ジャパンラグビートップリーグ2013-2014
1stステージ第1節プールB マッチ・会見サマリー（キンチョウスタジアム）

８月３１日（土）　１７：００Kick Off
	0 - 18 0 - 28
近鉄ライナーズ 0		パナソニックワイルドナイツ 46

◎ 近鉄ライナーズ VS パナソニックワイルドナイツ　マッチ・サマリー
2013-14シーズンのトップリーグ開幕戦が、台風崩れの強風が吹く中、昨年度レギュラーシーズン7位の近鉄、対するここ2シーズン3位に甘んじているパナソニックで行われる。近鉄はこの3シーズンいずれも僅差でパナソニックに敗れているが、初戦に勝利して勢いをつけたいところ。一方のパナソニックは今年度こそトップリーグ制覇を目指す、互いに大事な初戦。　風下の近鉄キックオフで前半が開始され、キックオフのボールをパナソニックが処理ミスするのを見逃さずゴール前まで近鉄は攻め込むが、パナソニックは安定したディフェンスでゴールラインを割ることを許さず、逆に風上の利を活かしキックで徐々にエリアを戻す序盤の戦い。　スコアが動き出したのは12分、パナソニックが近鉄陣内に攻め込み、近鉄が反則を犯すと、FB田邉がPGを決め0-3と先行、さらに16分、25ｍ右中間スクラムから№８龍コリニアシがパワーでゴール前まで持ち込み、フォローして来たSHニコラスがトライ。続く19分には近鉄のラインアウトミスをSHニコラスが見逃さずこの日2本目のトライを挙げ0-15、27分にはFB田邉がPGを追加し0-18でパナソニックが前半をリードして折り返す。　一方、前半風下の近鉄は、パナソニックの攻撃の前に得点を挙げることができなかったが、28分からラトウイラ、ギアを途中出場させると、これ以降ディフェンスが機能しはじめパナソニックに得点を許すことなく、風下のハンデを18点に抑え、後半に逆転を期することとなった。　後半は、パナソニックのキックオフで開始、近鉄は風上を活かしキックでエリアを確保しようとするがキックの距離は伸びず、落下点にはパナソニックの選手が待っており、パナソニックはラン、キック、ショートパスで前進、両チームとも得点を挙げることができず後半戦の中盤を迎える。　パナソニックは、21分に23番ピーターセンをアウトサイドセンターに入替えると、近鉄陣22mラインアウトからの連続攻撃でいきなりトライを挙げる。　引き続き、パナソニックは31分、自陣からのカウンターアタックから20番谷がトライ、35分にも右WTB北川がトライ、圧巻は39分、自陣ゴール前から近鉄のノックオンのミスから、23番ピーターセンがカウンターアタックを仕掛け、左WTB山田がメインスタント前を鮮やかに駆け抜け、留めのトライを決めるとスタンドのパナソニック・ファンからは大歓声があがった。試合はパナソニックが0-46の大差で勝利を収め、幸先の良いスタートを切った。　MOMには、攻守に体を張ったパナソニック6番西原忠佑が選ばれた。

◎ 会見サマリー
【近鉄ライナーズ　前田隆介　監督】　この1週間いい準備をして、いい雰囲気で試合にのぞんだ、強風と天候が心配されたが風をイメージしたゲーム運びが出来なかった。早い段階で怪我人が出て、やろうとしたプラン通りの事が出来なかったことで、選手が焦ってしまった。
【近鉄ライナーズ　森田尚希　バイスキャプテン】　今日のゲームに対しての準備はよくできていたが、前半は思った以上に自陣での戦いを強いられ。後半は「切り替えていこう」と思ったが、焦りから後手にまわり自分たちで自滅してしまった、まだシーズンが始まったばかりなので切り替えて次のクボタ戦にのぞみたい。
（予想外に点差が開いたがパナソニックのどこが良かったのか？）
前田：陣地の使い方が上手かった、こちらは3～4フェイズで形としては崩しているところもあり、そこでボールを動かしてアタックしていくパターンだったが、焦ってしまいスタンダードを乱してしまった。
森田：オフェンス、ディフェンスとも思った以上にプレッシャーがあった。

【パナソニックワイルドナイツ　中嶋則文　監督】　近鉄さんは「中井選手の弔い合戦」と結束力をもって挑んでくるだろうということで難しい開幕戦になるだろうと思っていた。前半はお互いに力を出し切れない展開だったが、後半はフィットネス、フィジカル面で勝って結果的に大差のゲームになった、集中を切らずに戦えた。
【パナソニックワイルドナイツ　堀江翔太　キャプテン】　前半は開幕戦という緊張から堅くなって、動きも反応も遅かった、一番タイトな時間でどれだけ動けるかが課題だが、0点に押さえたことは収穫だ。ディフェンス、アタックともにまだまだ課題はある、次に向かって修正していく。
（アタック、デフェンスの課題とは？）
堀江：アタックでやりたいことはもっと大きくグランドを使っていきたい。ディフェンスはけっこう近鉄さんのミスを誘う場面もあり、ブレイクダウンでもボールを取ったが、その後ボールを活かし切れていないし、タックルミスもあった。
（近鉄との最大の差は？）
中嶋：フィジカル面の差はあまりなかった、気持ちの部分だと思う、堀江がチームをすごくまとめてくれ、開幕戦にいい準備が出来た。
堀江：相手陣でプレーしてプレッシャーをかけながらミスを誘うという意図したプレーはできたが、近鉄さんは焦りからかミスもありこちらへ入ってこられなかった。
（キャプテンとして初めてのゲームの感想は？）
堀江：いい緊張感があり、なかなか味わえないもので、自身が今後において成長するいい材料になると思う。

［敬称略］
（記事：山林右二、北畑幸二　写真：柳元啓志　広報担当：村島博)