦坂選手について？）
広瀬：観ての通り、タックルを受けてもしっかりレッグドライブしてボールを前へ運んでくれる、期待通りで、彼のゲインでチームに勢いがついた。
上野：ちょっと抜けている？〈笑〉しかしやる時はやってくれる、ムードメーカーで良いコミュニケーションをとってくれている。


［敬称略］
（記事：蜷川善夫、山林右二、北畑幸二　写真：柳元啓志　広報担当：村島博)